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ヤシャの依頼を受けたコウキはさっそく製作を開始する。まずは皆のための武器の作成だ。まずは粘土で金棒用の型を作っていく。持ち手と芯の部分ようにスペースを空けて厚さ2センチほどにすると熱して溶かした鉄を流し込み試しに一つ作ってみた。冷めると型から取り出し木で中の部分を作ると出来た鉄の外側部分を張り付けてハンマーで叩いていく。シンプルに何も付いていない金棒が出来た。
「んーやっぱり金棒には棘が足りないな」
やはり金棒には棘が必要だろう。試作の金棒は今度何かに使うとして型に棘が出来るように加工していく。
「どうせなら土属性にして岩とかくっつけて飛ばしたりしたらかっこいいよな」
ついついコウキは任せられたことにテンションが上がり悪い癖が出てきてしまった。
しかし工房にこもって作業していてたださえ人との接触がなく同じ場所にいるリーノ達にはコウキがやっていることは分からずそのまま金棒作りは加速していった。
季節は冬本番で朝には霜が出来始めたころコウキはヤシャ達のための金棒を作り上げた。すっかり日本刀のことも忘れ金棒作りに専念していたコウキではあったがとても満足のいく作品になった。10日ほどだろうか結構な時間が掛かってしまった。コウキはヤシャ達を呼びに行くとすぐに傭兵の皆が集まってくれた。
「よく来てくれたなヤシャこれが俺の傑作赤鬼丸だ‼」
コウキはヤシャに赤鬼丸を渡す。結局あれからコウキは色々と形は変わっていった。長さは剣ほどになっていきかなり長くなっていた。土属性の付与された金棒は土色になっている。しかもなんと全員分だ。
「なんとこれほどの武器をしかも全員分ですか」
「やった俺たちにも魔武器だすげぇー」
「ところでヤシャ達は魔法が使えるのかい?」
「えっ?魔法ですか私達はあまり得意じゃありませんね」
「そっかこの武器は魔法が使えるとさらに強くなるんだよ」
「そうなんですかそれはいいですね」
全員が魔武器ということもあり軽いつもりでヤシャ達はコウキの受け答えをしてしまっていたのだが...この後ヤシャ達は後悔することになるのだった。
「皆分かって貰えてうれしいよじゃ行くぞ」
「えっ⁉コウキさんどこに行くんですか」
「決まってるだろ魔法の練習に行くんだよ」
コウキはヤシャを連れて森の中に連れて行かれた。その後なぜか一か月間コウキとヤシャ達の姿が見えなかったが依然のレンガ作成の時などのコウキをステラは知っていたため何となく察していた。武器を作っている時のコウキを見ていたため理解していた。
時々森から謎の声が聞こえてきたと噂になっていたがだれも知らなかった。
森から出てきたヤシャ達は鬼神のような顔をしていた。肉体はかなり鍛え上げられ魔法も完璧にマスターしていた。ヤシャは体がさらに大きくなり戻った時にヒートが姿を見て勝負を仕掛けるとなんとかなりの激闘を迎え二人の体力が尽きるほど戦っていた。先にヤシャが倒れギリギリヒートが勝ったのだがヤシャが倒れたのを見た後ヒートも倒れた。
傭兵たちは一ヶ月の間の事を誰にも話そうとせず村での働きもかなりのものになっていた。
ヤシャ達の記録一ヶ月の出来事
武器が出来た後コウキはヤシャ達を連れて森に来た。
「さぁ今から魔法の特訓だぞシャキシャキ行くぞ」
「はい」
「まずは基礎練習だ必ず生物には魔力が流れているんだ。みんな使い方を知らないだけで練習すれば魔法が使えるようになるまずは体内の魔力を感じることだ」
始めの訓練として体内の中の魔力を感じることから始まった。その方法は動かないこと座禅を組んで体内の魔力を感じる練習だ。この練習はコウキのオリジナルなのだが頭の中で何となく感じたことをやっている。
はじめはヤシャ達はかなり苦労していた。元々魔法など触れたことないため何が魔力なのかも分からない。コウキに相談するとコウキは自分の魔力を手に集中させて座禅を組んでいるヤシャ達に手をかざしていく。
「これが魔力だ分かるか?」
「なるほど分かった」
コウキの手助けで魔力を感じることが出来るとヤシャ達はドンドン上達していき全員が魔力を感じることができた。
「次だぞ魔法にとって大事なのはイメージすることだ魔法には基礎属性というものがある例としてステラは土属性が得意なわけだがまずは皆がここでイメージを固めて見てくれ」
「分かりました」
ヤシャ達は基礎属性のイメージしていく。しばらくすると各々が基礎の属性魔法を手の中に発現させていく。火、水、風、土バラバラではあったが皆成功させた。
「凄いぞ皆後はやりたいことをドンドンイメージで作り出して行けばいいんださぁみんな頑張ろう」
コウキの説明はかなりあいまいで感覚で覚えろタイプで大変だったがなんとか皆基礎魔法が使いこなせるようになっていた。それからは魔力を使った身体強化などの自己鍛錬が始まった。コウキは止まることなく魔力を使った戦いを教えていき一ヶ月が過ぎていった。
おかげでヤシャ達は金棒の使い方も完全に理解し元々戦闘集団ということもあり各々が土属性の金棒を使った戦闘方法を確立しドンドン強くなるのだった。
一仕事終えて家でくつろいでいるとヒートが家に押しかけてきた。
「おいコウキあいつらだけずるいじゃねーか俺にも作ってくれるんだろ」
「あぁそういえばそうだったなどれ御手杵を貸してくれないか」
ヒートに言われたコウキは御手杵を持って工房に入っていく。御手杵は元々しっかりと作り込みギリギリまで鍛えていたので上位の属性が付与できるようになっていた。しかもヒートは戦闘の時無自覚で体に魔力を纏わせて使っていた。しかも上位の雷属性だ。道理で魔法も身に着けたヤシャと戦うことができしかも雷の強化を受けスピードが上がっていたのだ。ヒートの魔力をたっぷり浴びていた御手杵はコウキが付与を与える前から雷の魔力が帯びていたためそのまま雷を付与していく。
出来た御手杵をヒートに渡した。
「ヒートは魔法が使えたんだな」
「ハァ?そんなもん使えるわけねーだろ」
「気が付いていないのかヒートは戦闘の時体に魔力を纏わせているんだそれが御手杵にも伝わっていてかなりの力が付与されてるぞ」
「そうなのかどれ」
ヒートが御手杵を手にするとなんと体に雷が纏われ凄いことになっていた。なんと付与した雷がヒートと反応して共鳴しあい体から溢れ出していたのだ。
「オイヒート大丈夫か体凄い事になってるぞ」
「なんだか分からねーが力が湧いてくるこいつはスゲーやおいコウキ相手しろ」
「なんでそうなるんだよ俺は平和主義なんだ戦いなんてしないぞ」
「なんだよ連れねーなまぁいいやおいアレクちょっと面貸せよ」
ちょうど通りかかったアレクに目を付けたヒートは次の獲物を見つけたようにアレクを連れてどこかに行ってしまった。その後訓練所に晴れているにも関わらず落雷のような音がしていたが見て見ぬふりをしてコウキは家に戻った。
「ふぅなんか家で落ち着くなんて久しぶりだな」
「お疲れ様コウキくんはいお茶」
「ありがとうステラ」
「最近生き生きしてたわねコウキくん」
「いやー皆が俺の武器は凄いって褒めてくれくからさついつい調子に乗っちゃったよ悪い癖がアハハハハ」
「何となく分かってたわよここに来た頃のコウキくんと同じ目してたもの」
「さすがステラだなもう何も無いのから明日はさしぶりにゆっくりしようか」
「いいわね楽しみにしてるわね」
コウキはステラと明日ゆっくり過ごすことを考えながら眠りにつくのだった。




