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スルーズヴァンダル大陸の東側の海に船が進んでいた。スルーズヴァンダル大陸とウートガルズ大陸を結ぶ航路の中間辺りまで進んだ時島が見えてきた。
「隊長見えてきました。あの島です」
「間違いないな」
「はい航海地図に載っていません新しく発見された島で間違いありません」
「よしあの島へ航路を取れ」
反乱軍の乗る船は1週間かけてヒート隊長が遭難したコウキ達の住む島へたどり着いたのだった。
「ここかどこにいるのか分からんないったんここにテントを張れ捜索のための拠点にするぞ半分に分かれて残りは食糧と水の調達だ」
「「「分かりました」」」
隊員達はてきぱきと仕事に取り掛かる地面に杭を打ち込み柱を立てると一気にテントを建てていった。テントが出来るといったん船に戻り定期連絡を確認する。テントの中では隊長のジンが指揮をとっていた。
「まずは周辺の把握を優先しろ生態調査には気をつけろ危険生物がいる可能性がある次にこの島に住んでいると思われる住人を探せ報告ではヒート戦士長はここの御仁に助けられたと聞いている。そこに住んでいる可能性もある」
「隊長報告があります。四日前に海賊が出航したと報告があります。恐らくこの島を目指していると思われます。」
「クソいよいよ動き出したか先にこの島についたのが幸いか早くヒート戦士長を探し出さなければ戦力差があり過ぎる」
それから調査隊と食糧確保組が帰ってきて報告と食事をした。
「この島には人が住んでいる形跡がありません。そして厄介なのがキラースパイダーを何匹か確認しました。十分に距離を取っていたため補足はされていませんが捜索の際遭遇したら危険でしょう」
「キラースパイダーだと上位種ではないか確かにそれは危険だなしかし人の生活している痕跡がないとは一体どういうことだ?」
「まだそれほど広い範囲を捜索したわけではありませんがこの森にはキラースパイダーの他にアースリザードなど危険生物も多数生息していました。とても人が住むには厳しい環境かと」
「そうかご苦労今日は休め明日本格的に捜索を開始するそこで判断しよう」
「分かりました失礼します」
ジン達反乱軍真っすぐここに向かって来たので遭難して彷徨いたどり着いた場所と反対側にたどり着いていた。コウキ達は反対側まで行ったことが無いので人の痕跡などあるはずもなく悪戦苦闘していた。しかしくもまる達は広範囲にわたり巡回していたためジン達反乱軍を発見し観察していた。当然リュディアにも報告がきていた。
「ふむ海賊ではないのか一体なんのようなのじゃ分かった明日コウキに伝えておこう」
朝起きた俺は最近の日課をこなしていた。ステラと朝ごはんを食べて村を歩き異変が起きてないか水道が壊れていないか見回っていた。
「コウキよ少し話があるのじゃ」
「どうしたリュディア」
「実はな昨日巡回していた子の報告でな島の反対側に謎の集団が上陸したらしい。様子見は続けておるがいちよう報告じゃ」
「海賊とかだったら嫌だなこの島で休憩しに来た商人とかだったら顔をつないでおけば今後は商売も出来るかな」
「いきなり近づくのは危険であろうなもう少し様子を見るのがよかろう。」
「そうだないちようヒート達に相談してみるか」
ヒート達な声をかけて狩りをしていた戦士組に集まって貰った。
「島の反対側に人が上陸しているらしい。何しに来たのか知らないがこっちからアクションを起こすべきかどう思う?」
「いったん様子を見てみないことには何も言えんな移り住もうとしているならば手助けしてやればいいだろうし俗だったら討伐しないといけないからな俺たちがいったん様子を見てこよう」
「そっか悪いな」
「何言ってんだここを守るって決めたのは俺たちだぞ当たり前のことをするだけだ」
話を聞いたヒート達は準備を始めた。ヒートの班とアレクの班に分け交代で村を守る組みと索敵組に分けた。人数は成人の男が15人で村を守る組が10人で索敵組が5人索敵にアレクがついた。ヒートが行きたがっていたがもし俗だった場合人数が少ないまま戦闘になれば負ける確率が高いだろう。索敵で一番の戦力であるヒートを失えばこの村を守り切れないかもしれない。実際はコウキやリュディアがいて戦力は問題ないのだが獣人の戦士たちの誇りがあるのだろう。アレク達は俺の作った。盾を装備して出かけていった。
「コウキいったんあいつらが戻るまで森に入るのは制限してくれ」
「分かった期待してるよ」
島の反対側へは一日で行ける距離ではない速足で行っても3日はかかるだろう。今回は偵察なので敵に気が付かれてはいけない。中間地点まで行った段階で向こうも森に入っている可能性を考えて一日目でなるべく距離を稼ぎ二日目に偵察しているくもまる達に場所を教えてもらいながら慎重に進まなければならない。夕方になり始めて火が落ちてきた。
「そろそろ野営のための場所を確保探すぞ夜は視界が悪い向こうも野営するはずだ火は使うなこっちの位置を補足されるぞ」
完全に敵か無害な移住者なのか分からないのでこちらが来ていることがばれたくなかった。火も使わずに塩付けの燻製肉に齧りつきながら仲間と話していた。
「俺たちは戦士だ本国ではもっと過酷な状況で戦闘していた時もあったし今より環境は悪かったのにな」
「すっかりコウキ様の住みやすい環境に慣れちまって俺たちも変わったな」
「確かに家から蛇口を捻れば水が出るなんて俺は感動したぜ」
「本国にいるやつらもこっちに連れて来たいな」
「言っちゃなんだがあそこはもうダメだ故郷を失うのは辛いが今の生活から離れられないぜ」
「カロスの野郎を助けてた貴族は真っ黒だって話だぜ今頃は俗どもでいっぱいだろうな皆上手く逃げられたらいいけど」
アレク達は発展した生活に慣れてしまい屋根すらない所で寝る不満から国のクーデターの愚痴を言い合っていた。それだけコウキの作りだす環境は過ごしやすい環境だったのだ。
少し遡り。島の反対側反乱軍が上陸した浜辺では朝になり本格的に島を捜索する準備をしていた。
「本拠地をここに残す。戦力の一割は残って船の護衛だ残りで奥に進むぞ。情報ではここにヒート戦士長がいるはずだ絶対に探し出せ」
総勢40名いる反乱軍の内4人を残し捜索に出る。10人規模でひと塊の小隊を作り右翼左翼中央に配置して森を進んでいく。残りがジンのいる本陣で頻繁に左右に人を出し情報共有をしながら進んでいった。
「全く人の気配がありませんね無駄足だったのでしょうか」
「この島はとても広いのだ。一日二日で人の住める安全な場所に行けるとは限らんぞ」
ジン達は急ぎながらも確実に前に進み野営の準備をした。
「隊長野営ですが警戒レベルはどうすればいいですか」
「敵の陣地に潜入しているわけではない煙を見て襲われることは無いだろう。向こうから見つけてもらえる可能性もある。警戒しつつ焚き火は許可する」
火を使えば魔物も寄って来ない。しかも今回は捜索しに来ているので向こうから気が付いてもらうことも考えて警戒レベルは低い状態で野営した。
アレク達索敵班は夜くもまるの報告を受け距離にして1日に所まで近づいていることを確認すると4時間ほど交代で急速を取りまだ夜が明けきらない内に先に進んだ。ここからはいつ敵と接敵してもおかしくない。慎重に進んでいく。朝になって一度食事休憩を取るとくもまる達の報告で向こうも既に動き出しておりすぐ傍まで来ていると報告を受けた。
「ここからは遠くから様子を伺うぞもうすぐこの辺りを通るはずだ」
アレク達は茂みに隠れると様子を伺ていた。しばらくして3方向から小隊が接近しているのが見えた。奥に本陣らしき警戒の薄れている部隊があった。前の3つの部隊を隠れてやり過ごし本陣の人間の顔を見た時だった。
「なんであいつがここにいるんだ‼」




