168
一夜明けコウキはベーグのもとに訪れていた。今日はリュディアと子供達とは別行動で午後には村に帰るそうだ。ベーグに相談ついてにミキを見せる予定である。
「ほらベーグ可愛いだろ。ほれほれ」
ミキをステラから預かると抱き上げてベーグに見せていた。ベーグも職人の頑固な顔の割には子供は好きなようで可愛がってくれている。
「これは中々の顔をしておるな。母親似て線は細いし将来が楽しみじゃ」
「むむ確かに容姿がステラに似てくれたことは俺もうれしいけどな少しは俺に似てる所もあるだろどうだ?」
ベーグはコウキの態度に内心免訴臭さを感じた。クロサワコウキという人間は興味を持ったことには貪欲なのだ。それも自分の子供ともなればなおさらだろう。
「そこまで重要な事なのか?容姿など似て居なくても子供が自由に生きるのだ一番の幸せであろう。それにコウキに似るというのであれば容姿よりも能力が似てほしい物じゃな
お主の力はしっかりと受け継がれるべきじゃ」
「それについてはどうでもいいんだ。ミキにはやりたいと思ったことをやれる環境にしてやるつもりさ。だから無理やり教えたりはしないし学びたいと思った時は全力でぶつかるつもりさ。」
「なるほどのぅ良く分かった。それで今日はどんな要件で来たんじゃ?まさか子供を見せてのろけて終わりではないだろう?」
「あぁそうだな実はな」
「コウキくんミキは預かるわよゆっくり話してちょうだい」
「あぁすまんな」
ミキを預けるとステラは外に出ていった。ミキもお母さんと一緒にいてくれた方が良いだろう。それに港にはいろんな人が行き来しているためミキにもいい刺激になるだろう。人見知りになってもらいたくはないので今のうちに人に慣れさせておきたい。
「よしじゃ今回来た理由なんだけどな魚人の皆の家を作らなければいけないんだ。人数は2000人規模だ。陸の家はすぐに作れるんだけど問題は魚人の中でも人魚族の方だよ。足が無くて陸に上がれないらしい。だから海の中に生活するんだけど家とかってどうすればいいのかなって思ってな」
「人魚の家か中々面白いのぅそうじゃ今ゴルドが来ておるぞここに呼ぶとするかのぅ
グロッテよゴルドを呼んで来い!」
「はいよー親方」
グロッテはベーグの指示を察していたかのようにすぐに出ていった。さすがは長年の子弟関係である。せっかくなのでゴルドが来るまでベーグの子供の話をしながら盛り上がっているとグロッテとゴルドがやって来た。
「これはコウキ様ご無沙汰しております。お子様がご誕生されたとかおめでとうございます。これは私からささやかながら祝いの品でございます。」
ゴルドは部屋に入ってくると綺麗に包まれた箱を渡してくれた。
「ありがとうゴルドそっかまだミキを見てないのか可愛んだぞ!」
「あぁお姿は先ほど拝見いたしましたよ。ステラ様とミキ様が事務所に来られましてね。私も用事がありまして事務所にいたものですが一足先に拝見させて頂きました。
エルフの特徴が良く出ておりますなしかもかなりの容姿をされています。きっと長生きされますよ」
「あぁそうだな本当にステラに似てくれて良かったよ」
言いながらも少し落ち込んでしまった。ゴルドはコウキの様子を見て少し慌ててしまっている。それを察したベーグがそっとゴルドに耳打ちする。
「ゴルドよコウキ様はミキ様がステラ様に似ているのが嬉しい反面自分に似ていないのが寂しいのじゃよ。さらには周りからも祝福の言葉は関らずステラ様に似ていて美しいとか将来はいい男になるとかが多く語られているんじゃ。」
「なるほどそうだったのか。しかしエルフと人間のハーフであれば血の濃い方に容姿が似るのは当たり前の事ではないか?」
「コウキ様は良くも悪くもこの世の常識を知らん。一体あれでどうやって生きてきたのかこの島は異常すぎる。自分の知識が常識だということはこの島では通用しないのじゃその辺に慣れなければゴルド。お主嫌われるぞ」
「確かにそれもそうだな私も身の振り方を考えねばならんな」
ゴルドはベーグからコウキの事を聞いてすぐに脳をフル回転させた。こういうところは商人特有の相手を持ち上げる所に長けたゴルドだからこその能力であろう。
「とはいえコウキ様ミキ様はコウキ様によく似た力強い黒髪をされています。エルフと言うのは普通金髪しか生まれません。そういう意味では髪の色はその種族の特徴をよく表すと言います。コウキ様の人種としての強い遺伝子がミキ様にも遺伝されたのですな」
「でもそれは人種特有の遺伝子であって俺自身の何かではないよな」
「なっ!コウキ様。人の価値というのは見た目だけではありませんぞ例えば成長による変化コウキ様は体を良く鍛えていらっしゃる。ミキ様も成人した暁には屈強な男性になられることでしょう。また人というのは考え方が異なるものです。コウキ様のセンスを受け継がれれば将来安泰でしょうな。魔力、武力、知識、技術どれをとっても一級品でございます。きっとミキ様は様々な方面で活躍されることでしょうな」
「そうだよなミキには自由に生きてほしいけど人の役に立つ人間になってもらいたいと思っているんだ。そのためにもしっかりと勉強を教えて行かないとな。
そうだゴルドこの箱開けていいかな何が入ってるんだ?」
チャンス!コウキの気持ちが動いてきた。ゴルドはこの隙を逃さない。
「是非開けてみてください。とても素敵な物が入っていますよ」
言われた通り箱を開けると白く大きな石が入っていた。しかも不思議な魔力を感じる。かなり特別な物のようだ。
「なんだこれ?魔力を感じるな」
「はいこれは守護石バリアストーンといいます。スルーズヴァンダル大陸はシェラ―グ山脈で取れました鉱石でございます。邪悪な力から子供を守ると言われております。なんでもシェラ―グ山脈に住んでいる神獣が子供好きだとかでジオストンの一部の地域では子宝の神としてあがめられているほどだそうで」
「なるほどなぁありがとうゴルド子供部屋に飾っておくよ」
「それでコウキ様今回はどのようなご用件でございましょうか?」
「あぁそうだな実はな今度この島に魚人の人たちが来るんだ。そしてここで暮らすことになったんだ。そこで家についてなんだが正直に言ってどんな家がいいのかさっぱり分からなくてなゴルドに意見を求めたいんだ」
「なるほどそういうことでしたか。それでしたらギルドマスターが詳しく知っているかと思います。我が師であるサルキスは総合商人ですので家なども扱っているのですよ。私ではまだ家などの物件を扱えないのが厳しい所でしてな。今から呼んできましょう」
そういうとゴルドはサルキスを呼びに行ってくれた。ギルドマスターともなれば忙しいはずなのだがサルキスはすぐにここに来てくれた。
「お久しぶりですコウキ様ゴルドから聞きましたぞ。魚人の方を招き入れるとかそれで住まいについて意見を求めているということですがお間違えないでしょうか?」
「ああその通りだ。何かアイデアが欲しいんだ」
「分かりました。微力ながら知識を貸しましょう。それで魚人といってもかなりの種族がおります。イメージとしては獣人の方と同じといえば分かりやすいでしょうか」
「あぁ何となくわかった」
サルキスが言いたいのは獣人といってもヒートやアレクなどのライオンの獣人やアリスやガロスのような白虎の獣人他にもヘルやコディアックたちのようにオオカミや熊の獣人など色々な種類の獣人がいるということだろう。
「はいしかし獣人の方は種類は違えどほとんどほとんどの生活スタイルは変わらないのです。そのため家などの規格も全て同じなためひとくくりに獣人としてまとめられています。しかし魚人の方はそうはいかないのですよ」
読んでくれてありがとう




