11話
突然現れたアラクネは暴れ回り木々をなぎ倒しながらこちらに向かってきている。全長は5メートルほどあり少しでも攻撃に当たれば命はないだろう。
「動きがおかしいな」
「アラクネは毒耐性があるのよだからウムドレビ草を薄めてしまっては殺すことは出来ないんだわ」
「でも効いているようだぞ体が麻痺しているのか真っすぐ歩けていないな」
アラクネはスパイダークイーンが進化した個体で毒耐性があるのだが罠にしたことにより製造者の力と合わさって麻痺はしているのだろう。動きは鈍くなっており女性の顔はゆがんでいる。
「あれなら倒せるかもしれないステラは援護してくれないか」
「分かってるは行きましょ」
俺は槍を構えアラクネの前に飛び出した。
「あの毒はお前の仕業か!」
「こいつ言葉を話すのか‼いったいどれほどの強さになっているんだ」
「この巣はもう終わりだ静かに暮らしていたのにどうしてくれるんだ」
「そうかそれは残念だったな今逃げれば見逃してやるぞ」
「ふざけたことを死ね‼」
カマをかけてみたが失敗に終わってしまった。完全の状態だったら今の俺に勝ち目はないだろうが今はチャンスだ。何とか追い返さなければステラもいるし逃げ延びることは出来ないだろう。
「いくぞ」
俺は槍を構えて走りだす。槍を上段に構え叩きつけるようにして先制攻撃を仕掛けた。石の槍の先端ではアラクネの外殻は貫くことは出来ないだろう。上半身は通るだろうが槍が届かない。槍が右の前足を捉えるがはじかれてしまった。
「そんな脆弱な武器では私は倒せんぞさっさと死ね」
アラクネは二本の前脚を巧みに振り上げ叩きつけたり薙ぎ払ったりしている。一発でも当たると致命傷は避けられないだろう。上からの叩きつけは槍で弾いて攻撃を反らし薙ぎ払いは後ろに飛んでかわした。防戦一方になりつつあったが突然蔓が伸びアラクネの体に絡みついた。
「今よ長くは持たないは」
「ナイスだステラ!」
ステラが隙をついて魔法で動きを止めてくれた。すかさず槍を叩きつけて足を攻撃していった。
「この蔓は鬱陶しいなエルフか」
アラクネはステラの魔法に苛立ち狙いをステラに変えた。
「逃げろステラ狙われてるぞ」
しかしアラクネは後ろから糸を出し一瞬でステラを近くにあった木に貼り付けにした。
「きゃあああ」
「大丈夫かステラ」
「……」
呼びかけたが反応は無かった。急いで駆け寄ると気絶していたが息はあった。
「良かった死んではいないな」
「次はお前だ」
「クッソどうする」
ステラにこれ以上攻撃が当たってはいけないと思い距離をとる。その間に蔓を引きちぎりこっちに向かってきている。
「やるしかない」
気合を込めて槍を突き出す。前脚に当たり弾かれる。そして接近しては前脚で攻撃を繰り返している。俺は右に回り死角に入りながら攻撃していった。始めの内は適格に反転して攻撃をしてかけてきたが次第にアラクネの攻撃は避けなくても外れだし動きが鈍くなってきた。
「ん?動きが遅いなそうか麻痺が体を支えている足全体に効き出したな」
アラクネの体は全長5メートルあり毒耐性もあるため吸い込んでから8本もの足にいきわたるまで時間が掛かったのだろう。
「これしきの事でこのわらわが」
ついにアラクネは俺の動きに対応出来なくなり後ろに回り込むことが出来た。
「貰った」
俺は右の後ろ脚を思いっきり槍で叩きつけた。槍はかなりの勢いで振り下ろされる。全体がしなり勢いを増していた。槍が当たるとアラクネはよろめいた立て続けに右側の足を集中的に後ろから前に叩きつけていった。毒の効果と足へのダメージに耐えきれなくなったアラクネはとうとうバランスを崩し地面に倒れた。
すかさず頭部に槍を振り下ろすとアラクネは脳震盪を起こし気絶して動かなくなった。振り下ろした槍は真ん中から砕け散り使い物にならなくなった。
「はぁはぁ」
俺も立っていられず地面に座り込呼吸を整えた。
「倒せた死ぬかと思った」
全身はかわし切れずに負った傷だらけになっていた。しばらく座り込み休むとステラの元に向かい糸を切って解放した。
「おい大丈夫か!ステラ起きろ」
何度か呼びかけるとようやく目を覚ました。
「やったのねお疲れ様」
「あぁギリギリだったがな早く素材を取って帰ろう」
「えぇそうね」
その時気絶していたアラクネの意識が戻った。しかし体は思うように動かず固まっている。しかもよく見たらアラクネの回りに数匹の子蜘蛛が守るようにして集まっていた。
「まだ動くのかくっそ逃げろステラ!」
ナイフを構えアラクネの前に立つと子蜘蛛が散らばりこっちに向かって来ている。
「クッソここまでかなんとかステラだけでも」
すぐさま思考を巡らせ逃げ道を探すステラさえ逃げてくれればここで力尽きるまで戦うつもりだった。しかし
「とまれ‼わが子らよ止まるのじゃ」
アラクネの一声で子蜘蛛が一斉に動きを止めた。俺は今起きていることに戸惑い動けずにいた。
「何が起きたんだ」
「そなた名はなんと言うのじゃ」
「それは俺のことか」
「当たり前じゃ」
突然アラクネに話かけられびっくりして固まってしまう。警戒はしていていざとなれば動けるだろうがアラクネから敵意は感じ無かった。しばらくアラクネから呼びかけられていたが動けずにいるとアラクネは立ち上がりこっちへ向かってきた。目の前までくると座り込んでしまった。
「大丈夫か安心せいもう攻撃したりはしない」
「な...なぜださっきまで本気で殺そうとしていただろ」
「確かにそうじゃなしかしわらわは一回死んでおる。わらわは負けたのじゃすぐにトドメを刺されていたらすでにこの世にはおらん」
「しかし今なら簡単に殺せるだろ手下もいるじゃないかそれにトドメを刺さなかったのはステラを早く助けたかったからだ助けたらどうしていたか分からん」
「いずれにせよわらわはそちのエルフへの思いで助かったのじゃだからもう命は狙わんそれにわらわの子らは死んでおらんからな」
「なに?確かに毒は効いていたがなぜだ」
「後ろのエルフよこっちにこいそしていい加減名前を聞かせてくれ」
振り向くとステラは震えながら様子を伺っていた。
「おいで大丈夫だから」
ステラは無言で近づいてきて俺の背中に隠れるようにしれ座った。
「おれはコウキでこっちがステラだ。で?お前は」
「わらわか。名をリュディアという」
「リュディアかそれで俺たちはどうなるんだそれに子は死んでないってどういうことだ確かに生体には毒が効いていたぞ」
「あやつらはわらわの子ではないここで静かに暮らしていたらあいつらが突然やってきてな。回りに巣を作るし勝手にわらわを守り出すし正直いって鬱陶しかったのじゃ。そしてあやつらに毒耐性は無いから今頃は死んでおるであろうな」
「じゃなんであんなに起こっていたんだ」
「回りがあやつらの巣とはいえ元々はわらわの家じゃ。それに毒が効かないはずのわらわが麻痺しだしたなだぞ。見の危険を感じればそれを排除するのは当然であろう」
「確かに言われてみればそうだな」
「時になぜにあのようなことをしたのじゃ」
「それはな蜘蛛から取れる糸が欲しかったんだよ」
「なるほどなそれで巣の蜘蛛を一網打尽にしようとしたわけじゃな」
「それで?俺たちはどうすればいい?」
「なに簡単な話じゃそなたは糸が欲しいわらわは家があやつらの死体でとても住めん。そこで互いに強力をしようではないか」
「強力?どういうことだ」
「分からん奴じゃなわらわが糸を出してやろうだからわらわの新しい家をそちが作るのじゃ。ここまで来るのは遠いであろう安心せいそなたの家までついていくぞ」
「本気かよ大丈夫なのか」
「わらわは何の問題もないなんならわらわの気配と子らで危険な魔物は寄って来んぞ」
「ステラどう思う?」
「あそこの主人はコウキくんでしょ私は従うわよ」
「確かにアラクネの糸は魅力的だし気配のおかげで安全になるらしいからな悪い話じゃない」
「決まりじゃな死体は子らで運んでやろう安心せい」
こうして無事?に戦いはおわり糸とスパイダーギャングやグランドスパイダーの素材まで大量に手に入った。二人とアラクネは人なのか?蜘蛛達と共に拠点に帰ったのだった。




