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コウキとリーノはヘイゼル工房の前に立っていた。
「これ使って新しい武器作りたいな」
「スパイダーギャングとグランドスパイダーの素材がこれだけあれば凄いものが出来そうですね」
「あぁ余らせておくのも勿体ないだろそれにヒート達はまだ素手で狩りしてんだろ」
「何を作るんですか?」
「ボウガンと盾かな」
「盾ですか?ボウガンは分かりますけど盾だけでは戦えませんよ」
「ヒートは獅子なんだろちょっと面白い武器が思いついてな早速やってみよう」
「どうやればいいんですか?」
「まずは外殻の部位を分ける腹と足と胸部だな腹の部分は硬いからいい盾になるぞ」
「分かりますたやってみます」
それから全部で50匹ほどいた蜘蛛の素材を分けていった。足の部分は硬い割に柔軟性がある。上手く使えばボウガンの弓の部分に使えるだろう。
「鉄で土台を作っていくぞ」
「僕やりますねコウキさんは本体を作ってください」
「分かったやってみよう」
まずは鉄で土台を作っていく。ハンマーで叩いて十字架型になった所で魔法で矢を差し込む部分を空けていく。始めの一つだけ作ったら土台はリーノに任せた。次にグランドスパイダーの足の部分をハンマーで叩いて薄く伸ばして弓の部分を作っていく。
「よし後は本体まで一気に行くぞ」
十字架の短い部分に足を付けて固定する。両サイドに穴を空けてリュディアの糸を通す。
「出来たぞ...ん?」
「どうしたんですか?」
「これグリップもないしトリガーもないぞこれじゃ弓と変わらないじゃないか」
「あ...確かにそうですねどうしますか?」
「とりあえず土台にグリップを付けてくれ俺は構造を考えるから」
「分かりました」
さて成功に必要なのな失敗だトライ&エラーを繰り返すんだ。まずは矢を簡単に引ける仕組みを考える。糸に矢を固定するために板を付けてみる。
「板だと固定が甘いな安定しないぞ」
「筒状にして中に矢を入れ込めばいいんじゃ無いですか?」
「それいいねやってみようそうだ土台の中を筒の形にくり抜いて稼働範囲を制限するかそれを中でトリガー部分に固定出来れば簡単に発射出来るぞ」
作ってみて新しく失敗が出てきた筒を中に入れたら後ろに引くことが出来ない。そのためトリガーに固定出来ないのだ。
「コッキングレバー付けるかあれ憧れだったんだよ矢を入れる部分もコッキングレバーに合わせて空くようにしてそこで装填すればかっこいいな」
筒の横にレバーを付けて土台の横を引けるように穴を空けるそれに合わせて平行式の蓋をつけて矢を入れる部分が出来た。
「これでどうだ完璧だ」
「コウキさん空いた時間で矢作っときました試してみましょうよ」
外に出て森の中に入る。手頃な木を的にして装填する。
「これ結構硬いな引きづらいぞよしとりあえず試射だ」
木に狙いを付けて照準を合わせる。ゆっくりと的を絞りトリガーを引いた。矢が勢いよく飛び出した。(ゴンッ!)という音がして木を貫通してさらに後ろの木に突き刺さった。
「これ威力やばいな」
「グランドスパイダーの素材を使った弓ですからね凶器ですよ」
「しかし弓が硬いな戦闘になった時きついぞ改良が必要だな」
いったん工房に戻り頭の中でイメージしてみた。すると一つ浮かんできた。
「滑車か確かコンバットボウだったかなこれなら簡単に引けるな」
さっそく鉄インゴットに魔力を込めて滑車を作った。さすがに今の力では滑車を鍛冶で作り出すことは出来なかった。
「いったん昼休憩にするぞ昼過ぎにヒートを呼んできてくれ」
「分かりました」
リーノと別れて家に戻った。
「コウキくん次は何作ってるの?」
「新しい武器を作ってるんだヒート達はまだ素手で狩りしてるだろ必要だと思ってな。」
「そうだったのそれで何作ってるの?」
「今はボウガンだよ女性陣でも簡単に扱えるようになってるよ」
「それはありがたいのだけどでもあの子たちはタフよ力も強いし」
「そうだったのかでも素手では限界があるだろ何より遠距離武器があれば戦術が広がるぞ」
「確かにそうね」
ステラと話をしながら昼ご飯を食べた少しゆっくりしてから工房に戻るとヒートが来ていた。
「コウキ新し武器作ったんだって早速使わせてくれ」
「ちょっと待ってろ今持ってくるから森に行っててくれ」
ヒートは長年戦闘に携わっていたため武器と聞いて興奮しているのだろう。急いでボウガンを持って森に向かった。
「それが新しい武器か」
「あぁボウガンだほらやってみてくれ」
ヒートにボウガンを渡すと使い方を教えていく。
「横のレバーがあるだろこれを後ろに引いてくれ」
「こうか?」
「カチッといったら話していいよそしたらその穴から中に矢を入れるんだそしたら的を狙って握りての前のトリガーを引いてくれ」
ヒートはコッキングレバーを引き矢を装填した後照準を合わせていく。的に完全にピントが合うとトリガーを引いた。さっきと同じように矢は木を貫通して地面に刺さっていた。
「こいつは...とんでもねぇーな弓は使ったことあるが引き続けなくていい分狙いやすいし戦闘が変わるぞこいつは」
「100メートルは余裕で届くぞ最大射程は分からん」
「まじかよ革命だな」
「後なヒート達用の装備も作りたくてなまだ素手で狩りしてるよな?」
「確かにそうだがいいのか」
「任せとけやってみたいことがあるんだ」
ボウガンを試してもらうととても気に入ってもらえてよかった。これで狩りも楽になるだろう。次は近接武器だ。ヒートを連れて工房に戻る。
「コウキが使ってる槍あるだろ。」
「蜻蛉切のことか」
「あれ相当な業物だろあれでもいいんだぞ」
「蜻蛉切は俺のお気に入りだからやらないぞ貸すのは別にいいから使いたかったら言ってくれ」
「じゃ今度借りるよそれで俺には何作ってくれるんだ」
「盾なんだけどな」
「盾じゃ攻撃できねーだろ」
「まぁまぁこれを振ってみてくれ」
ヒートにグランドスパイダーの腹の部分を渡して腕の肘の部分に結ぶ。
「どうやって降ればいいんだ?なんで腹を腕に括り付けてんだよ」
「これは盾になるからなそれと剣見たいに振ってくれ」
「分かったやってみる」
ヒートは腕を前に出して体を守るように構えると薙ぎ払ったり突いたりして盾を振っていく。少し振るとステップを交えながら動き回るようにして振っていった。
「どんな感じだ?」
「どうと言われても盾だな」
「重さとか動かしづらいとかなんでも言ってくれ」
「んー盾の割には軽いな素材がいいんだろうけど特に違和感はないただ剣と言われるとなさっぱりだ」
「軽いなら問題ない一回作ってみるから明後日くらいにまたここに来てくれ」
「分かった」
ヒートが去ったあと言われた感覚を参考に作業を開始する。俺が作ろうとしているのは何かって?それはなネイル付きの盾さ盾に爪を三本付けるんだ。かっこいいだろ忍者が付けていた手甲鉤だ。まずヒートを一目見た時思いついていたんだ。まんまライオンが立って暴れていたんだぞ。これしかないだろ。
さっそく作っていく。インゴットを三つ用意して短刀を作っていく。熱したインゴットをハンマーで叩いて研げば完成だ。午後の時間と次の日一日かけて作り上げた。それから盾に三本の短刀を固定して盾の裏にガントレットを付けて完成。縦のようにしては降りづらいと思いガントレットタイプにした。これで振りやすいだろう。
「オイコウキ来たぞ」
「今行くよ」
完成した武器に布をかけて隠すと外に出ていく。ヒートを連れて森に入っていく。
「みて驚けなずけてライオネルクローだ‼」
「これはスゲーな名前はともかくまさか盾に刃がついてるなんて考えもしなかったぜ」
「ちょっと使ってくれ」
「任せろこれは剣ではないな俺流に振ってみよう」
ヒートはライオネルクローを受け取ると中段に構えた。一呼吸してから一気に前に踏み込み突き出す。そのまま正面に構え直し薙ぎ払う。また掴むような動きもしていた。
「なかなか癖はあるが使いこなして見せよう新しい戦い方が出来そうだ。」
「普通の剣も作れるしリーノに教えたから今剣は作ってもらってる無理しないように使ってくれな」
ヒートは新しいおもちゃを見つけた子供の用に振り続けていた。後日ヒートを見たアレクや戦士たちが10人ほど押しかけてきて同じものが欲しいと懇願されたので俺は嬉しくなり1週間で10人分作り上げ渡した。その後朝から訓練する音が聞こえてきていた。




