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短編を投稿してみました!BLでは全くないですがお時間があるときにでも読んでいただけたら嬉しいです( *´꒳`* )
2人はケーキを食べた後、きちんと歯を磨いて一緒のベッドで眠った。一人暮らしで友達のいないヴィーリオの家は彼のベッド以外に眠れる場所なんてないのだ。
朝になった。大きな窓からは燦々と日差しが差し込む。小鳥の声が聞こえて、ヴィーリオは目を覚ました。
隣にいる少年はスヨスヨと寝息を立てながら寝ている。試しに、ヴィーリオがほっぺたをつつくと、「うぅん」と声をあげながら眉を寄せる。頭を撫でると、こちらに抱きついてくる。その反応はいかにも子供で、可愛らしいと感じてしまった。
感じてしまった後、急いでベッドから起き上がり水で顔を洗った。そうすると、頭も冴えると思ったからだ。けれど、心はそうでもなくて心臓がくすぐったい。
(なんだこの感覚は……!)
痣を探してもどこにもない。どうやら、自分は病気ではないらしい。
掻きむしりたい程胸がそわつくというのに、これが普通の感覚だなんて信じることはできない。とりあえず、紅茶を淹れて落ち着くことにした。気分転換で、今日は庭に植えている植物でハーブティーを作ることに決める。
庭でお茶になりそうな草をむしっていると、玄関が大きな音を立てて開き、背中に衝撃が伝わった。
「セラ……!」
「ヴィーリオ!!!」
ヴィーリオがめんどくさそうに名前を呼ぶと、彼は焦ったように名前を呼び返す。
「どうした?」
セラのただならぬ様子を察して、流石のヴィーリオも聞き返さずにはいられない。
「いや……なんでもない……」
セラは顔を赤らめてもじもじする。
「お前もお茶飲むか?」
「飲む!!!」
珍しく素直だ。朝の魔法だろうか。確かに、この光の下では嘘なんかつけなさそうだ。
2人はテーブルを囲んだ。そして朝食をとる。朝食はハーブティーとボソボソのパンのみ。もちろん、2人分のパンなんてないのでヴィーリオはセラが食べるのを眺めているだけ。
「今日、俺は仕事だから家にいろ」
「えぇー?」
「家にあるものは好きにしていい。外にはでるな」
「わかったよ」
食器を洗った後、ヴィーリオは家を後にした。
セラは暇なので家の中を歩き回ってみる。この家は広いが、部屋の数は少ない。大きなリビングと、その隣にこれまた大きなキッチンと寝室があるのみ。しかし、寝室の中にもう一つ扉があることをセラは知っていた。
『好きにしていい』そう言われたので彼は扉も開けてみる。
中には、とりどりの宝石がガラスに入れられて並んでいた。
「うわぁ」
思わず声が出た。だって、こんなにたくさんの宝石を見たことは今までなかったのだから。
端からひとつひとつ眺めていく。赤に青、オレンジに紫、まさにとりどりの光を放つ美しい石。宝石とはどうしてこうも人の心を惑わすのだろう。きっと、ヴィーリオが宝石を集める理由の一つは、このためだろう。彼はきっと、宝石に心を狂わせられたのだ。
真ん中の、一番目立つ場所は空いていた。おそらく、ここにはセラの宝石が入るのだろう。
そう思うとワクワクする。それと同時に胸も痛む。彼に忘れられないことは光栄だけど、できることならずっとそばにおいて欲しいのだ。




