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「それでカロスですが奴隷商に売り飛ばしましょう元とはいえ王族を殺すのは気が引ける生きて働かせて罪を償わせましょう」
「俺はジンに任せるよこれはけじめの問題だからな」
「俺はどうでもいいそれより早く帰ろうぜここじゃゆっくり寝れねーよ家が恋しいぜ」
「そのことなのですが港が無傷で手に入ったことで皆さんにはこちらに移って貰ったわけですが最初に言ったように我々はここを去るの移動したい者だけ任意で船に乗ってもらうように通達してあります期限は明日いっぱいで明後日には出航します」
「そうか分かったよそういえばアリスのお父さんどうなったんだ?」
「あいつかあれくらいで死ぬような奴じゃねーよ帰りに寄ってみるといいまだ医務室にいるがもう元気だぞ」
「良かったな今から行ってみるよ」
これからの予定を話し合ったあと二人と別れたコウキは医務室に向かった。すると中からアリスの心配する声と中年男性の渋い声が聞こえてきた。
「お父様まだ寝ていなければなりません完治していないのですから」
「何を言ってるんだアリスよこれしきの事なんの問題もない」
様子を伺うと元気そうで良かった。コウキはドア叩いた。中から許可の声がしたので中にはいった。
「コウキさん⁉どうしたんですか」
コウキの姿を見たアリスは驚いてあたふたしておりガロスさんは姿勢をすっと正しこちらを見ていた。
「初めましてガロス=ウェアトーガさん私はコウキクロサワクロス村を治めている者ですジンの要請で手伝わせて頂いております」
「これはこれは丁寧で物腰の柔らかい御仁だ。アリスより聞いておりました。助けていただきありがとうございます。私はガロスで構いませんよ私も救われた身だ。是非ともコウキ様の力になりたい。あの突進バカよりは力になるでしょう」
「私もコウキで大丈夫ですよバカとはヒートのことですねガロスあなたの噂も聞いています力を貸していただきたいです」
「そうですかそれは良かった。こうしてはおれませんな長い時間拘束されていましてな体が訛ってしまっていかん鍛えなければ」
「お父様せめて今日は大人しくしていてください起きたばかりですよ」
コウキと喋っていたガロスは再び動き出そうとしていたがアリスにまた止められていた。ヒートと似ているのかもしれないな。とても活発な人だ。
「ガロスさん無理は良くないよ今は回復に専念するべきだ」
「それなんですがねここにいたエルフの女性から薬を貰ったんだがアレを飲んでから力が湧いてくるのですよ力が溢れている」
「エルフ?」
「コウキさんエルフとはステラさんのことです目が覚めたと知ったステラさんが薬草を煎じて飲ませてくれたんですよお父様ステラさんはコウキさんのお連れの方です」
「そっかステラかなら大丈夫だな」
「おぉコウキさんはエルフを連れているのかアリスから聞いて力ある御仁だとは思ったがエルフを娶るとはさすがだな」
「でもお父様ステラさんから今日は安静にしろと言われたではありませんか大人しく寝てください」
「これから忙しくなると嫌でも働いてもらわないといけないんですゆっくり休んでくださいね」
「コウキさんにそこまで言われてはしょうがないなアリス私は寝ておくからお前はコウキさんの手助けをしてきなさい」
「ではガロスさんお大事に」
コウキとアリスはガロスの部屋から出た。そしてコウキの部屋まで戻る。途中で防衛隊にアリスは合流するようだ。明後日には出航なのでひとまず出航までゆっくり過ごすのだった。
次の日港の船着き場には島を移住するための住人が集まり列を作っていた。反乱軍の船と鹵獲した大型船コウキが改造した船の三隻で移動することになり3っの列が出来ている。大型船にはガロスに乗ってもらうことになった。漁師だった人が自主的に船の操縦を手伝ってくれるそうで反乱軍の隊員と手分けして動かすそうだ。ガロスは元々水軍のトップだったため張り切っていた。コウキもラミス達の手伝いをしていた。
「結局全員移動することになりましたね」
「そうだなやっぱりここで暮らすのは無理があるからな俺たちは帰ってからが本番だぞ」
「そうですね」
「さぁ明日は出航だ頑張ろうな」
翌日になってコウキ達と反乱軍は出航した。まずは行きに寄ったビッグラーフを目指す。そして補給用の港によってゴルドに合い物資を調達しなければならない。物資が無ければ200人も島で養うことなど出来ないのだ。
コウキ達は特に問題もなく順調に航海を続けゴルドのいる港にたどり着いた。
港で水の補給をしている間にヒートと共にゴルドの元に行く。
「しかしここに来るのも随分とさしぶりだな」
「さしぶりって言うけどな俺は港にいたからよさしぶりも何も無いんだがな」
「そうなのか活気があっていい所だぞまずは俺たちもこれくらい人気な島にしたいな」
「そっち方面は何も分からんそこはコウキに任せるぞ」
「全くヒートはぶれないなまぁいいやそろそろつくぞ」
コウキとヒートは町の雰囲気を楽しみ視察しながら進んでいった。今回の件でかなり人口が増えるしかもゴルドという商人とつながる事が出来たのでこれからは商売にも力を入れたいと思うコウキであった。
二人はゴルドがいるという建物に着いた受けつけに話を通してもらう。少し待っていると部屋に案内された。少しするとドアがノックされゴルドが入って来た。
「お久しぶりですねお二人とも準備は出来ておりますよ」
「お久しぶりですゴルドさん今回の支援改めて感謝します」
「いえいえ今港に運ぶように指示しましたので我々も向かいましょうか馬車がありますので」
ゴルドの用意してくれた馬車は快適と言えるものでは無かったが港まではかなり早い時間で着くことが出来た。車に慣れた人間とはなんと不便なことか改めてこの時代の文明技術に触れて自分がいかに恵まれていたのか実感したコウキであった。
コウキ達は違う港に案内されていた。どうやら商人が荷下ろしなどで使う専用の場所らしい。
「今回用意しましたのは日持ちがするように麦を中心に干し肉が5箱麦が10箱芋が10箱豆類3箱です。その他種なのですが一つもしやと思い種だけ用意してみたのですが」
「どうしたんだ?」
「こちらコウキ様の容姿をみてもしかしたらと思いまして稲?ですが我々には馴染みが薄いものでなんとも」
「稲?なんだそりゃ」
「それもしかして...」
「やはりコウキ様は分かりますか一部の地域では稲が主食として食べられていると聞きましてコウキ様のいきさつは訳アリでしたのでもしかしたらと思いまして」
「そっか稲あるんだそいつはいいな楽しみだぞ」
「分かっているとは思いますが少々特殊な栽培方法ですよ」
「大丈夫だ任せてくれ」
「コウキがそんなテンション上がるなんて相当なもんだなこいつは」
「ヒートは食べた事ないんだよな」
「イネは聞いたこともねーな」
「まあ稲というか俺は違う呼び方で米って呼んでたけどまぁ気に入ってくれると思うよ」
「コメか楽しみにしとくよ」
「では私は後ろを随伴しますので」
「あぁ頼んだよ」
この世界で再び米が食べれる喜びにコウキはテンションが上がっていた。急いで船に戻りクロス村に向けて出港した。早く米を育て無ければもうすぐ冬なのですぐに作る事は出来ないが元日本人として米の重要性は語るまでもない。主食としてDNAに刻み込まれているのだ。栄養も豊富で栄養不足気味の住民の皆も一気に回復することだろう。コウキは米への期待感を胸に残りの船生活の間に今後の発展計画を考えるのであった。




