50
サイレントビー捕獲隊を編成したコウキは花畑に戻って来た。凹みの中にある巣の前までやって来て作戦会議をする。
「ここが巣だぞヤシャならどうする?」
「モンスターの捕獲ですよねしかもかなり目標は小さいと来ています。サイレントビーは毒はないとされていますが集団で襲われたら命を落としてしまいますからねまずは完全に動きを止めたいですね」
「確かにそうだなじゃ雷の魔法をかなり威力を落として殺さないようにするか」
「それがいいと思うのですが巣の規模がどれくらいあるのか分かりませんし嬢王蜂は大きさが違い30センチほどにもなると言われていますからね先に兵隊蜂を処理したいですね」
「しかしどうやって分けるんだよ」
「冬とはいえ巣に危険が迫ればあいつらは身を犠牲にして襲って来ますよこの雪ですからね長くは持たないでしょうが兵隊蜂が戦っていいる間に残った蜂が巣の穴を閉じて完全に立て籠もると聞いていますですから初めの兵隊蜂を処理したのちに閉じた巣を慎重に削り出し温めて中の温度を低下させないまま運び出すという方向でどうでしょう」
「よしヤシャの意見で行こうか指示は任せたよ」
コウキから任されたヤシャは早速隊に指示を出す。まずは囮役が巣の近くまで行き兵隊蜂をおびき寄せる。出て来たら味方の所まで走り全員で広範囲に雷の魔法痺れさせ一毛打尽にする。その後は土魔法で優しく削り出しつつ捕獲完了だ。数人に村に戻り荷車を持って来てもらう。
「コウキ様初めは危険ですのでお下がりください万が一があります」
「そんなヤシャ達だけにやらせるなんておかしいじゃないか」
「何言ってるんですかここに集まった皆はコウキ様を信頼してここに集まっているんですよ万が一にもここで命を失うわけにはいかないですよそれに我々は多少の蜂なら慣れてますから安心してください」
「そこまで言うなら分かったよお手並み拝見だな」
ヤシャは役割分担をしてから作戦を開始する。まずは隊の中でも普段偵察などを受け持っている二人が巣に近づく。巣の中では虫にしては大きな蜂が身を寄せ合い警戒していた。ある程度の距離まで行くと金棒を互いに叩き大きな音を出していく。音に気が付いた兵隊蜂は巣と嬢王バチを守るために外に外的を倒すために外に出て来る。
冬ということで雪も積もるほどの寒さで動きはかなり鈍くなっている。
「よし下がれここまで引きつけろ」
出てきた兵隊蜂を見た後すぐにヤシャは行動に移る。巣からは50匹ほどの兵隊蜂が出てきているがヤシャはすぐさま分析すると隊に指示を出し兵隊蜂を囲み魔法の発動に移る。
傭兵隊は全員の意思疎通を図り円滑に支持を出すために魔法を数値で表していた。それにより共通認識が生まれ全員の理解が早まる。
「雷20発動30行くぞ」
これにより威力が死なない程度の雷魔法が30秒後に発動するのだろ。傭兵隊はしっかりとタイミングを合わせ同時に魔法が展開された。30秒の間に二人の偵察は範囲から抜け出し見事に兵隊蜂が包囲に入り魔法がヒットする。
「みんなさすがの練度だなこれは逆に俺が入ったら乱れるな」
戦闘の基本はいかに情報を共有出来るかだ。情報伝達能力が早ければ早いほどチームがそれに合わせて動くことが出来る。情報を数字で共有するなどは長い情報をすぐに伝達出来るのでさすがは傭兵ということだろう。これではコウキが入ってしまったら崩れるだろう。コウキは身の安全だけではなくチームの安全のために下がらされたわけだ。
兵隊蜂が痺れて動かなくなるのを確認するとヤシャ達はすぐに回収に移る。雪の中で倒れて動けずにいたらすぐに死んでしまうだろう。回収した後すぐに布に包み火の魔法で温めた石を添えて温度を保つ。これで寒さで死んでしまうことはないだろう。
「見事な練度だなヤシャ流石だよ」
「いえいえこれもすべては我々に魔法を指導していただいたコウキ様のおかげです戦術の幅も広がりますに本当に感謝していますよ」
「さて巣だなこっちが本番だぞ」
「そうですねさぁやりますよ」
傭兵たちは既に巣を囲み回りの掘削を始めている。入り口はしっかりと固められ閉ざされていた。土の魔法で巣をしっかりと固めて崩れないようにしながら掘っていく。全体で1メートルほどの大きさもある巣が回収された。荷車に乗せた後は風と火の魔法を組み合わせ温風を出して温めながら運んでいく。ちなみに傭兵たちはみな魔法の訓練を重ね全員が魔力量300ほどになっていた。
「コウキ様任務完了ですさぁ風を引く前に戻りますよ」
「そんな子供じゃないんだから大げさだなヤシャはまぁ早く戻れるのはありがたいけどな」
こうして無事にサイレントビーを無事にリュディアの部屋に持ち帰る事が出来た。ちなみに兵隊蜂はコウキが虫かごを作って保管した。
「リュディア戻ったぞどうすればいいんだ」
「コウキあとはわらわに任せて横で見ておればよいぞ」
「分かった頼むよ」
リュディアは巣の前に立つといきなり巣を叩いて割ってしまった。すぐに中から残った兵隊蜂が出て来る。リュディアの巣の中はとても暖かく兵隊蜂はとても活発になっていた。中には30匹ほどの蜂が残っており巣が壊されたことに起こり襲いに来ている。
「オイリュディアどうするんだこれ危ないぞ」
「大丈夫じゃそこで黙ってみておれ」
兵隊蜂は勢いよく襲い掛かりリュディアを包囲しようとしていた。
しかしリュディアから1メートルほどの距離で兵隊蜂の動きが止まってしまった。良く見るとリュディアの体の周りに薄い糸が貼り巡らされていた。天井にはくもまる達が蠢き糸を張っていた。いつの間にかコウキの周りにも糸の壁が出来ている。
「なんだよ糸があるなら教えてくれよ」
「コウキよ忘れたのかわらわ達は蜘蛛のモンスターしかも上位種なのだぞ当然糸は張っておる」
「そういえばそうだったよなそれでどうするんだ」
「まぁそこで大人しくしておくのじゃぞ」
リュディアは周りの糸の隙間をするすると抜けて巣の中心にいた嬢王蜂に何やら話しかけていた。巨大な体なのにあの隙間を行くなんて凄いと思う。
しばらくリュディアは嬢王蜂と話そしてこっちを向いて指を指してから戻ってきた。リュディアは糸から兵隊蜂を開放しコウキの虫かごからも解放した。そして嬢王蜂のもとに集まっていた。
「コウキよ話がまとまったぞ」
「さすがだなそれでどうなったんだ」
「この暖かい空間に巣を作っていいから多めに蜜を作って差し出せと言っておいた。後人間は味方だから消して攻撃してはならんとな」
「それは凄いな流石リュディアだよ」
「それでこの部屋の横に穴を増やしてこやつらの巣を作ってやってくれんか」
「よし任せろすぐに作ってやるよ」
蜂の方は嬢王蜂が兵隊蜂に説明したのであろう襲って来なくなった。
「そうだリュディアせっかくだからこの部屋も少し改良していいかな」
「もちろんじゃ頼むぞ」
「じゃとりあえず蜂たちの面倒は頼んだよちょっと大掛かりになるからさ」
「分かった任せておけ」
コウキはこの穴の中に暖房装置を作る事に決めた。鉄で官を通しお湯を流すことで全体を温めるのだ。湯たんぽもかなり暖かいのだがお湯を交換しなければならないしどうしても限界はある。しかし常にお湯を流し循環させれば簡単に温度を保つことが出来る。循環させる原理としてはお湯を沸かしている時の水蒸気で上の風車を回しその回転力で官の中のスクリューを回転させて循環させる。大掛かりな装置だがリュディアはサイレントビーのためになるのでやるしかない。上手くいけば一般にも復旧させて暖房装置をつくれればより生活が快適になるだろう。この地域は寒さが厳しい地域なので早めに作っておけば今後役に立つだろう。




