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さしぶりにゆっくりすると決めたコウキは朝猛烈な寒さで目覚めた。最近すっかり寒くなっていたがここ最近で一番の寒さだった。ここまでの冷え込みは無かったためヘイゼルとバロメのことが気になり湯たんぽのお湯を入れ替えてやろうと思いドアを開けるとなんとそこには一面白化粧をした世界が広がっていた。
「うわぁ雪だスゲー」
コウキは雪自体は見たことがあったのだがあまり雪が降る地域ではなかったためふっても多少積もるくらいだった。しかし今コウキが目にしているのは30センチは積もっているだろうか膝ほどの高さまで雪が積もりそれが見渡す限り降り積もっていた。コウキが雪を見て興奮しているとステラが起きてきた。
「おはようコウキくん朝からどうかしたの?」
「外見てくれステラ雪が積もってるんだしかもこんなに深くだぞ‼」
「確かに昨日から冷えてたものね時期的にもそろそろかと思ってたけどコウキくん雪は初めてなの?」
「いやそんなことはないぞただここまで積もってるのは初めてかな綺麗じゃないか」
「あぁ確かに初めてこの景色を見た人は確かに綺麗かもしれないわねただ...」
「ん?ただどうしたんだ」
「この地域では雪が積もるのは当たり前なのしかも一回振り出したら続くのよ毎日振ると処理が大変よ」
「そうなのかまぁそうだよな」
コウキはステラの話を聞いて毎日振っていたら確かに大変だとは思ったがそれでもこの景色はとても綺麗だと思う。今日はオフにすると決めていたためワクワクしていた。
「とりあえず朝ごはんにしましょ今日はお休みにするんでしょ」
「あぁそうだな俺も手伝うよ」
コウキはステラと一緒に並んで朝ごはんを作り食べた。せっかくイネがあるので早い所米が欲しいが今はしょうがない。二人で朝ごはんを食べた所でコウキは今日は何をしようか考える。雪と言えば色々な遊びが出来る。年甲斐もなく雪で遊びなんてするのかと言われたらおしまいではあるのだがこの雪の中でむしろ遊ばない方が失礼だろう。これだけ積もったらコウキはやってみたいことがあったのだ。それはカマクラ作りである。村には獣人の子供たちもいるのだ皆誘ってみるのも悪くない。
「よしステラ作るぞカマクラを」
「今日はコウキくんに突き合うわよ」
呆れ気味のステラを連れて外に乗り出したコウキであった。外に出るとこの島の防衛隊の皆が総出で道を作り雪かきをしていた。
「おはようアレク頑張ってるな」
「おはようございますコウキ様今やっておかないと地面が凍ってしまいますし道が分からなくなりますからね向こうの住居でも皆で雪かきしてますよ」
「雪かきかせっかくの雪がもったいないな」
「もったいないですかでも雪なんて邪魔なだけではありませんか」
スルーズヴァンダル大陸に住んでいる人たちは基本的には寒い地域であるため雪には慣れている。昔から雪と共に生き格闘してきたのだろう雪かきは慣れた様子だった。しかし雪で遊びたいコウキにとって雪が無くなってしまうのはなんとも悲しいものだ。しばらく思考を巡らせ考えていたコウキはある事を思いついた。
「そうだ俺も雪かき手伝うよ」
「そんなコウキ様は連日に渡る作業でお疲れでしょう慣れている我らがやってしまいますのでステラさんとゆっくりしていてください」
「コウキくんは休むことも覚えないとだめよ」
「分かってるからちょっと見ててくれな」
そういうとコウキはなぜか魔力を雪に纏わせていく。ある程度魔力が行き渡ると頭の中で大きなカマクラのイメージを作り一気に形を作っていく。ものの数分で人が5人は入れそうな巨大なカマクラが完成し、回りの雪は綺麗に無くなっていた。
「どうだカマクラの完成だぞ」
「これは凄い一瞬で雪が無くなったしかも雪で塹壕を作り上げるなんてしかもなんという硬さださすがコウキ様」
「塹壕ってなんだよ」
アレクは変な勘違いをしていた。確かに半球場の構造をした建物で塹壕に見えなくもないし雪に魔力を込めてカマクラをイメージしたところ施設判定だったため自分の魔力は使わずにカマクラが出来てしまった。しかも魔力で作ったため壁はかなり硬かった。しかしコウキにとってこれは遊びのカマクラでありそれ以外に用途はない魔力で作るカマクラ型の塹壕の存在を知ったヤシャ達がこれを実践で取り入れれないか真剣に検討していたがまぁ無理だろう。
「よし雪かきは終わったんだな今日はアレク達は何する日なんだ」
「今日は力仕事担当だったのですがこの雪のこともありメインは雪かきと整備だったのですが今終わってしまいましたね」
「なるほどなじゃ俺は雪で皆と遊びたいんだ」
「はぁ遊びですか」
「そうだだからアレク達は今日一日俺に付き合ってもらうぞ」
「アレクさんコウキくん言い出したら聞かないのよ一日だけ付き合ってあげて」
「分かりましたどんなことでもお付き合い致します」
なんとステラもコウキの手助けをしてくれた。本当は遊びたかったんだな可愛い奴め。
「じゃまずは村の子供たちを集めるんだ戦いの始まりだぞ」
「分かりました行ってまいります」
アレク達は分かれて子供たちを呼びに行ってくれた。その間に準備を進めていく。
「何するの子供達を集めて」
「皆で雪合戦をしようと思うそのための準備だ」
「雪合戦?それってなんなの」
「なんだ知らないのか雪合戦ていうのはな雪玉を作って投げ合う遊びだよ。雪玉に当たったら負けで制限時間以内で勝負するんだ」
「それって危なくないの?」
「雪玉なんて当たっても簡単に砕けるし痛くないだろまぁ遊びだしそんなに本気で投げなければ大丈夫だろ」
「そうなのね」
コウキはステラと雪合戦について話しながら準備を進めていった。リュディアの森の近くに少し離れた場所を選ぶと水の上位である氷魔法で壁を2枚ずつ作っていく。ある程度戦う範囲を決めて場所を移っていけば常に雪が積もっている場所で戦えるだろう。ある程度壁が作り終わった所でアレク達が戻って来た。クロス村には15歳以下の子供達が10人いる。あとは妊婦の女性が数人いる。子供たちは親同伴で来ていた。男子が6人女子が4人で子供達の名前は男の子がカイ、リアム、レオ、シン、ケイン、ネオ女の子がアイナ、ミハ、サラ、セリカだ。
「よし皆今から雪合戦をしようと思うけどルールを説明するぞ」
コウキは集まってくれた子供達にルールを説明していく。まずは今からやる遊びは遊びではあるがスポーツとして真剣に取り組むこと。雪玉は柔らかいとはいえ顔は狙わないことそして皆で楽しむことなど細かく説明していく。皆しっかり聞いていてくれた。
「よしチーム分けをするぞ俺とクリスの班にカイ、リアム、レオでアレクとヘルハウンド、フェリスの班にネオ、シン、ケイン最後にアリスとステラの所にアイナ、ミハ、サラ、セリカだ分かったな」
「「「「「「はーい」」」」」」
コウキの説明を聞いた子供たちはしっかりと班に分かれてくれた。最初は分かりやすいように男の子チームが二つと女の子チームが一つに分けた。慣れて来たらみんな分けて男女バラバラにしようと思う。お母さんたちは微笑みながら見学していてくれた。残った親衛隊のメンバーでもしもの時の救護半や審判などしてくれるそうだ。
「よし皆やるぞ‼」
「「「「「「おぉー」」」」」」
子供たちはやる気満々の顔をしていた。




