42
コウキが皆のために作った剣をガロスとジンに見せた所何故か二人が向かい合って剣を抜いていた。少し見合ったあとガロスが一気に加速してジンに切りかかる。その行動に合わせてジンが受け止めるように剣を動かし鍔迫り合いが起ころうとした瞬間だった。
(パキンッ!)という音がしてジンの剣が受け止めた所から折れガロスの剣がそのままジンに当たろうとした時ギリギリでガロスが剣を止めた。剣先がジンの髪に当たり少し切れそうになっていた。コウキは急いでジンの所に駆け寄る。
「おいジン大丈夫なのか」
「はい流石ガロス隊長ですギリギリで本気の振りを止めるなんて」
「まさかここまでとはなぁさすがに危なかったぞ」
「説明してくれないか二人とも何が起きたんだ」
「説明ってコウキさんこの剣の凄さが分からないのか」
ガロスは呆れたように剣を振りながら聞いてきた。
「分からないも何も普通の剣じゃないか」
「コウキさんの剣はですねとても凄い剣なんです」
「そうなのかこれ普通に打っただけなんだけどな」
「このレベルの業物で普通とはさすがはコウキ殿だ」
コウキは無我夢中ではあったが普通に剣を作っただけなのでここまで褒められるとは思わなかった。
「えっとですね説明しますとこの剣はミスリルに変化した剣ですね属性は付与されていませんが切れ味耐久性共に並みの剣では斬り合うことは愚か防ぐことすら出来ないでしょうまぁ私の力不足ということもありますが先ほどのように折れてしまうでしょうね」
「そんなに凄い剣だったなんて自分が怖ろしいな」
「全くだコウキの力は武器だけで一世代分の力の差を出せるぞしかも全員に装備させるとなれば大陸だって制圧出来るぞ」
「そんなことなんてしないぞ全く」
「これは今後の訓練が楽しみだな行くぞジン大陸で一番の戦士を作るぞ」
ガロスはすっかり剣の魅力に惹かれやる気になっていたがまだガロス専用の武器を作っていないのだ。
「ガロスやる気になってくれたのはいいんだがちょっと待ってくれな武器作るんだろ」
「そういえば忘れてたコウキどのさっそく作りましょう」
「ちょっと待っててくれな」
コウキはいったん工房に戻り基礎だけの剣を日本持ってきた。
「これでいつもみたいに振ってくれないか」
「分かった」
ガロスは剣を受け取ると左右に構えて剣を振っていくアリスが使っているだけあり型はしっているのだがやはり本物は違う。力強さと素早さが加わり磨きがかかっている。
ある程度使ってもらってガロスの動きを見ていく。
「どうかなガロスこうして欲しいとか」
「そうですね今まで自分専用の武器というものを持ったこと無いから剣として使えるなら何でも使っていたのでなんとも」
「なるほどな何となく動きを見て分かったから今から作るよ」
「頼む」
ガロスの動きを見て何となくイメージが付いた。基本的に右の剣をメインにして戦っているようで体は右の半身で構えている。バランスよく鍛えているようだがやはり体の動き的に右の軸足から発展して行っている。左手の方は陽動と防衛軽い攻撃が多く右が本命だろう。正面で戦っていたらきずかないような癖として右手が攻めで左手が陽動と防衛に分かれているようだ。この動きに合わせて作っていくことにする。右は攻めに使われるのであまり攻撃を受けないため軽く素早い攻撃が出来るように薄く鋭くして作っていく。左は防御用に太く硬い剣にする左右にバランスが出来てしまうが防御に良く左手を使っているのだろう腕から肩にかけての筋肉は大きく発達していたので問題ないだろう。剣の形は片刃の反りのある剣にした。何度もハンマーで叩きつけていき固めていく熱しては叩きを繰り返していった。
「せっかくだしアリスと同じ炎を付与しとくか」
コウキは頭に火炎放射のイメージをしながらハンマーで叩いていく刀身の色が変化し完成だ。コウキは二日かけてガロスの剣を作り上げた。ガロスを工房に呼ぶとすぐに飛んできた。
「コウキ出来たと聞いたのだが」
「まぁまぁ落ち着いてほらこれだよ」
コウキがガロスに出来上がった剣名付けてプロメテウスを渡す。今まで結構ネーミングセンスは中二臭かったが今回は別格だ。
ガロスはプロメテウスを受け取るとしばらく眺めていた。
「これが俺の剣なのか凄まじい力を感じる」
「幅が広い方が左手細い方が右手な」
「ほう手によって違うのですなしかしなぜです?バランスを気にしていたようですが」
「まあ使ってみたら分かるよなるほど慣れろと分かりました」
ガロスは訓練場の方へ走っていった。コウキも遅れて訓練所に向かうとちょうど訓練をしていたアレクが捕まっていた。アレクは覚悟を固めてライオネルクローを構えている。
「安心しな殺しはしない」
「ガロス隊長これ訓練の試合ですよね」
「もちろんだ」
「ではなぜ魔剣が私に向けられているのですかしかもすでに全開の状態に見えるのですが」
ガロスの剣は既に赤く燃え上がりガロスまでも炎を纏っているように見える。白い毛並みは赤く染まり真紅に輝いていた。
「こいつは俺の相棒になったんだ。ちょっと試し打ちしたくてな」
「仕方ありませんやらなければ終わらないのでしょうね」
「良く分かってんな行くぞ」
ガロスは話を終えると一気にアレクに詰めていく。今までみた訓練の中で一番早い加速だ。今までは全力ではなかったのだろうか。ガロスはアレクに怒涛の剣戟を繰り広げていく。
「早いなガロスドンドン加速していくな」
「あれ火の魔法で活性化してるわね」
ガロスを見ていると後ろにステラが立っており、ガロスが加速しているのを解説してくれた。
「そんな効果は入れた覚えないけどな」
「火って単純にそのものがエネルギーの塊でしょその力がガロスさんの筋肉に作用して細胞を活性化させているのよ」
「なるほどな魔法にも使い方次第で色々あるんだな」
「火を使った治療もあるくらいだからね細胞を温めて筋肉が固まったのをほぐしたりするから戦闘とも相性がいいと思うわ」
ガロスはドンドン加速していき乱舞していた。そして驚くことにアレクは押されつつも見事に防いでいた。それどとこかしっかりと相手を見極め体術も交えながら攻撃まで繰り出していた。
「さすがアレクは強いなそれよりステラどうしたんだ」
「そろそろ雪が降りそうなのよ島に帰ってから食糧は貯めてきたんだけど倉庫が足りないのよ」
「なるほどな分かったそっちに行くよ」
工房に倉庫はありしかも港の倉庫も作っていたのである程度は大丈夫だと思っていたのだが食糧の保存になれば倉庫全てを使うことは出来ないししょうがない。次にある最後の収穫の後はもう野菜は取れないだろうが新しく作ってもそんはないだろう。コウキはガロスとアレクとの試合観戦を切り上げてステラの元に向かった。
あれから畑はかなり拡張されており多くの人によって管理されていた。前回作った畑と同じサイズの畑が縦横10の並びで出来ている。畑ではベアリーが指示を飛ばしながら皆で頑張っていた。
「この収穫を逃したらしばらくはないよ雑草は抜いて少しでも栄養を行き渡らせな」
「そういえば結構寒いけど野菜はまだ育つんだな」
「冬にしか育たない薬草もあるから畑自体はずっと世話しないといけないわあとさすがに葉物は育たないから芋を育ててるわね」
「なるほどなそれでどの辺りに倉庫を作るんだ」
「そうね新しい居住エリアとの間辺りがいいわね」
コウキが最初に作った拠点とヒート達の居住エリアから港近くに作った居住エリアまでは体感で2キロほど離れていたその間に倉庫を作るということだ。




