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コウキは親衛隊メンバーと集まり作戦を練っていた。
「この水どうやって村まで運ぶかなアレクならどうする?」
「そうですねやはり水路を作るしかないかとしかし水車ではろくに運べないでしょうね」
「確かにそうだな遠すぎるんだよな」
この池から村まで10キロほどの距離がある山近くのため直線距離ではもう少し近いのかもしれないが傾斜があり遠くなっているのだ。
「アリス何か意見はあるかこういうことも勉強だぞ」
「私っ⁉そうねいっそ新しい川でも作ったらいいんじゃない?」
「こらアリスしっかり考えないかコウキ様は真剣に考えているんだぞ」
「ごめんなさいアレク隊長あとコウキさん」
「いや川ありだぞアリスやってみる価値はあるぞ」
「えぇっ冗談なのよコウキさん真に受けないでよ」
アリスは川を作るなど人間には出来るはずがないと思っているためふざけていったのかもしれない。それを真剣に受け止められたら恥ずかしいのだろうが地球上の歴史では多くの人口の川が作られているのだ。しかもかなり昔の時代から魔法なんてない世界でだ。
しかもコウキは魔法をマスターしているのだ。
「大丈夫だよアリス川を作るのはいいアイデアだしかも稲を作らないといけないしな」
「コウキ様は川すら作り出すことが出来るのですね自然すら変えられるとはさすがです」
「古来からなやってるんだよ開墾農耕のために水路を作り水を確保する枯れた土地を潤すのは先人の知恵なのさ」
「そういった歴史ありましたっけ?」
「あーいやその俺が住んでいた地域の話さ結構荒れた所もあったんだよ」
「なるほど素晴らしい知恵と努力ですね」
「さぁ本格的に寒くなる前に川作ってしまうぞ」
ついついこの世界にはない歴史を語ってしまったが上手く誤魔化すことが出来た。新しく水路を作ればさらに畑だって出来るし冬が明けたら農耕の本格始動だ。
まずは水路の場所を決めていく流す先を考えなければ洪水や水が溢れ出す恐れもある。クロス村の新しい居住地域付近の川に繋げる形で導線を考えていく。
「地図が欲しいな正確な位置が把握したい」
「確かに地図があれば便利ですよねしかし製図出来るものなどいませんからね」
「川を作った後は地図だな冬の間はろくに畑は出来ないしそうだくもまるちょっと手伝ってくれないか」
回りにくもまる姿は見えなかったが声をどこからともなくくもまるが集まって来た。
くもまるは一匹の大きさがだいたい1メートルほどある。しかも糸が出せるので地図の代わりとしてかなり使えるだろう」
「ここから真っすぐ村の近くの川まで糸を伸ばして欲しい後だいたい10匹分の距離で印をつけて欲しいんだ」
くもまるはコウキの話を聞いて理解してくれたのか右足を上げてくれた。その後一気に散らばり糸を繋げていってくれた。これならこの辺りの地図も作りやすくなるだろう。
「なるほどこの糸をたどれば方向を間違えることなく作れるわけですね」
「そうだぞじゃ俺は作っていくからアレク達はどうする?」
「せっかくですので池の調査をしようと思います危険な生物がいるかもしれませんからもちろん護衛は付けますよ」
「分かったお互い頑張ろうな」
アレクは調査のために指示を出しすぐに出発した。護衛として残ってくれたのは前に格闘の試合をしたヘルハウンドとフェリスだ。オオカミの獣人のため鼻が利きすぐに危険を察知出来るという理由らしい。
「よろしくな二人とも」
「コウキ様のお役に立てないのが残念ですがしっかり務めて見せます」
二人は辺りを警戒して視線を動かしていた。仕事熱心で関心だ。
さてくもまるの引いてくれた糸を頼りに魔法で水路を掘っていく。コウキの魔力はまだ詳しく上がる理由は分かっていないが戦闘や魔法を使用していくたびにかなり増えていた。今の数値は800ほどで穴を掘るたびに常時1ずつ減っていくのだがかなり余裕がある。横幅は10メートルほどで水深は3メートルほどの半円状にして池の手前から掘っていく。最後に池と繋げて完成だ。今繋げたら水が流れてきてしまい溢れてしまう。魔法で地面を固めながら進んでいった。
一方アレク達防衛軍は行けの調査をしていた。アレクの横にはクリスが立ち副隊長として指示していた。
「しかし広いですねここ池というより湖ですね隊長」
「これだけ広いと確実に何かいるな」
「そうですねワニぐらいいてもおかしくないですよね」
「アリスちょっとこっちにこい」
アリスは他の隊員と一緒に偵察していた。そこで偵察のために使いを出す事にした。
「なんですか隊長まだ調査は終わってませんよ」
「ここに危険な生物がいないか調べるために餌で誘き出そうと思うアリスは先輩隊員と共に餌を狩ってこい」
「分かりました行ってまいります」
アリスは練習したボウガンを持ち先輩隊員と共に猟に出た。
「さてと今回のコウキ様の事業だがなかなり時間が掛かると思う。」
「そうですねコウキ様の魔法とはいえかなりの距離がありますからね」
「冬に備えて食糧の備蓄もしないといけないからな俺たちは俺たち用にこの辺りで食糧を作ろうと思ってな」
「確かに村ではヒート様が獲物を狩ってますが少しでも足しにしたいですね」
「まぁとりあえずはアリス待ちだな」
それからアレク達はアリスが戻るまで待機していたのであった。2時間ほどでアリス達が帰って来た。獲物は野ウサギを2頭ほど狩って来ていた。
「よしアリス血を出して浅瀬に放置だ」
「分かりました」
アリスが池に餌を放置するとすぐに変化があった。水面から黒い影が見えだんだん大きくなっていく。そして水面からかなり近くなった時中から巨大な魚が飛び出し餌に噛みついた。全長2メートルはあるだろうか巨大な魚で口は大きく牙が並んでいた。
「かかったぞ‼戦闘準備だ」
アレクは飛び出したモンスターを視認すると同時に指示を飛ばしモンスターを囲む。飛び出したモンスターは野ウサギに夢中でまだ防衛隊に気が付いていない。
「構えろ目標頭部付近目の中心だ」
防衛隊は取り囲むとボウガンを構えて魚型のモンスターの急所に狙いをつける。
「撃て‼」
アレクの指示で一気に矢が放たれ急所に突き刺さった。モンスターはそのまま絶命したのだった。
「これは凄いなこんなでかいモンスターが生息しているとは」
「クリスいったんコウキ様を呼んで来い相談しよう」
「分かりました」
クリスは指示を受けた後コウキの元に駆け出した。
アレク達が魚型モンスターと戦っている間にコウキは順調に進んでいた。距離にして300メートルほど進んでいた。
「かなり進みましたねコウキ様この調子で行けば冬までには着きそうですね」
「そうだな魔力が上がってるからなこのままどんどん行くぞ」
コウキが順調に掘り進めて行っている時にクリスが走って来た。
「コウキ様相談がございます隊長の所までお願いします」
「どうしたクリス分かった今から行くよ二人ともちょっと休憩だ」
コウキは二人をいったん休憩だと伝えアレクの元に向かった。アレクの所に行くとそこには巨大な体と鋭い牙の生えた魚の死体が転がっていた。
「なんだよこれでかいな‼」
「コウキ様こいつなんですが」
アレクはコウキにこのモンスターについて説明していった。
「なるほどなこいつはここに生息していたのか」
「そうですねある程度は駆除しないと危険化もしれませんね」
コウキとアレクがモンスターについて話し合っているとすっかり暗くなってきていた。
「こいつ食べれるのかな大きいけどいちよう魚だよな暗くなってきたしもう村には帰れないかな」
「そうですねとりあえず焼いてみますか?食べれるならこれほどいい食糧はありませんしね」
「あーでもステラ達に帰れないっていとかないと」
「それなら問題ありませんよ狼煙で合図を出しておきます村にいる仲間に帰れないと伝わりますよ」
アレクは村の仲間に狼煙で合図を送ったあと倒したモンスターを食べるための準備を進めるのだった。




