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「コウキ様ゴルド殿が寄港いたしました。港の方へお願いします」
「本当か!分かったよ今行く」
定期的に来てくれると言っていたゴルドがやっと来てくれた。コウキにまだ資金は無いのだがこの島の物資に勝手に値を付けて買ってくれると言っていたので初めての商売にコウキは楽しみにしていたのだ。早速コウキはステラとアレクと一緒に浜に向かった。浜に向かうと沖合には大型の商船と護衛船が停泊しており小型船が浜に止まっていた。
港ように作った大型倉庫に行くとジンがゴルドと話をしていた。
「さしぶりゴルド待ってたよ」
「これはこれはコウキ様また一段と立派になられましたな少し居住区の方を見させてもらいましたが圧巻ですなこの村は」
「なんかゴルド様子編じゃないか言葉使いとか」
「何を言っているのですあれほどの島を作り上げる領主様と商談をさせていただくのですぞ失礼があって取引できなくなってしまったら商売人として失格ですぞ」
「……なるほどな」
前の島に行った時のゴルドは宝石商として商人らしい良くも悪くも貪欲さというか勢いがあったのだが今は完全にした手にきておりコウキにはしてもいないのにゴルドが擦り手をしているように見えてしまった。こうなると饅頭の下に金貨でも入っているのではなかろうか。
「それでなんだけどこの島で売れるものを見てくれることになっていたと思うんだけど」
「はいその通りでございますよ。なんでもよい値段で買わせていただきますよ」
「じゃ自由に見て回ってくれ案内するよ」
「ではその間にこちらの商品も船から降ろして準備しておきます」
ゴルドに島を案内することになったコウキは早速見て回る事にした。船頭はアレクがしてくれるそうでついていく。
「まずは新しくこの島に来た人のために作られた居住区です。倉庫から近いので外からゴルドさんも見ていたと思いますがこちら全てコウキ様自ら建てられたものです」
「なんとまだ一月ほどしかたっていないのですぞしかもこれほど立派な家を一人で建てられたのですかな実に見事だ」
「そんなに凄い家か?普通だと思うけど」
「何をおっしゃいますこの家避難民が住んでいるとは思えない継ぎはぎもなく隙間が見られないしかもあのタンク水を貯められるのですかな家で水が出るなんてどこの貴族なのやら」
「中も凄いですよまず各家一つずつトイレがありなんと水で排泄物が流せるのです作りもしっかりしていてとても居心地がいい」
「なんとトイレまであるのかコウキ様は凄いな」
コウキを差し置いてゴルドとアレクで家について話し合い盛り上がっていた。
「トイレがあり流せるということは下水道が整備されていますなどうやったのです我々も研究してはいるのですが」
「あーえっとなそれはステラの作った排泄物を分解してくれる薬を使って綺麗にした後地下に染み込ませているんだよこの島の岩盤は柔らかい所があるみたいで地下水として染み込んでくれるんだ」
「なるほど地面すら理解して計算して作られているのかもはやコウキ様に契約をして家を作っていただくのが一番の商売ですなしかしこれほどの家をどうやって作っているのです?」
「それはですね‼」
アレクは興奮したようにゴルゴにコウキがどうやって家を作っていったのかについて語っていた。しかも血統魔法についてもしっかり語っている。これコウキは案内に必要なのだろうか二人を見てひきつった笑いが出てしまっていた。
「なるほど納得ですなこれほどの力があったなんて素晴らしい」
「あのなゴルド俺はこの島で暮らせれば満足だから他に行くつもりなんて無いからな」
「それは残念ですねこれほどの力があれば皆大金をはたいて建築させるでしょうに」
それからアレクは居住区の説明から用水路の説明水車小屋の説明に移っていった。
「こちらがコウキ様の作られた川でございますそして村に水を供給するための水車と呼ばれる施設でございます。先日コウキ様が中を改造されまして新しい施設も作っていました」
「ほうそれは興味深いコウキ様はいったい何を作ったのですかな」
「ちょっと待っててくれ見た貰った方が早いだろうからステラ紙を持って来てくれないか」
「分かったわよコウキくんが作った方しか出さないわよ」
「分かったよ」
コウキはステラに頼んで中にしまっておいた紙を持って来てもらいゴルドに見せた。
「これを作れるようにしたんだよ」
「なんと‼これほど上質な紙を作る事が出来るのですか」
「そんなに凄い紙か?まぁ初めてにしては上手く行ったほうかな」
「この紙初めて作ったのですかしかもここで?紙とはもっと過酷な仕事だと聞いた事があるのだがとてもきつそうには見えないどうなってるんだ」
「逆に聞きたいよどうやって紙作ってるんだよ」
「紙とは精霊と契約をして精霊に植物を破壊してもらってその後い一日かけて数人で踏みつけた後水の中から作り上げると聞いたことがあります結構な重労働でしかも精霊は気まぐれのためあまり働いてくれないから生産が安定せずに高価になっているとか」
「へぇー精霊から作る方法もあるのかまだまだ魔法に関しては勉強が足りないな」
「やはりコウキ様は安定して作る方法があるのですね実に興味深い」
「ちょっとした発見と工夫で魔法に頼らなくても意外と何とかなるものだぞ」
「コウキ様は血統魔法が使えるほどの大魔法使いにも関わらず驕りも高ぶりもなく魔法に頼る事すらしないとは大陸の魔法使いは自分達も賢者と崇め滅多に魔法を使いもしないのに贅の限りを尽くすものですよ」
「エルフの森ではそこまでの事は無かったけど他の種族では貴重な存在ですものね」
ゴルドの話にステラまでもが賛同してしまった。
「それじゃその賢者とやらは運が良かったんだなたまたま魔力にきずけただけだぞ」
「ほう興味深い話ですな聞かせて頂きたい」
「魔法っていうのはな実は皆使えるものなんだよこの世界の人は少なからず体内に魔力が流れているはずなんだ認知出来てやり方させ分かればだれでも魔法が使えるんだよこの島の子供達には将来の可能性を広げてあげたいから学校では魔法だって教える予定さ」
「その話は本当なのですか」
「本当ですよ実際にコウキ様は傭兵全員を鍛え上げこの島の魔道遊撃隊になっています」
「もはや実証済みでしかも学校で子供達に教育するなんて学校があるだけでも驚きなのにますますこの村は凄い学問の最先端になるな」
結局毎回止まっては語り合いながらそのまま畑なども見せて一周して帰ってきたのだった。見るたびに説明していたためコウキはぐったりしておりステラが心配してくれたがまだゴルドとアレクはコウキについて語り合っていた。コウキは二人の話が途切れるのを待ってから本題を伐り出した。
「それでなんだけどいったい何が売れるんだい?」
コウキの問いかけにすっかり興奮していたゴルドだったが顔を引き締めると商人モードに切り替わる。
「ゴホンッ!失礼そうですね売り物の話しななのですがはっきりいってわたしはコウキ様の技術が欲しいいくら出したってかまわないから素晴らしい技術を売って頂けないだろうか」
「技術と言われてもどうやって売るんだ?」
「一番はコウキ様に世界中を回って頂いて作って頂くのが一番なのですがそれは不可能でしょう」
「もちろんだ俺はここが好きだからな旅行ぐらいならいいけどずっとは嫌だ」
「そこで我が紹介の技術スタッフをここに派遣しますのでコウキ様の作られた装置を少しでも伝授して頂きたいもちろん費用は全てこちら持ちでコウキ様に指導料も払います」
「そんなことでいいならいいよリーノ達にもやってることだしな」
「それと紙についてはあの技術が出回ってしまっては市場が崩壊してしまうので紙を毎回少量販売していただきたいそれにアラクネ...えーっとリュディア様の作られた布を素晴らしい物だそちらも売って頂きたい」
「紙についてはいいけどリュディアの作る物に関して言えば俺じゃなくて本人に聞いてくれ取引もそっちでやってほしい」
「なるほど分かりましたでは後ほど」
コウキとゴルドはこの島で売れそうなものについてドンドンと決めていき話し合いをしていくのだった。




