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C’est la vie!!  作者: 日々桜香
第4章 花は君を愛で、君は私を愛でる
25/27

5

 ある晴れた日、ヴィーリオは庭をいじっていた。今年は試しに花を植えてみたのだ。とりどりと咲く花は心を笑わせる。ヴィーリオにだって、こんな気持ちがあるのだ。


「何この花?」

「植えたんだ」

 セラは後ろから抱きついてきた。ヴィーリオが振り向いた時、2人は「チュ」っと軽くキスをした。


「綺麗だろ?」

 なんてことないように会話を続ける。これが最近の2人の日常だった。

「Cette fleur est belle.」

「そうだな」


 しばらくじゃれあった後、ヴィーリオはいくつか花を抜き取った。

「何するの?」

「花冠」

 出来上がった花冠はセラの頭に乗せられた。


「似合わねーな」

「若い頃なら様になってたよ」

 はにかむセラの目尻には若干の皺が寄っている。


「今でも可愛いよ」

 ヴィーリオはセラのおでこに口付けた。

「ヴィーリオは変わらないね」

 セラもお返しに口付ける。


「……今日は先に風呂に入らせてくれ」

「一緒に入らないの?」

 顔を赤くしながらヴィーリオは頷いた。


 ______________


 長めのお風呂から出た後、ヴィーリオはやはり顔を赤くしていた。

「のぼせたんじゃない?」

「そうじゃないから、早く入ってこい」


 ヴィーリオに急かされて、セラはセカセカとお風呂に入る。お風呂から上がった後、ベッドルームでヴィーリオは待ち受けていた。ベッドの上には、薔薇の花びら。


「誕生日おめでとう、セラ」

「あぁ……」


 あまりの光景に、セラは言葉を失ってしまう。ヴィーリオはほとんど服を着ていなかった。それはつまり、そういうことだろう。


「……いいの?」

「いいからしてる」


 そのまま、2人はベッドに倒れ込んだ。子供がいたずらするみたいに服を脱いだ後、真剣なキスをする。


 この晩は、2人が一つになった初めての日だった。


 ____________



「おはよう」

「うぅん……」

 今日は、ヴィーリオの方が後に起きる。いつもは、何があってもセラが後に起きるのに。


「体、痛くない?」

「痛いに決まってんだろ」

 ヴィーリオは自分の、噛み跡だらけの体を見た。痛みの原因はそれだけじゃないが。


「今日は僕が運んであげるよ。全部僕がやる」

「当たり前だ」

 悪態をつきながら、セラの背中を見つめる。引っ掻き傷の残るそれは、恥ずかしくもあり頼もしくもある。その全ては、「愛おしい」という感情で完結するのだろう。


 セラは決して、「好きだ」とも、「愛している」とも言わない。けれど彼が自分のことをどう思っているかくらいはわかる。

 それに応えてよかった。この人生が、彼でいっぱいになるなら嬉しい。できれば、彼と一生一緒にいたい。けれど、それは叶わないことなのだ。だって、セラは人間でヴィーリオは死神なのだから。


 

 

 

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