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コウキは集まってくれたアレク達に事情を話していく。
「というわけでアレク俺たち大人がチームを組んでカイたちと戦おうと思うハンデとしては利き手の逆のみと会話禁止でどうだろうか」
「なるほどそういうことですか分かりました」
コウキはアレク達に話した後カイに説明していく。アレクがシンに話した所是非ともカイのチームに入れて欲しいということで最後は男の子チーム対大人チームということになった。
「コウキくん私はお昼の準備しとくわね」
「ありがとうステラよろしく頼むよ」
ステラはお母さんたちと一緒に昼ご飯の準備をするために一足先に帰っていった。
「よしやろうかカイ最後は特別ステージだぞ」
「はいコウキさん頑張ります」
最後の大会は特別ルールでコートは2倍で子供達には壁が倍の4枚になっている。チームは男の子たち全員でカイがリーダーを務めるようだ。シン達と話し合い決めたらしい。
大人チームはコウキ、アレク、クリス、ヘルハウンド、フェリスでハンデありの5人のメンバーだ。お互いに向かい合って礼をするとコートに立つ。そして審判が真ん中に立った。
「始め!」
審判の掛け声が響き試合が始まった。その瞬間アレクとヘルハウンド、フェリスは目だけで合図を送りヘルハウンドとフェリスは一気に前に詰める。女の子チームと同じタイミングでの襲撃しかも二人は本気で前に出ており速度が尋常ではない大人があそこまで本気でやるなんて大人げないと思ってしまった。シン達は前にいたため同じように初動で当てられそうになっていた。しかしカイはそれも分かっていたようで射線を切るような配置に陣取っておりシン達を援護した。その間にシン達は壁に隠れる。
「ごめんよカイ二階も同じ襲撃に合うなんて」
「あの位置からあの速度で来たんだからしょうがないよそれに反撃に出るよ」
「カイその後どうする?」
「まずは敵の司令官を倒す強力してくれ」
二人は集まって相手陣地の様子を伺う。アレクが真ん中に立ち目だけでヘルハウンド、フェリス、クリスに指示をだし左右に動かしながら戦況を支配していた。
「よしまずはアレク隊長だなカイ一気に行こうか」
「ん?確かにアレク隊長が真ん中にいるけど...」
「どうしたんだカイ」
「いや確かにアレク隊長が指示を出しているんだけどなんか違和感があるような」
「そうなのか?」
「でもアレク隊長が今中心なのは確かだ攻めてみるか」
「よし俺たち三人で前に出るからカイたちは左右から援護を頼むぞ」
シン達は5枚の壁を上手く利用して攻撃を避けながら前に詰めていく。ヘルハウンドとフェリスは左右から猛烈な攻撃をし続けていた。しかしシンは上手く隠れながら機会を伺っていた。アレクが真ん中に立っているが少しでも顔を出せば左右から狙い撃ちされる。
「どうするんだシンこれ以上ここにいたらやられるぞ」
「ネオ見て見ろ左右の攻撃が減ってきているあれだけ雪玉作ってたら雪が無くなるだろ次の攻撃の瞬間を狙うぞ」
シンは後ろから全体を見ていた。先ほどから気になる事があったのだ。それは試合が始まってから一度もコウキを見ていない。アレク達親衛隊の連携は言葉がなくとも見事で攻撃も派手でありどうしてもそちらに目が行ってしまう。しかもよく見るとクリスもいるにはいるのだが全く攻撃をせず左右を行ったり来たりしている。
「なぜだ?しかも左右の二人の攻撃おかしいぞあんなに投げてたら既に雪が無くなっているはずだろ」
カイはどこかおかしな戦闘に悩んでいた。
一方コウキサイドコウキはコートの後ろで雪玉を作り続けていた。
「さてカイどうやって攻めるかな」
今回大人チームの作戦とはアレクを囮にした子供たちに攻めさせる作戦だ。時間的にもそろそろヘルハウンドとフェリスの雪玉が切れると思う頃だろうそこでコウキは後ろで雪玉を作りクリスに運ばせていた。これは隠し玉として温存し攻めてきたところを狙う予定だ。またカイに分かりやすいように後方がわざと雪が減るように見えるところから雪玉用の雪を調達しているのだが気が付けるだろうか。
気が付かずに球が無くなった所にせめて来たら一毛打尽だ。コウキは周りの雪玉を作り終え様子を見るために顔をだした。
そのコウキをカイは見失わなかった。コウキに最初に言われたことをしっかり守っていた。
「いたコウキさんだ後ろで何してるんだ?」
コウキが顔をだした辺りを見ると明らかに回りの雪が減っていた。
「まさか後ろから雪玉を運んでいたのかオイシン気を付けろ罠だ!」
しかし気が付くのが遅れ既にシンは攻撃態勢に入っていた。
「まずいリアム、レオ援護だヘルハウンドさんを集中攻撃だ」
どちらか一方に攻撃を集中させれば攻撃は減ると思い先に前に来たヘルハウンドに狙いを定めた。
シン達もチャンスだと思い攻撃にでた。
「今だケイン、ネオ‼」
その時雪玉が枯渇したはずの両サイドから攻撃が飛んできた。
「クソなんでまだ雪玉が作れるんだ」
「どうするんだシンこのままじゃ」
「後ろにはまだカイ達がいるんだここでアレク隊長だけでも打ち取ってやる‼」
シン達は覚悟を決めて攻撃を仕掛けた」
「ケイン、ネオアウト、アレクアウト」
シンの隣にいた二人が壁になりシンを守ってくれたその隙にシンがアレクを打ち取る。
「シン下がれ!」
カイの声に咄嗟に後ろに飛んで隠れるシン。
「ヘルハウンドアウト」
カイの援護でヘルハウンドが倒れ何とかシンを助けることが出来た。
その隙にカイがシンのもとに駆け付ける。
「大丈夫かシン」
「なんでまだ球があったんだ助かったよ」
その一瞬の出来事を見ていたコウキは感心していた。
「見事な有志だなシンはそれに作戦に気が付けたカイもさすがだ良いコンビだな」
カイはシンを助けた後体制を立て直す。
「アレク隊長は多分囮だなわざと真ん中で目立つように立っていたんだよ」
「そうだったのかよく気が付いたなカイ」
「後ろでコウキさんが見えたんだけど後ろは全く攻撃してないはずなのに雪が減っていたんだクリスさんが攻撃しないのは前に運んでいたからだと思う」
「そうだったのかまた俺たちははめられたんだな」
「そんなことないよ実際にアレク隊長は指示を出していたし良く倒してくれたさぁここから勝負だぞ今は前にしか球が無いはずだけどフェリスさんしか攻撃手段がないはずだ一気に攻めよう」
「俺に任せとけ」
カイの指示を聞いたシンは一気にフェリスに詰める。フェリスは利き手の反対でずっと攻撃していたためかなり疲弊していた。小さく素早いシンにもはや攻撃は当たらない。
「フェリスアウト」
そのままフェリスは打ちとられた。
「クリス俺たちの負けだな」
「そうですな」
コウキとクリスは降参して出てきた。
「大人チームの降参により男の子チームの勝利」
「「「「「「やったー」」」」」」
カイとシンは互いに勝利を喜んでいたのだった。
「コウキさんが指導していたカイという少年は見事な采配ですね回りをよく見ていて素晴らしい」
「そうだなシン達も勇ましかったけどな」
「これは将来が楽しみですな鍛えがいがある」
「ちょっとアレクまだ子供なんだから将来を決めるのは良くないぞここに来たからには色々な事に挑戦してもらいたいし選択肢は多くないと」
「確かにリーノは完全に職人の道に行っていますからね」
「でもあの様子だときっと」
「まったく」
皆で試合が終わりおしゃべりしているとちょうどステラが来た。
「コウキくんみんなご飯出来たわよ体綺麗にしてから来てね」
「はーい」
子供達と浴場に向かい雪で濡れた体を温め綺麗にしてから今日は皆で工房の休憩スペースで昼食を食べに向かった。




