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反乱軍が城に向かったと思ったカロス王子は城を守るため海賊を城に向かわせた。しかし丘を越えた先を超えた時、城に向かったはずの反乱軍は陣を築き待ち構えていたのだ。そう海賊とカロスはまんまと港から引きずり出され反乱軍の騎士が一番戦いやすい平地に引きずり出されたのだ。
「今だ‼放て」
海賊達の不運はされに続く。左右に展開した防衛軍が猛烈な勢いでボウガンを撃ちまくってきている。正面と左右に半包囲されしかも統一されていない海賊が隊を組むこともなく丘を目指してドンドン走ってきているため後ろに下がることも出来ない。しかもコウキの作ったボウガンは装填スピードが段違いでかなりの連射速度と威力を誇っていた。
「クソなんだあの威力は正規軍はあんな装備など持っていなかったぞ」
「王子完全に囲まれていますここは撤退すべきかと」
カロス王子の私兵が完全に囲まれ最悪の状況である事を感じるとすぐさま撤退すべきだと進言する。
「しかしあそこにヒートがいるのだぞこのどれだけ探し回ったと思っているのだ」
私兵と王子が言い合っている間にもドンドン海賊達が射抜かれていく。さらに丘での戦闘に気が付いた後方の海賊が逃げ出し始めていた。
「コウキ様の作戦成功ですね敵は既に敗走状態ですよ」
「あの王子の独占欲を感じたからな城を狙ったら確実に来ると思ったよしかもあまり戦を知らないんだろうな俺たちの人数で城なんて落とせるわけ無いのにな」
「それは分かりませんよあの城にもはや正規兵はいませんからまともに運営出来るはずありません維持出来ずに押せば簡単に落ちるでしょうな」
「だいぶ海賊も減ったしそろそろ矢も無いから行こうかおーいヒートひと暴れしてきていいぞ」
反乱軍は合計で200本の矢を用意していた。反撃も許さずに撃っていたため残弾はあまりないがかなりの数を減らすことが出来た。ヒートが横でうずうずしていたのでそろそろいいだろう。
「やっと出番かよこのままだと退屈で死んじまう所だったぜ」
ヒートは文句を言った後一気に海賊の前に躍り出た。そのまま次々に突き込んでいく。さながら水を得た魚のようでヒートの初撃で海賊は完全に逃げだした。そのまま進んでいるとヒートはある人物を見つけた。
「これは王子こんな所で出会うとは」
そこにいたのは私兵に四方を囲まれたカロス王子だった。
「貴様私に歯向かってどうなるか分かっているのか」
「これは失礼した俺は海賊を倒しただけなんだがなぜ王子がここにもしや王子海賊と手を結んでるわけねーよな」
ヒートは自分をはめた分際でまだ歯向かうなどと言っている王子を挑発していく。
「うるさいぞ貴様‼早く城に戻り私のために働けこれから他国の戦争を仕掛けるのだ」
『こいつなに言ってやがるこの戦力で戦争なんてして勝てるわけねーだろ』
ヒートは無謀な王子の言葉に呆れつつももはや言葉すら話すのも馬鹿らしくなった。
「もうお前はおしまいだ行くぞ」
ヒートは御手杵を構えると王子に攻撃を仕掛ける。
「なぜ我が国の戦士長が王である私に向かってくるのだお前たち早く何とかしろ」
まだカロスはヒートが怒り攻撃してくるのか分かっていないようだったが命が狙われているのわ分かったので私兵に守るように命令する。しかし私兵とは言っても金で雇われているだけの傭兵のためヒートの強さは知っているのだ。傭兵は自分の腕に自信があったのだが相手が国一番の戦士まして大陸でもかなり上位の強さを持つかもしれない戦士長にかなうはずもなく、負けると分かっている戦いに挑むはずもない。
「俺たちはもう護衛をやめさせてもらうもう無理だ戦士長俺たちも仲間に入れてくれ。」
傭兵たちは次々と降伏していく。
「なんだどうなってやがる」
「お前たち何をしている高い金払って裏切るのか傭兵稼業に傷をつけるつもりかこのまま傭兵を続けられると思うなよ」
「うるさい死ぬよりましだ戦士長俺たちも国攻めの手助けをする金なんて要らねーか助けてくれ」
「オイどうすんだジン萎えちまったぞ」
「そうですねでは傭兵の皆さんあいつを捉えなさい」
「任せてくれ」
傭兵は完全に寝返ると反転して王子を縛り上げていく。王子は状況を理解することも出来ず傭兵に捕らえられてしまった。
「このまま港へ行きますコウキさんここからはお任せください」
「そうかよろしくなジン」
ジンの指揮のもと反乱軍はネメア港に攻めていった。港は既に反撃する気はないらしく逃げ出していた。先の戦闘で多くの海賊が倒されていたため大型船を動かす人員はおらず各々小型船やボートで逃げ出していた。特に苦労することもせずあっという間に港を制圧し大型船の中に入っていく。隠れている海賊がいないか確認するためだ。海賊たちが所有していた大型船は元々ネメア国で所有していた軍船で構造も理解していたためスムーズに捜索していった。一番下の層に行ったとき縄で縛られたガロス=ウェアトーガを発見した。
「ジン隊長こちらに来て下さい」
「あなたは医療班すぐにこい重傷者だぞ」
ガロス将軍は縄で縛られ痛めつけられていたようで風前の灯火だった。急いで解放すると医療班が港の医療室に運ばれていった。反乱軍は全ての捜索を終え港に戻って来た。
「ここを無傷で制圧出来るとはコウキさんにはなんとお礼を言ったらいいのか」
「いいんだよそんなことはそれよりこれからどうする?」
「いったん住民にはここに移ってもらいます既に使いも出しました。ラミスさんも来ますよ」
「そっかじゃ俺たちはどこかで休ませてもらうよ」
「分かりました。用意させます」
すぐにジンは部屋を用意してくれた。アレク達防衛隊はコウキの護衛のため部屋の近くで待機してもらっている。コウキは部屋でステラと一緒にくつろいでいた。
「アリスちゃん良かったわね」
「そうだなギリギリだったみたいだけどもう安心らしいよ」
「でも捉えられてからかなりの時間が経ってるでしょホントに奇跡よね」
「なんでも王子が使えるからって殺させなかったらしいよ捉えた後服従させるために拷問してたんだって」
「酷いわね今まで守ってくれてた人を拷問するなんて」
「本人の姿は見てないが完全に頭がおかしいらしいぞまだヒートが自分のために働くとおもってるらしい自分で追い出したのにな」
ステラとしばらく話していると部屋のドアがノックされた。開けると前にベアリーが立っていた。
「やあベアリーこっちに着いたんだね」
「聞いたよあんた大活躍だったってねあんたの所の兵隊が自慢してるよ」
「なんだよそれ‼恥ずかしいだろ」
その日の夜はコウキはベアリーに質問攻めにされながら過ごしたのだった。
一日経ち港の整理と拠点の移動もやっと落ち着いてきた。新拠点にコウキとヒートとジンが集まっていた。
「この人が王子かこれからどうするんだ?」
「そうですね今更ですけど生かしていてもしょうがないですし」
「俺は何でもいいぞ興味ねぇ」
三人の前にはボコボコに殴られて気絶しているカロス王子が転がっていた。
「あと戦士長の部隊に入りたいと言っている傭兵ですがどうしますか?」
「俺はコウキの兵士になったんだぞどうするコウキ」
「いきなり言われても困るよまずは会ってみたいな」
「分かりました連れて来ます」
ジンの命令で傭兵たちが中に入って来た。総勢30人いてリーダーが前に出てきた。しかも傭兵たちは頭に特徴的な角があった。リーダーの男は肌が黒く一回り大きな体格をしていて他の傭兵は赤い肌をしていた。
「紹介しようこちらがヒート戦士長の主人コウキクロサワです」
「俺はこの集団のリーダーを務めている鬼人族のヤシャです。是非仲間に入れて欲しい」
「君たちは傭兵だろまた旅をして傭兵稼業をすればいいじゃないか」
「俺たちは金獅子の噂を聞いてここまで来た。敵対して分かったが勝てる相手じゃない。だから戦士長の元で自分を鍛えたい」
鬼人族は流浪の戦闘民族だと聞いたことがある。旅をして傭兵稼業をしながら各地を転々としている。こんな見た目をしているが雇われれば礼儀正しく敬語で対応していて優秀らしい。
「まぁ仲間が増えるのは俺もうれしいからいいんじゃないかな」
「良かったなお前らちなみにだがコウキは俺よりも強いぞ油断してると空を眺めることになるぜ」
「それは凄いしかしなぜ空なんです?」
「それは相手したら分かるぜ」
「なるほど是非お相手をお願いしたい」
「また今度な」
こうして鬼人族の傭兵隊30人は仲間になった。




