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コウキは偵察隊が帰ってくるまでの二日間で防衛隊とクロス村所属の船乗りを体術面でかなり鍛えぬいた。体術だけでなく相手の動きを見るということを覚え相手の動きに合わせて動けるようになった。
「皆だいぶ良くなっ来てるなかなり動きが良くなってるぞ」
「やっと基礎を理解することが出来たくらいですここから鍛錬を重ねより強くなりたいですね」
「コウキ様偵察隊が戻りました会議室にお願いします」
アレクと鍛錬の成果について話し合っていると反乱軍の隊員が呼びに来てくれた。
「じゃ行ってくるよ」
コウキは反乱軍本部の会議室に向かった。中には反乱軍幹部とジン、ヒートが中に入っていた。ヒートは自分の隣の席をバンバン叩いて呼んでいた。
「おうコウキこっち空いてるぞこいよ」
「分かったからそんなに叩くなよ」
「皆さん揃いましたねでは今から最重要攻略拠点ネメア港の状況報告と作戦の会議を始めたいと思います」
ジンの挨拶の後現状報告のため偵察に出ていた隊の報告が始まる。基本的な設備に変化はないらしい。しかし先日の村の襲撃の話が伝わっているらしく普段よりも多くの海賊が集まって警戒しており門は閉じて2つしかない門は閉ざされているらしい。
「いっちょ前に海賊どもが集まって警戒してもなまともにまともに報告なんか出来やしないだろ」
「回りの地形はどうなってるんですか」
「コウキさんは知りませんですよね地図を持って来てくれ」
反乱軍の隊員たちが机の真ん中に地図を広げてくれた。ジンの説明によると村から伸びる街道が唯一の通路で右には海が広がっていてその横は森がある。森に面する場所は石垣と壁が広がっており村のように襲撃することが出来ず海は海賊達のテリトリーのため海から侵入することは出来ない。唯一の門は固く閉ざされている。反対側にも門があり街道があるがそちら側は城に繋がる道で占拠されていて行くことは出来ない。
「なるほど侵入口は一つでその門すら閉じていると」
「はい続きまして海賊の総数は全体で300人ほどで我々の5倍です」
「中にさえ入れれば俺が100人コウキが100人他はお前らがやれば余裕だな」
「なんで俺一人で100人なんだよおかしいだろ」
「俺を負かした奴が俺より少ないなんておかしいだろむしろ俺より多く暴れろよ」
「アホか真面目に作戦考えろ」
「俺には無理だ細かいことは任せる」
「よくそんなんで戦士長なんてなれたな今までどうやって戦ってたんだよ」
「そういうのは全部アレクとジンで考えてたな適材適所ってやつよ」
「確かに今までヒート戦士長は作戦に意見を出したことありませんでしたね」
「さすがに今すぐに作戦なんて思いつかないよ明日一日くれないか」
「そうですね我々も考える時間が欲しい所ですでは二日後に」
今回は情報だけ教えてもらい解散となった。明日一日あれば何か思いつくだろうコウキは色々と思考を巡らせながら部屋に戻った。次の日コウキはアレクに意見を求めていた。まずはネメア港の現状を説明してどうするか聞いてみた。
「そうですねここは正攻法で門を攻めるしかないのではないでしょうか森には長く頑丈な防壁が広がっていますし海からは無理でしょう」
「仮に門から攻めるとしてアレクはどうする?」
「攻城兵器は必須でしょうな門が突破出来なければそこで我々は殲滅されるでしょうね」
「やっぱり門攻めしかないよな」
コウキとアレクはいい意見が出せず難航していた。その時反乱軍の隊員により新しい情報が入った。どうやらネメア港に第三王子のカロス=ネメア3世が入ったようだ。
「なに?隠す気もなく海賊と共存しているとは愚かな」
「確か反対の道は王城への道だよな」
「そうですねそのためあの王子が港に入るのも可能かと」
「閃いたぞアレクあのな」
コウキは思いついた作戦をアレクに伝える。
「それは上手くいくのでしょうか」
「王子はヒートは最初に追放するほど嫌ってたんだろだったらヒートがこの島に来ていることも知ってるはずだよな」
「それはそうですねこのタイミングで港に来るなんて考えられませんし」
「しかも王子は政権を取る事に燃えていたじゃ城を狙われるのは最悪政権を取り返される危険もあるし必ず来るさ」
「確かにそうかもしれませんね出来る気がしてきました」
「よしアレクヒート達に作戦を話すぞ」
「分かりました呼んでまいります」
アレクはジンとヒートを呼びに行き会議の準備をしてくれた。
「また変な作戦思いついたって早速実行だな」
「コウキさん是非聞かせてくださいこちらも思いつかずに難航していました。」
「よしじゃ説明を始めるぞ」
コウキは皆に今回の作戦を説明していく。
「また凄いこと考えますね」
「やるしかねぇんだなんでもいいぜ」
反乱軍はコウキの作戦に決めると動き出したのだった。
少し時間は遡りネメア国の王室に一方が入った。
「なに?この島にヒートが戻ってきているだと?」
「はい先日海賊が襲撃されたとき見たものがいると報告を受けました」
「やっと見つけたぞこの島にいるとはなどうりで見つからないわけだ兵を出せ必ずヒートを捉えるぞそして他国に戦争を仕掛けるのだそのために奴がいる」
なぜ自ら追い出した者が再び戦うと思うのかカロス王子は自分の事しか考えず私兵を集めて港に入ったのだった。
「コウキさん今回の指揮はお願いします。それでどこに陣を築けばよろしいのですか」
「まずは港の前の道に目立つようにその後ここだ」
「分かりました準備します」
いよいよ明日が作戦開始の時だ。戦士達は各々準備を進めるのだった。
次の日の昼が過ぎた頃港の中にいた海賊達は横に出来た反乱軍の陣を発見し警戒していた。コウキ達は港の真横に陣を築き待機していた。
「海賊どもこちらにきずきましたね騒がしくなってきてますよ」
「よし行くぞ」
「全体進め」
反乱軍達は一斉に動き出す。それを見た海賊達はいよいよ攻めてきたと思い門は硬く閉ざし厚く防御を固めていた。しかし反乱軍は全く攻めて来ることはせずなぜか森の中に進んでいく。それを聞いたカロス王子は焦りいら立っていた。
「オイあいつらの目的はなんなんだどうなっている」
「そんなこと言われても俺たちのはさっぱりだ」
「たくこれだから俗はいやなんだオイしっかり見張っているんだろうな」
「はい先ほど出陣した反乱軍は森を進んでいます反対側の門から攻めてくるのかもしれませんそれにこちら側にも伏兵がいるかもしれないのでまだ動くことは出来ません」
カロスの私兵は村襲撃の際の情報もしっかりと調べており砂に擬態した伏兵がいたことも分かっていた。そのため動くことは出来ずにいた。しばらく様子を伺っていると反乱軍は森を抜けだしいよいよ反対の門攻略かと思われていた。しかしなんと反乱軍は港を無視して城の方にドンドン進んでいた。
「しまったあいつらの狙いは城を取り戻す事か今すぐあいつらを追え‼」
カロスに命令された海賊達は渋々といった様子で反乱軍を追うための準備を進めていく。
「なぜ誰も行かんのだこのままでは間に合わんぞ」
「カロス様お静まりください籠城のための準備をしていたのです追撃のための装備は誰もつけていませんましたあいつらは海賊です陸での行動は遅いのですよ」
「クソこのままではおしまいだ準備の整った奴らからさっさと出せ少しでも足止めしろ」
やっと海賊達の準備が整い反乱軍を追うために出陣していく。海賊達は陣を敷くことなどなく勝手に追いかけていくカロス王子自身も私兵を引き連れ追いかけた。城への道は小高い丘のようになっていて丘の奥は下りのため反乱軍の様子を見ることが出来ない。もしかしたら城に取りついているかもしれないという恐怖が先行し急いで追いかけた。海賊達が丘を抜けようかという時だった。
「⁉」
「しまったやられた‼」




