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「セラ、お前さ誕生日っていつだ?」
「二月一日」
「今日じゃねーか!!」
セラは揶揄うようにヴィーリオを見つめた。その視線にヴィーリオはどきりとする。
「ケーキ作るか!」
「僕も!!」
2人は並んで台所に立った。ヴィーリオもセラも、ケーキの作り方なんて知らなかったが、ヴィーリオの勘はだいたい当たるのだ。
「お前が好きな料理は?」
「シチュー!」
「じゃあ、今日はシチューだ」
セラが野菜を切って、ヴィーリオが炒める。2人のコンビネーションは見事だった。
「何歳になるんだ?」
「うーん。13かな?」
「かなってなんだよ」
ヴィーリオが呆れたように言うと、セラの眉が下がる。
「仕方ないよ、誕生日なんてなかなか祝ってもらえなかったんだ」
「じゃ、じゃあ今日は、盛大に祝おう!!」
なんとかセラに元気になってほしい。彼に、君は特別なのだと伝えたい。
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「Joyeux anniversaire Joyeux anniversaire……」
「いいよ、そんなの歌わなくて」
ヴィーリオは三角の帽子を被って、部屋を暗くしながら歌った。しかし、これはセラには不評みたいだ。
「早く、火つけて!!」
「はい」
彼は言われたままに火をつける。そして、セラは「ふー」っと思いっきり息を吹いた。
「何お願いした?」
「ヴィーリオとずっと一緒にいたいって」
「俺もだよ」
言いながらセラの頭をクシャクシャに撫でる。セラは撫でられるのは好きみたいで、素直に身を任せた。
「僕、こうされるの好きだよ」
「なら、もっとしてやる」
2人は、床に倒れこんでもお互いを撫であっていた。だんだんと、手の位置は下に下がっていく。
「くすぐったいよ」
「そうか?」
ヴィーリオは調子に乗って、どんどんお腹を優しく触れた。
「ま、待って!」
「どうした?」
「なんでもない」と言い、セラは立ち上がり少し前傾姿勢で何処かに行ってしまった。
「……なんだあいつ」
暗い部屋に1人、大の字で寝そべる死神はすごく様になっている、と自分で思う。
(俺は、1人がお似合いってことかー?)
捻くれたことを考えながら、セラを待った。彼はなかなか帰ってこない。しばらくして、トイレから戻ってきた。彼からは若干、栗の花の香りがして、頬はやや上気している。なんだか態度もよそよそしい。
「1人で食べるところだったぞ」
「それはだめ!」
なんてことない態度で2人はケーキとシチューを食べた。
「世界一美味しい」
「俺が作ったからな!」
暗い中でも、2人っきりだから温かい。こんな日常は、いつまで続くのだろうか。




