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ヤシャの体調が安定してほっとしているとジンが駆けつけてきた。
「コウキ様お怪我はありませんか?」
「あぁ平気だよそれにしてもアレがドラゴンか」
「はい既に意識が回復しています。さすがは最強の種族ということですかね」
コウキとジンの目の前には弱っていながらも立ち上がりこちらをこちらを見ているドラゴンの姿があった。5メートルを超す体に空色に翼。始めてみるドラゴンは弱りながらも美しくもたくましい姿がそこにあった。
「君はヤシャと一緒にいたけどもしかして力を貸してくれるドラゴンなのか?」
コウキはドラゴンの前に立つと話しかけていった。
『お前がヤシャの主か?』
突然頭の中に言葉が流れ込んできた。
「なんだ?どこから声がしたんだ?」
コウキがてんぱっているとリュディアがこっちに来てくれた。
「これコウキよ今のはこ奴の言葉じゃ普通モンスターに生態系があると思っておるのか?ドラゴンほどの知性と力を持つモンスターならば魔力によって語り掛けることが出来るのじゃ」
「なるほどなぁでは改めて俺はコウキクロサワこの島で暮らしているそしてあそこで眠っているヤシャとは仲良くさせてもらっているんだ」
『なるほどだいたい分かった。我が主とこの島の主殿であるな。先ほどはすまなかったかなりの魔力を前にもしも味方でなかった場合こちらも全力を出さなければいけないと思ったのだ。まぁ全力を出しても全く意味がなかったがな』
「確かに連絡手段がない事が今回起こった悲劇だもんな」
コウキは前々から問題となっていた遠距離の相手との連絡手段について悩んでいたわけだがそれが今回の悲劇につながってしまったのだ。そしてコウキはこの連絡できないままの状態でドラゴンという明らかな脅威を排除するために動いてしまったのだ。
「攻撃してしまったのは事故であり申し訳ないのだが無事で良かった。」
『先ほどの攻撃実見見事だった。我は空中では負け知らずだったのだ。地上の敵は愚か空中の敵には苦労したこともない。それがここ最近二回も負けてしまった。二回目は一瞬過ぎて我も訳が分からなかったのだ。世界はまだまだ広いのだな』
突然ドラゴンはしんみりとして語り出してしまったがまぁ敵意も無く何となく力を貸してくれそうだというのは分かった。
「とりあえず体力回復のためにも今日は休んでくれ。ヤシャも今日は安静にして貰うからそれでというか君の名前は何なんだ?」
『我は空の支配者スカイドラゴンである。まぁ支配者と言っても今自信を失っている所だがな』
「なんじゃドラゴンとはもっと傲慢な生き物だと思っていたのじゃがもっとみみっちい奴じゃのぅシャキッとせんか」
「スカイドラゴンって個体名だよねリュディアでいうアラクネみたいなものだよな」
「そうじゃな」
「種族名じゃなくてもっと個人的な名前はないのか?全員がスカイドラゴンでは呼びづらいじゃないか」
『そのような事を言われてもな我は今までこれで生きてきたこちらとしても特に不自由はないのでなヤシャもスカイドラゴンと呼んできおったぞ』
「んーそんなこと言ってもなこれから仲間が来るんだろ?」
『我らの群れの子竜15体がお供する予定であるぞ。すべての雄が出てしまっては雌が守れんからなそろそろ巣立つ時だと思って居ったしちょうどよいいい機会だと思っておる』
「そうなるとやっぱり名前が欲しいよな」
コウキはスカイドラゴンの名前を考えるために考えていった。ドラゴンの名前って有名な奴だと何がいたかな。神話の有名な竜と言えばヤマタノオロチ、ヒュドラ、サラマンダー、ヨルムンガンドとかかな。でもどれも目の前のドラゴンと見た目違うな。まぁ本物なんて見たことないし歴史とかで宗教関係の勉強をしたときにちらっと絵を見ただけだけどな。空色の竜というか初めて見た竜だしかっこいい名前を詰めてやりたいよな。
頭の中で神話のドラゴンの名前を羅列していったコウキは1つの名前でピンときた。
「バハムート、バハムートってかっこよくていいじゃないか!よし今日からお前はバハムートだ」
「ちょっと待てコウキよ名づけというのは簡単に行ってよいものでは」
リュディアが慌ててコウキを止めようとした時だった。目の前のスカイドラゴンがいきなり光出した。
「うわぁなんだよいきなり」
そのまぶしさにたまらず目を瞑ってしまう。それからどれだけ時間がたっただろうか光が収まった時ようやく目を開けたコウキは驚きで目を見開いた。目の前にいたのは先ほどまで話していた竜とは全く違った姿の竜がいたからである。
「手遅れじゃったか」
「一体何が起きたんだよどうなっているんだ」
「これはのぅ神格化したのじゃろうな」
リュディアは周りに聞こえないようにドラゴンのように魔力を通して説明をしてくれた。
『良く聞くのじゃコウキよ。わらわがここの守り神になってから神格化についていろいろと考えておった一体何が原因でなったのかとな。それで一つの結論にたどり着いたというわけじゃ』
『どういうことなんだ』
『最後まで話を聞くが良い。まず歴史上確認された神格化したモンスターについてじゃが良く語り継がれるのが獣神ヘラクレスの伝承じゃ。ヘラクレスはその昔ただの魔物だったそうじゃそれが神に選ばれて神格化すると新たな力を得て獣を束ねてその土地を一つにまとめたというそれが獣人の祖先でありヘラクレスがまとめ上げた獣が獣人に進化していったと言われておる。』
『それってネメアの国の神話?』
『まぁそうじゃな半分は正解じゃな』
『どういうことだ?』
『獣人の国は昔はそれは栄広大な土地を築いておったそうじゃ。元々大陸に住んでおってその身体能力と俊敏性から大陸移動において他を圧倒的に差をつけて征服していったと記録じゃ。しかし巨大になり過ぎた国というのは長くは続かん先代の王は優秀な男であったが後継者がいなかったのじゃ。そして王が死ぬと国が回らなくなり自然消滅的に国は消えていきネメアという島だけが残ったのじゃ。』
『なるほどなだから大陸のあちこちに獣人がいるんだな』
『それで今回の話なのじゃがおぬしは神によって作られたのじゃろ?』
『あぁそうだよ』
『ということはお主には神の力が流れておる。そのお前がモンスターを認め仲間のようにしてしまったら神に認められたことになる。そして認められたモンスターは神格化してあるいは守り神となってその場所を守り続けるというわけじゃ』
『じゃリュディアがこの島の守り神になったのもそういうことだったのか』
『そしてな普通島に守り神はだいたい一体じゃろ』
『まぁそんなにいても困るよな』
『しかし例外はある例えばじゃがおぬしが付けたバハムートというのはお主がいた世界では神獣のような存在だったのではないのか?』
『そうだねというかモンスターがこっちみたいに当たり前のようにいるわけじゃないんだ。だから例えばアラクネのリュディアだって神話に登場するしドラゴンなんてその代表的な存在だよ』
『なるほど話はまとまった。ソチのその強いイメージがわらわやあそこのドラゴンを神獣かさせてしまったのじゃろう。お主はイメージで魔力を操るからのぅ』
なるほど荒唐無稽な話ではあるがそれを言ってしまえばそもそもこの世界そのものがアウトになってしまう。そしてリュディアがそういう答えを導き出したのであればそういうことなのだろう。なるほどあの神ならばそういうこともあるのかもしれない。今頃上で突発イベント発生とか言って楽しんでいるに違いない。
読んでくれてありがとう




