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C’est la vie!!  作者: 日々桜香
第2章 暮らしと日々を君と
11/15

3

「おそいよ!ヴィーリオ!!」

 扉を開けるとすぐに、セラが駆け寄ってきた。こんなに暗いなか、待っているとはなんと健気なことだろうか。ヴィーリオは彼のことを見直した。


「夕飯作るから待っとけ」

 ぶっきらぼうに言って、一緒にキッチンまで歩く。セラはなんだかそわそわしている。気づいてもヴィーリオは知らないふりをした。きっと、何かいけないことでもしたのだろう。子供とはそういうものである。


「何作るの?」

「……シチュー?」

 ヴィーリオは料理なんてしたことがなかったが、見よう見まねでやってみる。野菜と肉を刻み、牛乳で煮込む。その後、味見をしつつ塩を足していき、ヴィーリオの料理第一号は完成した。


「わぁ、意外と様になってるじゃん!」

「食べてみろ」

 進めつつ、ヴィーリオも口に運ぶ。


「あ!美味しい!!」

「うん……」

 ヴィーリオにとってはまずまずだったが、セラは好みみたいだ。彼は嬉しそうにばくばく食べる。


「お前、ここにきてから元気になったよな」

「うーん?そうかも」


 ヴィーリオはセラのことを鋭い目つきで見つめた。このことで彼の考えがだんだんと真実に変わって行く感じがする。それは仕方のないことだ、ありふれたことだとはわかっていても胸が痛んでしまう。きっと自分はこの少年に深入りしすぎたのだ。


「明日も明後日も、ずっとこれが食べたい!」

「……うん」

「お前は俺に殺されるんだぞ」とは言えなかった。セラに同情してしまったのだ。もうすぐ死ぬ少年、家族仲のよくなかった少年、それでつながることはあるだろう。


「死神」は死を司ると言っても、神は神で人に同情するとは愚かなことだ。


 ヴィーリオはセラの手を握った。もちろん、ローブは羽織ったままで。それでもセラは死なない。


「……急に何?」

「今日の最後の仕事だ」

「本当に、いつになったら殺せるんだろうね?」

 彼はどうでもいいことみたいに言う。ヴィーリオはそれに苛立ってしまった。どうしても、彼が彼自身を軽んじることが許せないのだ。


「お前は俺の一番の宝石だ。もっと自信持て」

「そうだね。もう飾る場所決めてるくらいにはね」

 セラは悪びれることもなくウインクした。


「見たのか?」

「うん、綺麗だった」

「そうか、それならいいんだ」

 できるだけ穏やかに答えた。ヴィーリオは宝石を褒められることだけは嬉しかったのだ。苛立ちも、伝わらないようにした。これはヴィーリオのエゴだが、彼の前ではできるだけ優しい自分でいたいのだ。


 

 

 

  

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