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今日もヴィーリオは仕事に向かう。今日の仕事場は街中の工房だった。
「おじいさん、死なないでよ!」
鼻の長い、木の人形が床に倒れこんだおじいさんに声をかける。
「もう、わしも寿命じゃ。痣だって出てる」
2人のこのやりとりを見届けた後、ヴィーリオは工房の中に入った。
「し、死神……!」
木の人形は異常に反応する。
「お前なんか、僕が倒してやるんだぞ!」
人形の鼻が伸びた。彼はおじいさんに制され、口を閉じる。
「どうか、一思いにやってください」
ヴィーリオはおじいさんの手を優しく握った。すると、青い靄が出てきて、それを刈り取った後、宝石にする。
「もらうか?」
人形に声をかけた。彼はこくりと頷いたので、ヴィーリオは宝石を二つに割る。
「どうして全部くれないんだ!!」
「これは俺の取り分ってやつだ」
ヴィーリオがニヤリと笑うと、人形は顔をこちらに向けて彼を下から見上げた。
(睨んでるのか?)
きっと、人形だから表情を変えれないのだろう。けれど、仕草は一丁前に人間だ。
「なんでおじいさんが死んだんだ……!」
「……誰でも死期は決まってるさ」
また、人形の鼻が伸びた。
「僕の鼻は、嘘に反応して伸びるんだ!!!」
ヴィーリオは走って逃げた。このことが知られたらまずい。沈黙は金である。
「まて、このやろー!!」
必死に追いかけてきたが、なんとかまけた。久々に走ったので、肺が痛い。
「お疲れだねー」と、声をかけてきたのはワイドだ。
「僕がちょっと記憶消してくるよ」
彼は駆け出し、そのまま見えなくなった。
どうして、彼はそこまで自分の面倒を見てくれるのだろうか。ヴィーリオには思い当たることがなかったが、きっと、彼の生前のことが関係しているのだろう。
(仕事中は、喋らないようにするかー)
それが彼にできる精一杯であった。
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「ヴィーリオ、僕、料理してみたよ」
家に帰り、やや焦げ臭い匂いがすると思ったら、セラにそんなことを言われた。
「……出来は、期待しない。が、怪我するかもしれないから次はやるな」
ヴィーリオの返事にセラはしょんぼりした。
「出来は期待しない、けど食べてはみたい……」
セラの顔は輝いた。ヴィーリオはその顔に弱くて、もう、なんでもしてあげたくなる。
「はいどうぞ!」
「あーん」と差し出してくるのは、真っ黒な何か。口に含むと、やっぱり苦い。正直言って、不味い。
「どう?」
セラは期待した顔で問いかけてくる。
「まぁ、初めてならいい。次からは一緒につくろう」
最後の言葉を強調して言った。セラには意図がいまいち伝わっていないみたいで、飛び上がって喜んだ。
「毎日作るよ!」
「ダメだ、一緒にだ」




