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コウキとアレク達は倒したモンスターを食べるために準備を進めていく。
「しかしこいつでかいけど上手いのか?形は蛇にもウナギにも見えなくはないけど」
「ウナギは分かりませんが蛇には似ていますねここまででかいともはや何か分かりますんな」
アレク達が倒したモンスターはでかいのだが黒く魚のため手足はない。ウナギにも見えなくはないが牙があるため蛇にも見える。確か蛇を鶏肉の味がして美味しいと聞いたことがあるのでどちらでもいいとは思うのだが。とりあえず内蔵を出してから丸焼きにすることにした。久しぶりの焚き火での調理だ。ステラと二人で生活してい時が懐かしい。遠火で30分ほどかけて焼き上げた。念のため野ウサギも2頭ほど捕獲している。
「さて食べてみるか」
「コウキ様いくら生物とはいえいきなり食べるのは危険です最初は私どもが毒見しましょう」
「あぁそうかありがとな」
コウキにはゲームの力で食べられるものが分かるので少なくとも毒は入っていないのだがまぁそれは黙っておこう。
「では隊長私が行きましょう」
「ヘルハウンドかお前は確か毒に免疫があったな」
「はい私は多少の毒なら平気ですし消化力も高いので大丈夫でしょう」
「よし任せたぞ」
ヘルハウンドはナイフで身を切り取ると口に放り込んだ。粗食を繰り返し飲み込んでいく。
「身は少し硬いですが白身魚特有の味ですね塩が欲しい所ですな」
「なるほどなよし安全そうだし俺も食べるか」
コウキはヘルハウンドが食べて許可を出したのを確認するとナイフで身を切り食べてみた。口に広がる油の感じ確かに硬くはあるがこれは焼き方に問題があるのだろう。巨体を支えるために引き締まった身はしっかりと調理すれば上手いだろう。何より日本で夏に食べていた。高級食材ウナギに味が似ているのだ。
「なるほどなこいつはしっかり調理すれば上手くなるぞ肉食だったから臭みとか心配してたけど特に新鮮だからか変な臭みもないし」
「確かに身は硬いですが油が乗ってうまいですね」
「私はあんな見た目の物を食べるのは気が引けるわね」
確かに丸焼きにしていたため顔などそのまま残っている。アリスには少しグロテスクかもしれない。
「何を言っているんだアリス戦場では食事が出来るだけでありがたい事なのだぞしかもこれほど良質なたんぱく質はないぞしっかり食え」
アリスはアレクに怒られ渋々口に放り込み食べていった。
「食べてしまえば平気ね意外といけるわ」
「ゴルドが持って来てくれた豆類に調味料に使えそうな豆があったからこいつは化けるぞここを狩場にして漁をしてもいいかもしれないな」
「さすがコウキさんね楽しみね」
ゴルドがくれた豆類の中に大豆のような豆が入っていた。これで醤油や味噌が作れるかもしれない。味噌に醤油が出来れば来年には稲を育ててそしたらうな丼が食えるコウキは来年に向けての目標を心に誓い皆と食事をするのだった。
野営をして外で寝るのは久しぶりだ。コウキは防衛隊の皆と少し開けた場所に集まって横になっていた。
「皆とこうやって寝るの初めてだな」
「皆コウキ様には感謝してますがその分少し距離を取ってします人が多いですからね同じ場所で寝るなど恐れ多いですね」
「まぁそもそも知らない奴と同じところで寝るなんて無理だよな」
「それはそうなんですが皆慣れてはいますよ安い宿屋は大部屋ですからね」
「ゴルドがここに来てくれるようになって有名になれば旅人とかも来てくれるだろうから宿とかもちゃんとしないとな」
「そうなれば我々もしっかりせねばなりませんな他人が来るということは悪人も来るということですからね」
「その時は頼むよ」
「もちろんですコウキ様の領地で悪事を働こうなど絶対に許されることではないですしっかり取り締まりますよ」
コウキはアレクと話しながら眠りについた。
それからコウキは1週間ほどかけて水路を作っていった。アレク達は池の調査を終えた後冬に備えて狩りをしながら俺の護衛をしてくれていた。一週間ほどだったが皆で野宿したのは貴重な体験だと思ったコウキだった。
水路を作り終えいったん家に戻ったコウキはステラに怒られるのがしょうがない事だ。
家に帰り着替えたコウキはリーノと共に池の水路の部分に来ていた。
「なるほどこれだけの水量なら村も余裕で賄えますね」
「そうだろまだまだ人が増えても余裕だな」
「コウキさん早く繋げましょうよ川を作るなんて初めてでワクワクします」
「よし行くぞ」
コウキは池と水路の部分に魔法で水路を繋げていく。最後まで行き無事貫通すると勢いよく水が流れ出した。
「凄いですね人が川を作るなんて感動です‼」
池から流れ出した水はドンドン水路を進んでいくやがて村の近くに設置した水車まで流れ勢いよく水車が回っていた。水路はしっかり固めていたので土が舞い上がり水が濁る事はないこれでひとまず完成だ。
「これで水不足も解消だな」
「あぁそれなら皆極力水道を使わないようにしてたんで水不足は起こってないですよ」
「そうなのかダメだぞ貯めた水は腐るから使わないとそのためのこの水路なんだから」
「分かりました皆には伝えておきますねそれにしてもこの池はどうやって水が溜まってるんですかね」
「あぁそれな多分だけど地下水が結構噴き出してきてると思うそろそろ溢れて勝手にどこかに流れ出してたと思うから水路を作るのは水害を避ける意味でも正解だな」
「それは変ですよねいきなりここに池が出来たみたいですね」
「確かにそうだなでも地殻変動とかで亀裂が出来て水が出てきたのかな」
「なるほどなるほど災害はいつ起きるか分かりませんからね」
「さぁ次は冬に備えて物資を作るぞ」
コウキとリーノは冬本番前に何とか水路を完成させて村に戻っていった。
次の日ステラに呼ばれてヘイゼルとバロメの小屋に来ていた。冬に備えて寒さ対策をするそうだ。コウキはヘイゼルとバロメを撫でながらステラの話を聞いた。
「ステラ俺は何をすればいいんだ?」
「そうね壁に土と草をかけてなるべく熱が逃げないようにしたいわね」
「なるほどなよし分かったぞ俺に考えがある暖房を作ろう」
「暖房って暖炉なんて置けないわよ火は怖がるわよ」
「もちろん分かってるさこれは直接火は使わないからちょっと待っててくれ」
コウキは暖房に必要な道具を作るためにヘイゼル工房に向かう。中ではリーノや女性陣が服を作ったりしていた。
「どうしたんですかコウキさんまた新しい道具ですか?」
「あぁ暖房を作ろうと思う」
「暖房ですか僕にも教えてください」
「よししっかり見て覚えるんだぞ」
コウキは炉に火を入れて作業に入る。今回作ろうとしている暖房はお湯を使った暖房だ。そう湯たんぽを作ろうとしているのだ。
「よしまずは粘土を筒状に成形していくぞ」
コウキは魔力を込めながら粘土を筒状にして形を作っていく。そしたらそこを作り状に形を変えていく。とりあえず5個作ってみた。それから焼き上げて完成だ。灰の中でゆっくり冷やしたあと取り出して木で栓えお作りしっかりと蓋をする。
「よしリーノお湯を沸かせ‼」
「分かりました」
お湯が沸くと中に半分ほど入れてから栓をする。そのままだと熱くなりすぎるかもしれないので布で巻いて調整する。最近すっかり冷え込んできていたので湯たんぽが温まって来るととても暖かくなってきた。
「これは凄いですね最近寒いですからね」
「いいだろお湯を取り換えればずっと暖かいぞ」
作業していた女性陣にも渡してみていつの間にか作業の中心人物になっていたベアリーにも大変喜ばれた。
「なんだいこれはもっと早く作って欲しかったね最近寒くて辛かったんだよ」
「気に入ってくれたなら良かったよ」
それからコウキはヘイゼルとバロメの分も作りステラの元に持って行った。小屋はステラが魔法でしっかりと土を覆っていた。
「ステラ出来たぞこれだ」
「これ暖かいわねさすがコウキくん相談して良かったわ」
ヘイゼルとバロメも湯たんぽに寄り添って暖かそうだった。




