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C’est la vie!!  作者: 日々桜香
第1章 君と出会い新たな世界が広がる
7/16

7

「最近さ、どこ行ってんの?」

 勝手に部屋に入ってきて、勝手にお茶を飲んで、ずかずかと人に質問をしてくる男はワイドだ。


「……最高の宝石を見つけたんだ」

「へー」とワイドは面白そうな顔をする。その顔がヴィーリオは面白くない。

「死ぬ前から手垢つけとくなんて、そんなにいい女なの?」


「男だ」

 ヴィーリオはなるだけ短く応える。彼が会話に飽きて、なるべく穏便に帰ってほしい。ヴィーリオの願いはそれだけだった。


「男ね……」

 ワイドは考えた後、軽い口調で「俺にも見せてよ」と言う。もちろんヴィーリオは嫌そうな顔をした。しかし、ワイドはそれを無視して「いつならいい?」なんてふざけたことを聞いてくる。


「いつでもダメだ。あれは俺のものだ」

「きゃーー!!大胆!!!」

 彼のふざけた口調は心底癪に触る。しかし、彼くらいの人気者を無碍に扱うこともできない。


「えー、余計興味が湧いてきちゃったな……」

 ワイドはテーブルに落ちた水滴を撫でながら応える。よく見ると、大きなハートを描いていた。


「くだらない……」

 ヴィーリオが言った後、ワイドはメチャクチャな笑顔になる。


「ちょっとこれから君のこと付けるね!」

 彼はそのまま笑顔で玄関まで向かう。


「そんなこと、本人に言うな!!!」


 ____________________


「ヴィーリオ、今日もなんか話聞かせてよ」

「もう話すことはない。手札は出し切った」

 ヴィーリオはセラの手をにぎにぎ握りながら答える。相変わらず、彼のことは殺せない。


「うーん。なんでかなー?」

「痣が偽物とか?」

「そんなことあるかよ……」

 けれど、セラの顔は大真面目で悲しそうだった。


「……なんか、家でうまくいってないのか?」

「まぁ、そういうとこ」

 今日の彼には、いつものような覇気がない。


「話したいなら、話してもいいぞ。俺は秘密は守るからな」

「うん」

 セラは一拍おいた。この幼い体で、一体何を背負っているのだろうか。


「母に、『なんでまだ生きてるのか』って、兄は『お前みたいなのがいても邪魔だから、早く死ね』って」

 話している間に、ポロポロとセラの透明な瞳からはこれまた透明な粒が溢れてくる。

「……俺が殺せないせいだ」


「いいよ。あんたのことは好きだ」

 セラは鼻水をグジュグジュに流しながら言う。泣いている時は普通の子供になれるのかもしれない。

「あー、俺も好きだ」

 ヴィーリオはローブを羽織ったまま、セラの頭をポンポンと撫でる。しかしやっぱり彼は死ななくて、やるせない気持ちになる。


「そうだ、お前俺の家に来るか?」

 口から出まかせだが、彼を逃したくはないし彼にこんな顔もさせたくなかった。

「いいの?」

 セラはキラキラと光る瞳でヴィーリオを見つめる。綺麗だと思った。何がかはわからない。けれど、そう感じたのだ。


「今日で死んだことにしよう。そして、これからは2人で暮らそう」

 我ながらいいアイディアだと思った。これなら、もう彼だけの宝石を脅かされることはない。


 その時だ。


「それはダメだよ」


 窓の方から、声が聞こえた。

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