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コウキ達はネメア国の住民を助け出すため海に出て順調に航海を続けていた。一週間ほどの航海らしく島を出てから2日ほど経っていた。旅事態は問題なく進んでいたが、現代に船すら乗った事の無かったコウキは船の揺れに馴染めず船酔いを起こし部屋で横になっていた。
「コウキくん大丈夫?」
「うぅ気持ち悪い頭がクラクラする」
陸とは違い常に揺れ続けるため三半規管がおかしくなっていたのだ。ステラはコウキに寄り添い看病していた。
「陸に上がれば良くなるとは思うのだけど」
「たくしょうがねーやつだなこれくらいでへばりやがってステラを連れて来て正解だったなこいつは」
コウキの個室のドアがノックされた。
「ヒート様少しよろしいでしょうか」
「どうしたラミス空いてるぞ」
「失礼しますコウキ様の様子は大丈夫でしょうか」
「こいつか?心配ねーさ鍛え方が足りねーから隊長を崩すんだよ」
「ラミス大丈夫だよ一週間もあれば慣れてくるさ」
「薬があれば少しは楽になるんだけどね」
「それなのですがここは大陸間航行の航路を通ってるんですもしかしたら貿易商人の船が通るかもしれないそしたら薬があるかもしれもせん」
現在反乱軍の船とコウキ達の乗る船は大陸間航行の正規ルートを通っていた。正規航路のため当然貿易船や航行船が通っている。船同士で海の上で足りないものを求めて取引することはあるので無い話ではない。
「船が来ても俺お金持ってないぞ」
「クロス村は基本的に自給自足だものね」
「まぁいったん港に寄って水の補給をしないといけねーからな」
「そうですねあと1日ほどの距離に港町があるので立ち寄ります。ついでに薬も買ってきますよ」
「金のことは心配すんなジンの奴に出させるからよだからコウキお前はあと一日寝とけ」
「分かった大人しくしとくよ」
それから船は一日ほどかけて補給のため港に立ち寄っていた。他にも補給のために大型の船から小型船まで並んでとても賑わっていた。港の中には5隻ほどの船が止まっていたため補給のための順番待ちをしていた。
「右の二隻の船の補給が終わったら港に入れますコウキ様もうしばらくお待ちください。」
「分かったよラミス隊長もだいぶ良くなってきたし俺の事は気にしなくっていいぞ」
コウキは三日ほどかけてかなり船に慣れてきた。乗ってすぐは興奮していたのだろう。余裕があり海を楽しむ余裕すらあったのだが、二日目にはダウンしていた。やっと陸にあがることができる。2時間ほどで前の船が補給を終え出航していった。
「ふぅー三日ぶりの台地だ落ち着くな」
「オイコウキジンから金を貰って来たぞ町見てみたいって言ってただろう」
「あぁありがとうヒート行ってくるよ」
「コウキ様3時間ほどで補給は終わります。それまでに帰ってきてくださいね」
「分かったよラミスお前らも少し休憩するんだぞ」
「分かりました」
「行こうかステラ」
ステラと一緒に街を回って今後の街作りの参考にする。この町はビックラーフ国小さな国で中間補給路の名所として城下の港町はかなり賑わっていた。メインストリートには多くの商人が露店を出し旅に必要なアイテムから異国の雑貨や置物など売っている。酒場や宿場も多く中では体格のいい船乗りが酒を飲んだり食事をしたりして休息をとっていた。
「ここは賑やかでいいな活気があっていい街だ」
「この国ビックラーフはね元々小さな補給のための港と呼べるのかも怪しい所がポツンとあっただけなんだってでも大商人が目をつけてここまでの規模にしたんだって皆が大笑いしながら楽しく補給しに立ち寄れてそこでまた商売が盛り上がるようにってビックラーフになったらしいわ」
「かなりの戦略家だな実際にここまで活気があって露店も数多くで出るしこの雰囲気に乗せられて多めに買っちゃうかな」
「そうね色々な文化が集まっていて楽しいわ」
「結構多めにお金貰ってるから少し見て回ろうか」
コウキとステラは露店を見て回っていく。ウートガルズ大陸はかなり熱い地域があるらしく頭に巻く布に伝統的な不思議な模様の書かれているものや、スルーズヴァンダル大陸の雪国の絵画なども売っていた。俺は宝石商の営む露店が目に留まった。
「ステラあそこ見てみよう」
「いらっしゃいいいもの揃ってるよ一つどうだい」
露店に入ると営業スマイルを浮かべたドワーフだろうか背が低くもしっかりとした体格の男が話しかけてきた。この店では様々な宝石を使ったアクセサリーが並んでいた。指輪、ネックレス、イヤリングなどなどがある。
「これいいな」
「お客さん良いセンスしてるねそいつはウートガルズ大陸で取れたルビーのネックレスだよ嫁さんにぴったりじゃねーかエルフの金髪には赤が良く映えるってもんよ」
「確かにステラにピッタリだな」
「ちょっと何言ってるのよあなたも私たちはそんなじゃないわよコウキくんもちゃんと言わないと」
「何言ってんだよステラこの人は口が上手いんだよ商売上手だな嘘も方便ってやつだな」
「こいつは一本取られたぜ気に入ったどうだいお客よ負けとくぜ」
「どれくらいいけるんだい」
「乗り気だね銀貨10枚でどうだ」
「銀貨10枚かぁそうだなぁ」
「たくこの石はなウートガルズ大陸でも中々手に入らねぇルビーなんだぞしかも俺たちドワーフの作品なんだ銀貨2枚分だけでも勘弁してくれ」
この世界の通貨は二本でいうところの銀貨が1万円くらいの価値がある大銅貨10枚で銀貨一枚で大銅貨は1000円銅貨が10枚で大銅貨になり銅貨一枚100円ほどの価値がある金貨もあるが金貨はあまり流通しておらず一枚で100万円である。基本的には銅貨を使った商売が普通で銅貨以下の価値はなく交換する量が変わり端数が決まるのだ。俺が渡されたのは銀貨15枚でジンはかなりの金額を渡してくれたのが分かる。後で聞いた話だがこれはヒートが今まで国のために働いていた金をヒートが捕まったあと急いで資金を隠しヒートが帰った時の軍資金にするつもりでいたらしく結構な資金があった。そのためヒートは遠慮なく渡してくれたのだろう。
「よしヒート達には悪いがこれは好きに使っていいらしいから買うよそのネックレス」
「ホントに大丈夫なの?」
「いいんだ一目見た時からステラに渡したいと思ったんだそれにとっても似合うぞ」
「もうそんなこと言われたら...」
ステラは下を向いて話さなくなってしまった。
「はいお金」
「確かに受け取ったほらこれつけてやんな」
「ありがとう」
店主からネックレスを受けとるとステラの後ろに回ってネックレスを首に付けてあげた。
「とっても似合ってるよやっぱり買ってよかったな」
「ありがと大切にするわ」
「そうだ店主ちょっと話があるんだけど」
「なんだ商売の話なら何でも聞くぞ」
初めての店での買い物をしたことと店主の人柄が良さそうだったので俺の現在の状況を話して力になってくれるか聞いてみることにした。俺は今この当たりで新しく見つかった島の住人であること、ヒート達との出会い、これからネメア国にいって行うこと全て話してみた。
「その話本当か」
「あぁ事実だヒート達は今この港にいる」
「ネメアの金獅子が今はお前さんの所で生活してるとはな噂でネメアが大変なことになってるのは知っていたんだがな」
「そこで頼みがあるんだが住人を助けた後の援助を頼みたい」
「一回金獅子に合わせてくれないか」
「ヒートの事かどう思うステラ?」
「あの人なら例えこの人がスパイでも余裕で倒せそうだしいいんじゃない?」
「なに言ってやがるそんなんじゃねーよ昔ちょっとあってな」
「分かっただいぶ時間もたったしいったん船に戻ろう一緒に来てくれ」
コウキとステラは宝石店の店主と共に港に戻って行った。




