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子供たちは遊んでいた時は皆賑やかがったのに食事になると皆黙々と食事をしていた。
コウキは子供達の様子を見て感心していた。
「しかしやっぱり子供達は育ち盛りだし良く食べてていいな」
「ここの食材は美味しいですからね畑に植えてある胡椒も最高ですから」
子供たちは葉物の野菜や燻製肉とゴルドからもらった小麦粉を使って大陸で良く食べられている発酵させていないパンを食べていた。モチモチとしたパンの存在を知っているためコウキには硬くてずっと食べ続けるのはきついのだが子供たちは慣れているため沢山食べている。来た頃のやせ細った様子はもうない。
「でも食事だってまだちゃんと出来てないのが辛いよな」
「コウキさんはかなりの美食なのですね」
「あと足りないと言えば砂糖かしらね甘い物が食べたいわ」
「確かにステラの言うと通り糖分が足りてないな森に自生してる木の実とかが甘いし皆取って食べてるから不足は無いと思うけど人数が多いし足りなくなるよな」
「コウキくんの事だからまだ色々あるんでしょゴルドさんの物資で喜んでたもんね」
「その通りだぞまぁ塩味だから説明が難しいんだけど味が違うんだ。冬が終わったら大規模な畑を作る予定だからな」
「その時は我々がお手伝いしますよ」
「頼んだぞこの世界に新たな食を作るんだ」
「それで午後は何するの?」
「そうだな子ども達と遊ぶのは楽しかったけど午後はステラと散歩かな」
「なるほど分かりましたでは我々は仕事に戻りますね」
食事をとった後後片付けはお母さんたちが受け持ってくれた。俺たちも手伝うと言ったのだが食事中に話していたことを聞いていたのだろう。デートなんだがら早く行きなさいと言われてしまった。遠回しに村長の子供が見たいとか言われていたがこういうのはすぐにどうこうなる問題ではない子供は授かりものなのでゆっくりでいいと思う。
「じゃ行こうかステラ向こうの池というか湖の近くに確か花畑があったんだよその辺りに行ってみようか」
コウキとステラは二人で用水路に沿って歩いていった。
そこから少し遅れて親衛隊は森の中で整列していた。
「お前たち今コウキ様はステラ様とお出かけである。我々の任務はコウキ様の命を守る事である。しかし今回はお二人でのデートということで邪魔をすることは許されないそこで我々は秘密裏に回りを囲み護衛しなければならない。くれぐれも気が付かれずまた有事の際は真っ先に盾にならなければならないいいな」
「「「「「「「「「「「「「「「了解我が剣はここにあり」」」」」」」」」」」」」」」
森の中でアレク達は編成を完了させてコウキ達から50メートルの位置を保ち極秘裏に護衛を開始したのであった。
コウキ達は順調に進んでいた。定期的にコウキとステラは二人の時間を作り毎回出かけていたため結構慣れた様子で雑談を交えながらお花畑を目指していた。
「しかし子供達は勇敢だったり頭がよかったり将来が楽しみな子たちが多かったな」
「そうね男の子も女の子も中々優秀な子が多かったわね」
「やっぱり子供がいると雰囲気も良くなるし今後の村の発展が楽しみだな」
「私達もそろそろ良いのよ落ち着いてきたし」
ステラは顔を赤くしながら話してくれた。それを見たコウキは動揺しながらも今後の事をしっかり考え始める。「そ、そうだな新しい家族が増えるのは嬉しいし息子とキャッチボールとかプラモデルとか作るのが夢だったんだ。」
「プラモデルってなんなの?」
ステラと話しているうちにうっかりこの世界に無い物の話をしてしまったがまぁいいだろう。
「えーとプラモデルっていうのはな船とかの模型をサイズを小さくして作るんだよおもちゃみたいなもので結構かっこいいんだぞ」
「コウキくんは子供が好きなのね」
「そうだな親との思いでなんて何も無いからな結構憧れがあるんだよ」
「そうだったのねきっといい思い出作れるわよ」
コウキ達が話しながら進んで行く後ろでアレク達はぴったりくっついて尾行していたのだがコウキ達の話をしっかり聞いてしまっていた。
「オイクリス聞いたかコウキ様の今の話」
「もちろんですよ隊長素晴らしいお話だと思います」
「素晴らしいなんてものでは無いぞコウキ様ほどの実力を持った子が生まれれば色々な所でかなりの強化になる。何せあの力があるんだ」
「そうですよねヤシャ達がコウキ様から魔法の指導を受けて素晴らしい力が手に入っていたとはいえ事生活分野に関して言えばコウキ様は無敵です特別な血筋の賜物な訳ですがその後継者がいるといないとでは当然今後の発展が変わって来ますからねこれはもはやこの島の王子の誕生になるでしょうね」
「それにだぞコウキ様の実力者ならばご婦人が一人しかいないなんておかしな話だろ獣人の誰かが子供を授かればこの島を愛しているコウキ様に代わってネメアを復興出来るかもしれないもちろん我らはコウキ様に使えるが今後の戦力の意味でも領地としても広がる事は悪くない」
「獣人だと有力な候補はアリスであろうかコウキ様とはとても親しくしている少しご寵愛を分けていただいても問題はないであろう」
コウキ達が将来の事を話しているのを聞いたアレク達は自分達の将来が明るいのを感じて歓喜しコウキ達を応援していくことを誓うのであった。
一方コウキは何か後ろに熱い視線を感じていた。
「どうしたのコウキくんさっきからおかしいわよ」
「なんか後ろから変な感じがするんだよ敵意とかじゃないから良く分からないんだけどなにか熱いものを感じるんだ。」
「何よ熱いものって最近頑張ってたし疲れが出てるのかもしれないわね帰って安静にしててもいいのよ」
「何を言ってるんだ俺はステラとこうして二人の時間が作れてとっても嬉しいんだぞきっと大丈夫だってそれに花を見るだけだしもうすぐ着くから行こう」
「そういってくれるなら私もうれしいわ」
コウキは何かを感じながらもステラとの時間を大切にしながら目的地に到着したのだった。到着したコウキ達は花畑の美しさに感動していた。一面に真っ白な花が一面に咲いていた。
「綺麗ねこの花ホワイトローズね寒さにも強くていい香りがするわね」
ホワイトローズとは冬に咲く花らしく寒さにとても強くしかもこの季節の雪と相まって一面が白く染まっておりまた、ホワイトローズからとてもいい香りがしていた。
「前に少し見ただけなんだけど改めて見ると綺麗だなとても綺麗だ」
「そうねここまで一面に咲いているのは私も初めてよ」
「ちょっと歩こうか」
コウキ達は花畑の中に入っていく。腰よりもしたほどの高さのため見ながら散策しているとローズの香りもありとても安らぐ空間になっていた。コウキ達はしばらく楽しんでいた。
その頃アレク達はコウキ達の光景を隊全員で集まって見学していた。
「ステラさんとっても綺麗ねネックレスも良く似合ってるわ」
アリスは一面真っ白のローズに囲まれた世界で微笑みながら歩いているステラに見惚れていた。エルフ特有の金髪にコウキが送った大きなルビーのネックレスが白に映え幻想的な風景になっていた。男性陣たちも例外ではなく二人を微笑ましく眺めていた。
ステラ達に見惚れていたアリスにアレクが近づいて行く。
「アリスちょっといいか」
「はい隊長しっかりコウキさんを見守っております」
「ご苦労だそれでアリスに質問なのだが」
アレクは先ほどクリスと話していたことをアリスにそれとなく聞いてみる。
「えっとコウキさんですかそれはもう素晴らしいお方です。何も出来ず無意味に努力していた私を導いてくれた。それにお父様も助かったしなんといってもお優しいお方です」
「その通りだぞアリス良く分かっているじゃないかそれに加えて力図良さと知力判断力技術どれをとっても一流で完璧なお方それでいて覇道がない力がある人間というものは必ずその力に溺れる者だ。その力をうまく使えなければ世界がおかしくなるまぁ力がないにも関わらず暴走するバカもいるのだが」
アレクは話ながら嫌な思い出を思い出していたのだろ顔が険しくなっていた。
「それでなんでそんなこと聞くんですか今更コウキさんの魅力など皆が知ってることですよ」
「そうだなそれなのだが」
アレクはいよいよ先ほどの本題を聞き出そうとしていた。




