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班決めが終わると試合開始だ。まずはコウキ達の班とアレク達の班の男の子チームの対戦だ。お互いに陣地に入っていく。基本的には大人は指導担当で子供たちに戦ってもらう。両者見合って握手を交わし互いに礼をする。審判が真ん中に立ちお互いが準備が出来ると始めというかけ声で試合開始だ。子供たちに緊張が走る。
「始め‼」
審判の掛け声によって子供たちは一斉に壁に隠れてゆくだまを作り投げだす。
「皆良く狙うんだぞ雪は無くなっちゃうぞ」
コウキは子供たちに簡単なアドバイスを送っていく。クリスも雪玉を作ってあげたりサポートをしていた。一方アレク達のほうは
「ネオは右に展開シンも援護をしつつ相手の隙をつけシンは中央で壁から耐えつつ応戦しろケインは遊撃だ左右動き回って敵を惑わすんだ」
何やらアレクは本気の指示を子供たちにしていた。まるで部活の監督のようだ。
「これはいけませんねコウキさん」
「本気で遊んでくれて子供たちが楽しければいいんだけど俺たちがかなり押されてるな」
コウキ達の班は自主性も考え特に指示などせず子供たちに任せていた。コウキが観察してるとどうやらカイが皆に声をかけてまとめているようだ。
「なるほど子供達のリーダーはカイだなどれ」
コウキはカイに少しアドバイスをすることにした。
「カイちょっといいかな」
「はいコウキさんどうしました」
「戦いの基本は敵の大将を倒すことだぞいいかいまずは相手をよく見るんだよいいね」
「なるほど分かりましたやってみます」
カイよ話してみると子供の割にはとてもしっかりしていて凄いと思う。しかもカイはいったん攻撃を止めて一人壁に隠れて相手陣地を観察していた。
「まだ子供なのに凄いな」
今だ向こうの陣地ではアレクが指揮を執りそれに合わせてヘルハウンド達がサポートをして動いていた。
「なるほどな分かったぞ」
どうやらカイは相手の大将が分かったようだ。カイはリアムとレオの元に向かって指示していた。
「二人とも聞いてくれまずはアレク隊長を狙うんだ」
「えっ?アレク隊長って狙っていいの?」
「もちろんこれはチーム戦なんだから大人も同じチームなんだぞ」
「分かったよカイ」
カイの指示を受けて二人は動き出した。さっきまでみんな近くにいた相手を狙っていたが三人はアレクにフォーカスを合わせる。そして一気にせめていった。
三人の一斉攻撃は苛烈を極めた。三方向から雪玉が飛んできている。さすがのアレクも避けきれない。
「アレク隊長アウト外に出てください」
「なんと三人で私を狙うとは」
アレクは三人を称えると外に出ていった。
「あれ?アレクさん次はどうしたらいいの?」
アレクがいなくなったことにより向こうサイドは指示するものがいなくなり綻びが出始める。カイの指示のもと三人は一人を確実に倒していき数を減らしていく。
「ネオアウトヘルハウンドアウト」
アレク達の班は一気に瓦解したことで立て直しに必死でまともに攻めることが出来なくなってしまった。壁に張り付きカイたちの集中攻撃に耐えていた。
「そこまで!」
審判の合図で制限時間となり試合が終わった。
「勝者コウキチーム」
「やったぜカイさすがだぜ」
「みんなやったな次も頑張るぞ」
カイ、リアム、レオは三人で喜び合っていた。アレク達の班は反省会が行われ次は勝とうと必死になっていた。
「次は負けたアレク達のチームとアリス達の女の子チームな」
「よしやるわよ皆」
「「「はーい」」」
さっきの試合を見ていたのだろう女の子チームはやる気満々である。両者コートに入ると握手礼を済ませて位置に着いた。審判が間に立ち合図を出す。
「始め!」
審判の合図ともに試合が始まった。するといきなり女の子チームが動き出した。
「行くよミハ、サラ、セリカ一気に仕掛けるわよ」
アイナの掛け声と共に最小限の雪玉を作ると前に飛び出した。アレクは先ほどの試合を反省していたらしく多少は皆の意思に任せていたため初動が遅れていた。そこに一気に女の子チームが攻め込んだのだ。
「いかん‼」
襲撃に気が付いたヘルハウンドとフェリスが一気に動き子供たちの盾になって初撃を防いでくれた。
「ヘルハウンド、フェリスアウト」
流石はオオカミの獣人なだけあり素早い動きと現場判断で初撃での子供たちの襲撃による全滅を阻止したのだがいきなり二人も失ってしまった。
「どうする皆」
シンはケインとネオを集めて状況を打破しようと話し合っていた。先ほどと違いアレクはサポートに徹するようだ。女の子チームはアリスの意見を聞いているようでアリスの動きを真似素早い動きでコートを動き回り色々な場所から攻撃を仕掛けていた。
「まだ制限時間はあるんだあんな動きが最後まで続くとは思えない今は耐えるんだ。
女の子チームはドンドン攻撃を仕掛けている。
「そんなに隠れてばかりじゃ私達には勝てないわよほらほらドンドン攻めないと」
コウキはこの試合を観察していたわけだがアリスは戦闘能力は高く素早いのだがここまで作戦を考えられるとは思えない。よく観察しているとセリカが後方に毎回下がりステラのもとに行っていた。その間にお転婆っぽいアイナがアレク達の班を挑発してどんどんせめていた。
「なるほど裏でステラが動かしてるのかセリカも落ち着いていて皆を動かしているなこれは手強いぞ」
女の子チームはアイナが前に立ち果敢に攻めていて皆の中心に見えて裏でセリカが操っていた。歴戦の将軍と軍師のような関係せいだ。
「これはカイたちも大変だな」
試合は後半戦になりさすがに女の子チームにも疲労が見えてきた。ここまでここまではシンたちは防衛に専念し反撃はあまりしなかった。そしてついに女の子チームに綻びが出始める。攻撃し続けた結果雪が無くなってきたのだ。しかもミハとサラは体力が尽きてきたようだ遅れ出している。
シンはミハとサラが遅れ始めたのを見逃していなかった。
「今だケイン、ネオ反撃に出るぞ」
アイナのローテーションで雪が無くなり攻撃が出来なくなってきている場所を狙い一気に前に出るそのまま三人でミハとサラを当てて二人アウトにした。
「やるわねシン。ミハとサラをやるなんて」
このシン達の反撃により両者膠着状態に陥ってしまった。そのまま時間は進み
「そこまで」
制限時間により試合は引き分けに終わった。
「皆楽しかったわね4人ともよくやったわ」
「アリスは攻撃出来ないのにずっと走り回ってたわね」
「ステラさんやセリカの指示のおかげでやりやすかったのよ」
女の子チームは試合が終わってもとても楽しそうだった。一方アレク達は相変わらず反省会をしていた。
「シンよくぞ立て直したぞ見事に耐え抜いた」
「いえ最初の試合でアレクさんに任せっきりで頼ってしまったので今回は勝ちたかったのですが今回も勝てませんでした」
「確かに勝てなかったかもしれないしかし相手は予めこちらの動きを見極められ奇襲という形を取られたしかもコウキ様のご婦人であるステラさんの作戦とみたそこから立て直せたのは評価に値するぞ」
「はいありがとうございます」
アレクはしっかりと今回の遊びの目的を読みしっかりと子供たちに教えてあげられているようだ。子供達にも良い教育になるだろう。
「さて次の試合だな次は俺たちとステラ達のチームの試合だな」
「そのことなのだけどコウキくんちょっといい?」
「どうしたんだステラこっちは準備できてるぞ」
「それなんだけどさっきの試合で皆頑張ってくれたのそれでみんな疲れているのよ」
「あぁーあれだけ動いていればそうなるよな皆頑張ってたし」
「だからちょっと連続となると厳しくて」
女の子チームはアリスの動きをまねてコートを動き回っていたためばててしまったようだ。そこでコウキは大人たちを集めた。
「よしわかったアレク達ちょっと来てくれ」
「はい何でしょうかコウキ様」
「えっと実はな」
コウキはカイ達のために話し合うのであった。




