41
水路を作り上げたコウキはリーノと共に冬に備えて注文の入った物資を作り続けていた。季節は巡りこの島に来てから4か月ほど経っただろうか。いよいよ本格的に寒くなってきた。ある日コウキはヒートに呼ばれて訓練するための広場に呼ばれていた。広場では新旧ネメアの元騎士やヤシャ達傭兵隊やラミス達が訓練に励んでいた。
「どうしたんだヒート」
「おうコウキヤシャ達傭兵隊なんだがな新しく武器を作ってやってくれないかこいつらの装備ボロボロなんだよ後しっかりとした組織にして呼び方を決めたい」
「私共は自分で装備の調達は行っているのですがヒートさんや皆さんの武器が素晴らしいのでどこで調達したのか聞いた所なんとコウキさんが作っているとか是非私共にも武器を作っていただけないでしょうか」
「そういえばあれから武器とか全く作って無かったなじゃ先に編成だけ決めてくれ班ごとに注文を受けよう誰が最初に作るとかはそっちに任せるから」
分かったぜコウキちょっと待ってろ」
ヒートは話を聞くとすぐに皆の元に集まって来た。メンバーは最初に来ていたメンバーを除いた新メンバーで反乱軍の隊はガロスの海兵隊とジンの陸兵隊に分かれていた。傭兵隊はそのままでヤシャがリーダーを務めている。
「ヒートはどこに所属してるんだ?」
「俺はフリーに決まってんだろ編成的に言えばアレク達親衛隊の専属ってことになった。」
「なるほどな」
「それでめんどくせぇから島の名前はクロスでいいよな編成はクロス軍のアレクが率いる親衛隊コウキを守るやつらだな次にジンのクロス軍第二兵隊陸軍で主にこの島の防衛戦力だそしてガロスの野郎のクロス軍第三兵隊海軍でこっちは海だ。30人ずつ分かれているぞちなみにラミア達は親衛隊の二番隊でコウキ専属の船担当だ。そしてクロス軍遊撃隊のヤシャ達30人が正規軍で今こっちに来た奴らの若い奴らが新兵として参戦してきてる。」
「いやそんなにいらないだろここは平和な島にするんだからそれに畑とかどうすんだよ」
「そこは抜かりはないぞ兵員は親衛隊以外ローテーションで畑担当力仕事担当訓練担当に分かれる。それに若者はコウキに憧れて村発展のためにリーノを手伝っている奴らも多いからな」
新しい住人の割合は10代が50人で全体の四分の一20台から40代までが100人ほどで全体の半分を占める残りが50代以上の方でベアリーがまとめ上げて村の生活を支えていた。
「で最初のオーダーは誰なんだ?」
「私ですよコウキさん」
コウキの前に現れたのはすっかり傷もすっかり元気になったガロスだった。
「ガロスね了解だ」
「あのそれでなんだが」
ガロスは体格には珍しくもじもじしていた。
「どうしたんだ何でもいいぞ」
「本当か‼では是非アリスのような対の剣が欲しいあの剣は素晴らしい」
「あぁーあれか焔丸のことか」
ガロスはアリスのために作った魔剣をまじかで見ていたようでその使い心地と威力に感動していたようだ。
「おいおいガロスてめぇ俺でもあんな武器持ってねーんだぞずりーじゃねーか」
「何言ってんだよヒートにはライオネルクローと御手杵まで作ったじゃないか」
「そうだけどよ魔剣なんて戦士としちゃ一度は使ってみたいってもんよ」
「うるさいぞヒート今は俺がコウキ殿と話しているのだお前はすぐに武器を壊すんだから素手でいいんだよ」
「なんだとこの猫野郎」
「お前だって猫ではないか体がでかい分鈍足そうで弱そうだ」
「なんだとこいつ」
コウキから見れば二人ともネコ科とはいえライオンと白虎で猛獣に見えるし圧倒的にコウキよりも体格がいいのだ。猫野郎なんてとても思えないし今にもどつき合いそうな二人はとても怖ろしい。
「分かったから喧嘩するんじゃないぞ二人ともヒートは全員が終わったら御手杵を調整してやるから」
そもそも今回の武器の作成は隊員全体の武器を新調しようという話なのだ。個人の意見などあまり聞くことはできない。ガロスに全員集めてもらい意見を聞いた。一番多いのはやはり長剣と槍だ。ボウガンはリーノ達が頑張ってくれているのでいいとしてコウキはまず長剣と槍を作っていく。
「なぁヒート」
「どうした?」
「やっぱり槍と剣かな皆は」
「まぁそうだろうな一般的な武器だしな」
「じゃ意見はともかく多めに作っておくか」
ガロス達海兵隊の注文の長剣と槍を作るためにコウキはヘイゼル工房に向かった。リーノ達やくもまるが鉄鉱石を採掘してはインゴットにして貯めてくれているのでかなりの余裕がある。魔法はなるべく使わずに作っていく。すっかり愛用になったハンマーに力を込めて叩いて伸ばしていくのだが叩くたびに魔力が入っている気がする。製造者の力と相まってとんでもない剣と槍が量産されていることにコウキは気が付いていなかった。しかもコウキはだんだん物作りが楽しくなりドンドン作っていた。元々やり込タイプのゲーマーだったため特に苦もなく10日かけて30本ずつ作ってしまった。作り上げた後目の前に大量に並んでいる武器を見て後悔するコウキであった。
「これはやっちまったなまぁいっか」
さしぶりに外に出た気がするコウキであったが訓練所の元に向かった。ちょうどジン達が訓練していた。
「なぁジンちょっといいかな」
「もちろんですよコウキさんどうしました?」
「ジン達もやっぱろ長剣と槍が欲しいのか?」
「そうですねやはり慣れていますからね」
「そうだよなガロスの所からも注文が来てたから多めに作ったんだけど今日ガロス達は?」
「海兵隊は力仕事担当だったはずです今は粘土取りに行っていいるのではないでしょうか」
「そっか戻ってきたらガロス達も連れて工房に来てくれないか剣と槍合わせて60本は既に作ったからさ」
「分かりました」
ジンに伝えた後ガロスの注文のあった双剣を作るために工房に戻る。ガロスに合う剣を作りたいのだがどのような剣が使いやすいのか分からない。剣の長さガロスに合うバランスと重さその辺りを見なければ使いにくい剣になってしまうだろう。
「ガロスってどんな剣が使いやすいのかな」
とりあえず加工できるように一般的な長さの剣を日本作りハンマーで叩かずに加工しやすい状態で置いておく後でガロスに振ってもらってから完成形を作ればいいだろう。コウキがガロス用の剣を撃っているとジンとガロスが訪ねてきた。ドアを開けると目を輝かせたガロスが立っていた。
「コウキさん武器完成したそうですね」
「皆の分は出来たぞ」
「え...俺の剣は」
ガロスはショボーンとなってしまったが個人専用の物を作るにはこれはしょうがない。
「ちょっと待てよガロスの専用の武器を作るんだから癖とか好みとか見ないといけないんだよだからまだ無理なんだ」
「そうだったのかそれはすまない」
「まぁいいやこっちに来てくれ」
ガロスに分かってもらった所でコウキは剣と槍が保管してある場所に案内する。
「ここだこれを部下に使わせてやってくれ」
「なんだこれは⁉」
「……………」
新しい武器を見たガロスとジンは驚き固まってしまった。
「どうしたんだ二人とも」
コウキは二人の反応が気になり質問してしまう。調子に乗って作り過ぎたがまさか実践レベルではなかったのかもしれない。
「コウキこれ試し切りしてもいいか」
「もちろんだがガロスの剣はこれじゃないぞ」
ガロスは試し切りしたいといいだし三人で外に向かった。
「ジンお前の剣ネメアの支給された剣だな」
「はい結構使っているので原型はありませんが隊支給のものです」
「そうだなよし構えて見ろ」
「まさかこの剣で打ち合うのですかやめてください」
「大丈夫だもしもの時は止めてやるから」
「クッソ」
ジンは覚悟を決めたように持っていた剣を構える。反対側にガロスが立ち剣を構えて相対した。
「一発だけ打ち込むからな受け止めてみろ」
ジンはガロスの意図を理解しているようで真剣な様子で構えていた。コウキは二人の行動が分からずただ見守っているだけだった。




