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「どうしたんだいこんな所で」
「うぅ...あなたは確かコウキさん?」
ここは反乱軍の空き地の人気のない場所で所々に訓練だろうか戦闘の跡が見えた。少女
は泣きながら演武をしていた。声をかけると泣いていた少女は声に驚き振り向くと腕で顔を拭っていた。毛並みは白と黒のトラ柄で月明かりに輝いていた。
「そうだよよく覚えてたね良かったら話してくれないか」
「コウキさんはこれから戦いに行くんですか?」
「あぁそうだよ頑張るよ」
「私も連れて行ってください‼」
「ちょっと待って事情を聞かせてくれないか」
「はい」
少女の話を聞いたところ少女は小さな村で家族でひっそろ住んでいたらしい。少女の一族は代々騎士に連なる家計で父親は腕の立つ戦士だったため狙われたらしい。村で戦える者は先の戦闘で傷ついており物量で押され両親が命辛々逃がされその後両親は見ていないという。
「アレクこの子の父親は知ってるか?」
「君の名前は?」
「私は白虎の一族のアリス=ウェアトーガ父はガロス=ウェアトーガです」
「あのガロス隊長のご子息かそうかガロス隊長も狙われたのか」
「分かったんだなアレク」
「はいガロス隊長はヒート戦士長と並ぶほどの隊長で主に海上戦力の中心だった人です海賊船を何隻も落としていたので狙われたのでしょう」
「私をコウキさんの隊に入れてください父の仇を取らせてください」
「君はいくつなんだ未来のある若い子が戦場なんて行っては行けないよ」
「そうだぞ我らに任せておけそれに君は戦えるのか足手まといを連れては行けないぞ」
コウキはまだ子供に見えたため優しく諭していたがアレクははっきりと突っぱねているこういう時厳しさも必要なのだろう。
「私は16になった立派に成人して父の真似をして訓練もしていた。将来は軍に入って国のために働くつもりだったのですけして足手まといにはなりません」
「しかしなぁ16ってまだ子供じゃないか」
「コウキ様獣人達は16で成人するのです文化の違いでしょうか」
「私は戦える試してもいい」
アリスは構えを作り今にも襲い掛からんとしている。
「そこまで言うならアリス私が明日の朝実力を測らせてもらう明日の朝一番に準備をしてここに来いだから今はもう戻りなさい」
「必ず来てくださいね約束ですよ」
アリスは決意の目をして去っていった。完全にアリスが去ったのを見届けると二人は部屋に戻るため歩き出す。
「いいのかアレクあんなこと言って」
「ああでも言わないと引きさがりそうになかったので明日本気で相手をします現実の戦いは甘くないと分かってもらいます。」
「有名な隊長の娘さんなんだろ万が一強かったらどうするんだ」
「確かにガロス隊長には訓練ではよくしごかれてましたよ。でも自分にも意地がありますし場数が違います負けませんよ」
「じゃアレクに任せるよしっかりと導いてあげるんだぞ」
「分かりましたではまた明日」
部屋に付きアレクと別れ横になった。しっかりと睡眠をとらなければ明日に響くので目を瞑ってゆっくりと眠りについた。
次の日の朝ステラに昨日起きたことを話アレクと共に昨日の場所に向かった。そこでは既にアリスはそこで待っていた。腰には練習用の剣を左右に下げている。
「早いなアリス体調は大丈夫だな後で変な言い訳は聞かんぞ」
「いつでも大丈夫です」
俺たちは一歩下がり様子を見守る。アレクは訓練用の木剣を構え相手を見極める。
アリスは二本の剣を引き抜き両手に構えた。どうやら二刀流のようだ。
「あの子大丈夫なの?いちよう薬は持っているけど」
「アレクがしっかりやってくれるさ今は戦いを見届けよう」
二人は剣を構えて見合っていた。
「行きます‼」
先に動いたのはアリスだ。気迫の声と共に姿勢を低くして走り込んで来る。素早い動きでアレクの死角に回り込み脇を狙って剣を振るう。アレクから見て左側に回り込み切りかかって来るが問題なく弾き返す。しかし両手に剣があるため一つ弾き返してももう片方の剣が狙ってくる。アレクは一本しか持っていないので左右からの攻撃は剣でかわし切れない。体を反らせたりステップして回避していくが圧倒的な攻撃スピードと数に押されていた。
「アリスは凄いなアレク相手に押してるじゃないか」
「確かに凄いはわね素人の目では動きを追いきれないわ」
アリスの猛攻は続いた左右からの攻撃に加えて常に死角に回り込正面に立たない。相手の反撃を許さないように攻撃し続けた。攻撃は最大の防御というがまさにこの戦いがそうだろう。しかし一瞬アレクの剣での弾きに耐え切れずアリスは体制を崩してしまう。
「甘い‼」
アレクは弾いた勢いそのままに体にタックルを仕掛け相手を突き飛ばす。そのまま後ろに回り込み首に剣を当てた。
「あれはヒートの技だなアレクも中々強いな」
アリスは悔しそうにアレクを睨んでいた。かなりの負けず嫌いなのだろう。ちょっと助言して見たくなってきた。
「アレク見事だったよヒートの技を使うなんて凄いな」
「お恥ずかしい所を見られましたね自分の技がないのですだから戦士長の技術を使うしかない」
「あれだけ動ければ十分さだいたいヒートの技を自分なりの理解で使っているんだからそれはアレクオリジナルさ」
「確かにそれはそうですねもっと強くなれるように鍛えます」
「さてアリス戦い見させてもらったよ。」
「クッ負けたわよ私の力不足は分かっていたでも...」
「ちょっと聞いていいかな君の動きはお父さんの動きなんじゃないのかい?」
「そうよ父に憧れて鍛えていたのだもの」
「そうかしかしその型は君には少し早いな」
「⁉」
「コウキくんどういうことなの?」
それからアリスの戦闘で感じた違和感に気が付いた事を話していく。まず踏み込みにたいしてリーチが届いていない時がある。そのため攻撃が浅くなり跳ね返されてしまうのだ。そして剣を振るうたびに若干打ち込むタイミングが遅くなっている。
「確かに後半になるにつれて対処が楽になっていきいましたね」
「それは私の鍛錬が足りないからいけないのよ」
「本当にそうかな」
「どういうこと?」
「お父さんを見てずっと真似したのであれば呼吸のタイミングや踏み込みも当然真似しているだろう?それではだめだよ」
「何を分かったようなこと言ってるのよ」
「君はお父さんには慣れないってことだよ」
「そんなこと分かってるわよ‼私には才能がないことも自分が一番分かってるだから毎日練習してそれで」
「ごめん言葉が足りなかったかな」
「どういうこと?」
「技術を見て練習するのはいいことだでもその技術は自分の物にして取り込んでいかなければ行けないよ」
「でもどうやればいいんですか?」
「今から俺が鍛えてやろう今日一日で俺が満足したら連れていってやろう」
「あとその木剣貸してくれないかな」
「どうぞ」
「ちょっと手を加えていいかな」
アリスは頷いた。さっきの戦闘を見て少し重そうに感じたのだ剣の長さも短くしてダガーのようにした。
「これを振ってみてくれ」
アリスは受け取ると演武を始めた。さっきの戦闘で疲れているはずなのに確実にスピードが上がっている。
「すごい自分の思いのままに振れる」
「お父さんの剣に囚われ過ぎてはいけないよさっきの剣よりも短い分一歩多く踏み込まなければ行けないよでも相手に接近する分威力も上がる今からは自分にお父さんの型を取り込む作業だ」
「分かりました頑張ります必ず力になれるように」
「アレクちょっと船に戻る昼過ぎには戻るから後は頼むよ」
「分かりました。船ならばラミスがいるので安全でしょう」
アリスとアレクは実践形式の打ち込み稽古を初めていた。アリスには頑張って欲しいと思う。
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