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The Brides of Destiny - 運命の花嫁たち  作者: Telda Caladlimion
第二篇 The Long Detour - 急がば廻れ
23/26

真理の石・後編

 いよいよ、エルケンヴァール洞窟探しに着手する。

地図によれば、月光草の丘よりも少し東に戻り、更に丘陵を北へ。

ブナの中に褐色のオークの木が混ざる、谷間の山林を越えると、

ゴツゴツとした岩山が現れるという。

リュカたちはその指示の通りに、慎重に歩みを進めた。

そして感心するほどに記述通りの景色が通り過ぎて、

いよいよ岩山を見つける。

この岩山の南側から少し登った中腹、ここに洞窟が口を開いていた。



「これがエルケンヴァールの洞窟で、間違いなさそうだ」

そう言ってリュカは、入口脇に積まれた石を指さした。

「これが目印らしい。地図にそう書いてあるね」

「なるほどな、こうすれば次来た時に分かりやすいな」

エドワードは旅人の知恵に、大いに感心した様子だった。

そしていよいよ、洞窟の中へとリュカが一歩踏み出すと、

エドワードがそれを止めた。


「待ってくれ、リュカ。試したいことがあるんだよ」

そう言うとエドワードは魔導書を取り出して、

目当てのページをめくる。

そしてそれを確認するように目を通すと、本を閉じた。

そしておもむろに、少し長い呪文を静かに唱える。


“Nos abscondimur, a sensibus hostium evadamus,

in umbris latitemus...”


「今のは?」

そう聞かれたエドワードは、自慢げに答えた。

「聞いて驚くなよ、リュカ。これはな、『ラテリス』だ。隠密魔法だよ。これで俺たちの気配も、バレにくくなってるはずだぜ!」


「本当に……?」

「実感は、特にありませんね……」

「この魔法は、検証が必要でしょうな」

三人に信じてもらえず、エドワードは不満げに頬を膨らませた。

「信じてないな!? 行けば分かるさ!」

そう言って、一人どんどんと中へ進んでいってしまう。


「ちょ、ちょっと一人で行くと危ないぞ!」

そして三人も慌ててエドワードの後を追いかけた。



 中は思いのほか明るかった。

洞壁には至る所に苔が生えていて、それは微かに光を放っている。

それにより薄っすらながらも、洞窟の中を照らしてくれていた。


「なあ、リュカ。これだけ明るかったら、いっそのこと、松明要らないんじゃないか? 消してみようぜ。それに松明なんて照らしてたら、俺の隠密魔法の効果が出てるか、分からなくなりそうだしさ」

「仕方ないな」

そう言ってリュカは松明を消火した。

しかしエドワードの言う通り、洞窟内は十分に明るい。

そして暗さに目が慣れていくほどに、苔の光には眩しさすら感じた。



 エドワードの魔法が効いているのか、コウモリの羽の丸っこい生き物が、

少し向こうをパタパタと飛びながら、先頭のリュカを素通りしていく。

その顔は人面といった様子で、ニコニコとした表情を浮かべて見える。

そして目がクリクリとして大きく、とても可愛らしい。

「まあ」

「駄目だって、ローラ」

「ご、ごめんなさい。つい……」

ローラが思わず撫でに行こうとするのを、咄嗟にエドワードが止めた。

そして気を取り直して、一行はより慎重に洞窟を進んでいった。



 暫く洞窟を進むと、少し広い空間へと出る。

そこには細長い翡翠色の透明な晶石が天井から垂れ下がっていた。

「もしかして、これかな?」

取り敢えずリュカは、その晶石の付け根を剣の柄頭で叩き、

それを割って採取した。

そして更に進むと今度は、真紅の結晶石が地面から突き出ていた。

これも同じようにして採取する。


「何度も隅々まで探して、それで見つからなかったのに、やっぱりこんなに簡単には、見つかるはずがないよね」

「“真実を見極める者だけが、それを見つけることが出来る”と、コンラートさんは仰っておられました。それらしい何かがない限り、見つけたとは考えにくいですわ」

「石だって結構重いから、採取したもの全部は持って帰れないぞ?」

「余り奥に進むのも、迷う危険が増しましょうぞ」

そう思い思いに話し合うリュカたち。

しかしそんな時、奥から何かがゆっくりと歩いて近づいて来る。


人よりも一回り大きな二足歩行の生物。

しかし茶褐色の体毛に全身を覆われていて、さながら獣人と言った姿。

そしてその顔の中央には、とても大きな一つ目の瞳が見開いていた。



 一つ目の獣人は、リュカたちの少し遠くで立ち止まる。

そして忙しない様子で辺りを見回し始めた。

その瞳が光を放つ。そして視線の先を煌々と照らしている。


リュカたちは息を潜め、そして身をかがめた。

しかしその瞳の照らす先が、次第に彼らの場所へと近づく。

ついには、その光によってリュカたちは照らし出されてしまう。

そしてその刹那、一つ目獣人は更に大きく目を見開いて、

そのままこちらを凝視し始めた。


静寂の中に、剣の柄を握り込む音が微かに聞こえる。

誰かが深く唾を飲み込んだ。

そして獣人はゆっくりと、一歩一歩近づいて来る。


しかしリュカは、その姿に不思議な感覚を覚えた。

バリアンとの出会いの時に、更に古くは、リオラの時にも感じた、

なんとも懐かしい、心が少し暖まるような、そんな感覚だった。

遠いリュカの記憶の中にある、母マリアの腕に抱かれる時の安らぎ。

それとどことなく似ていた。


「こうなったら、やるしか…」

柄を強く握り、剣を鞘から抜こうとするエドワード。

「待って…」

しかし彼の手を押さえて、リュカはその抜剣を制止する。

「お、おい…」

そして呆気にとられるエドワードたちをその場に残して、

リュカ自身もゆっくりと、一歩ずつ獣人に近づいていった。


リュカが近づくと、獣人の瞳の発光が弱まった。

そして目を細めながら、それはリュカを見続けた。

リュカはゆっくりと、その手を伸ばす。

すると獣人も目を閉じて身を屈め、その手に自らの頬を預けた。

リュカが更に頭を撫でると、彼に優しく体をこすり付け始めた。



 暫くして、エドワードたちも何となく状況を飲み込み、

そしてリュカたちの所へとやって来た。

「懐いちゃったみたいだな、リュカ」

「そうだね」

エドワードに、リュカが笑顔で答えた。

「思い出して御座る。その者は、『シーキングアイ』。どれだけ巧妙に身を隠そうとも、それを即座に看破する。そう伝え聞く魔物に御座ったが……。如何にも、その由に御座るな」

ウゥゥゥゥルル

そう鳴いてシーキングアイは喉を鳴らす。

「よく見たら、目もパッチリとしていて、可愛らしいお顔ですわね」

ローラに褒められて、そしてその獣人は嬉しそうに照れた。



「シーキングアイは、隠れたものを見つける名人。そうなんだよね、バリアン?」

リュカがバリアンに尋ねた。

「如何にも。先ほど我らの隠密を看破し申した。この者には然様な異能がある。そう存じ奉る」

そしてエドワードが少し得意げに発言した。

「俺にも分かったぞ、リュカ。こいつなら、その『真理の石』ってのを、見つけられるんじゃないか。

そう考えているんだろう?」

「うん。そんな気がする……」


そしてリュカはシーキングアイの一つ目を見つめる。

「どうかな? 真理の石がどこにあるのか、見つけてくれないかな?」

すると獣人はコクリと頷く。

そして喉を鳴らしながら、楽しそうに肩を揺らして歩き始めた。


「お、探してくれるのか!?」

「急いでついて行かないと!」

そう言ってエドワードとローラが追いかける。

そしてリュカとバリアンもそれに続いた。



 洞窟の奥へと進むと、少し開けた鍾乳洞に出た。

そこには光る苔が疎らで、これまでの場所よりも暗い。

しかしシーキングアイの瞳から発せられる光で、なんとか足元は見ることが出来た。

そして獣人はその鍾乳洞の中程で立ち止まる。

静寂に包まれ、どこからか滴る水音だけがこだました。


「どうした? あったのか?」

エドワードがそう聞くと、獣人はまた辺りを見回し始め、

あちらこちらを眩い光で照らし始めた。

するとそれは、岩壁の一箇所で止まる。

そしてそのまま、その場所を煌々と照らし続けた。



 そこは特には何もない、ただの岩肌といった場所だった。

「何もないぞ?」

「何でしょう……?」

「某にも、何も見えませぬ」

三人はただただ、困惑した。

しかしリュカには、何かがそこにあるように感じられた。

その直感に従って、リュカはその岩肌へと近づく。

そしてその場所にそっと触れてみた。すると――


薄っすらと半透明に、しかし徐々に徐々にくっきりと、

乳白色の美しい石の塊が、岩肌から突き出ている姿が現れる。


「綺麗な石だね……」

リュカがそう言うやいなや、他の三人にも見えるようになった。

「い、石が、いきなり現れたぞ!」

「まあ! なんと!」

「まっこと、驚き入り申した……」


「きっとこれだよ、『真理の石』は!」

リュカは慎重に、剣の柄頭で丁寧に叩いて、石を割って取り出す。

そしてそれを手のひらに乗せた。

「真っ白で、綺麗ですわ……」

ローラもその美しさに見惚れてしまった。

「これを取り敢えず、持って帰ってみようぜ! コンラートさん、ビックリするんじゃないか?」

エドワードは、そう無邪気に笑った。



 洞窟から外に出ると、辺りはすっかりと日も落ちていて、夕暮れ時を迎えていた。

洞窟を出たすぐの場所に窪んだ岩肌を見つけたので、そこを今晩の野営地とした。

そしてほどなく夜の静寂があたりを包み、

四人と、そして毛むくじゃらの新しい仲間は焚き火を囲む。



「リュカ、こいつの名前だけどさ。今度こそ格好いいの付けてやろうぜ!

流石にお前は、自分で名乗らないよな?」

そう言ってエドワードはキョトンとする獣人を覗き込んだ。

そして続ける。

「こいつは闇の中から颯爽と現れた。だからやっぱり、『シャドウ』がいいと、俺は思うんだ! じゃなかったら、目が光り輝いて暗闇を照らす。これはまさに、『ブレイズ』だと思うぜ!!」


「君は、どれがいいの?」

リュカは獣人に尋ねた。すると獣人は首を横に振る。

「うーん……。なんか、違うみたいだね……」

「そうか……」



 そしてローラがふと口にする。

「それでは、『マイロ』はいかがでしょうか?」

獣人はそれを聞いて、目を見開いた。

「この子は強そうで、それでいて優しい。そんな子ですわ。だから『マイロ』という名が似合う。そう思いましたの」

「マイロか……。いいじゃないか、ローラ!」


ウゥゥゥルル!

そして獣人が嬉しそうに喉を鳴らす。

「君も気に入ったみたいだね。じゃあ君は、マイロだ! よろしくね、マイロ!」

リュカが撫でると、マイロは立ち上がり、そして踊りだした。


月明かりの下、焚き火を囲み、リュカたちはマイロとともに、

こうして楽しい夜を過ごしたのだった。



 翌朝早く、リュカたちは帰途に就く。

それは来た時よりも順調な旅路で、ツァウベルハイムまで三日だった。

マイロをバリアンに託して外周の森に待たせて、一行は街へと入る。

既に日が沈みかけていたが、急いでコンラートの家へと向かった。



「おお、そなたらか。そろそろ戻るかと思い、待っていたぞ」

コンラートに歓迎され、リュカたちは屋敷の中へと通される。

そして入手したものを順々に並べて、彼に確認してもらう。


「ステルシープの羊毛、それに月光草。確かに、間違いない」

そして次に鉱石類を見せていった。


「この緑色と赤い石は、特に難なく見つけました。だから、多分『真理の石』ではないと思います。

しかしこれは……」

リュカがあの乳白色の石を取り出す。

「マイロ、シーキングアイという魔物に探してもらって、それで見つけました。最初は見ることも出来なかった石です。もしかしたら、これではないでしょうか?」


その説明にコンラートが大変興味を示し、リュカはその詳細を全て話して聞かせた。

「是非その、マイロ君に会ってみたいのだが。連れ帰ってきたのかね?」

「はい。街の中に入れるわけにはいかなかったので、外の森に待ってもらっています」

「是非、ここに来てもらいたい!」



 コンラートに懇願され、リュカたちは彼も一緒に街の外へ。

辺りはすっかりと日が暮れていた。

そして森にて、マイロやバリアンと合流する。


「さあこの子を早く、家に連れてゆこう」

「ちょっと待ってくれよ。流石に門番に止められるんじゃないか?」

エドワードが焦ってコンラートを止める。

「いや、任せなさい」

しかしそう言ってコンラートは歩き始めてしまった。

仕方なく皆はコンラートの後を追った。



「日が暮れてるから、魔物なんて連れてたら余計警戒されるぞ?」

「マイロちゃんが傷つけられたりしないか、心配ですわ」

エドワードとローラの心配をよそに、コンラートは皆を集める。

「ささ、皆私に近寄りなさい」

そう言ってから、彼は門番の方を向いて、静かに呪文を唱えた。


“Nos abscondimur, oculi hostium fallantur,

invisibiles simus...”


「今のは何ですか?」

「これは『ファンテリス』。透過幻惑の魔法だ。隠密魔法と幻惑魔法、その複合魔法といったところだな」

リュカの問いに、コンラートは静かに答えた。

「さあ、静かに。さすれば門番には我らの姿が見えない」


リュカたちはコンラートを信じ、忍び足で門をくぐる。

すると本当に、門番は彼らが見えていないかのように、

一切の注意を払うことはなかった。



「凄いな、さっきの魔法!」

コンラートの家に戻っても、興奮冷めやらぬ様子のエドワード。

「隠密魔法なら、洞窟に入る時に使えたんだ。もしかしたら今の魔法、俺も使えるのかな?」

「幻惑魔法との相性もあれば使えるやも、しれないね。これは私が編み出した魔法ゆえ、魔導書には載っていない。だから後で使い方を教えてあげよう」



 そしてコンラートはマイロを眺めながら、何やら考え始める。

それからひとしきりした後、リュカにこう頼んだ。

「リュカ君。マイロ君をここに暫く、預けてはもらえないだろうか?」

「ええと、それはつまり……?」

「見つけた石こそ、恐らくは『真理の石』であろう。しかしそれ以上に、この子こそが古代魔法の再現には、必要不可欠ではないかと、私は思うのだ。そう時間はかからない。だから頼みたい。

マイロ君を、私に預けて欲しい!」


「マイロ、君はどうしたい?」

そう言ってリュカがマイロに視線を送ると、

マイロは賛同するように喉を鳴らした。

「分かりました。この子をしばらくの間、よろしくお願いします」

「ありがとう……」

こうしてマイロは、コンラートの屋敷に留まることとなった。



 辺りはすっかり暗く、リュカたちは急いで宿へと帰った。

報酬などは、明日改めてとなった。

そして空いていた個室を借りて、食堂で久しぶりの温かい食事を取り、

そして快適な眠りを楽しんだ。



 疲れもあって、少しだけ寝過ごしたリュカたち。

そして遅い朝食を取ると、まずはギルドへと報告に戻った。


「おお! 暫く見ない間に、また少し逞しくなったんじゃないか?」

リュカたちが扉をくぐると、受付のオットーから歓迎を受けた。

「そうだろう? 本当に大変だったんだぜ! 襲い来る魔物をバッサバッサ、斬り倒したり」

「エドワード、それは大げさだよ。蟻を数匹倒しただけなのに」

「似たようなもんだろう!」


 そしてリュカは、コンラートからの依頼を達成した事を報告した。

「先方からも連絡は来ているよ。本当に、やるじゃないか。多くのベテラン連中が匙を投げたこの依頼を、新人のお前さんたちがやってのけるなんてな。いや、もう”新人”なんて呼べないな。お前たちは”一人前”だ。この俺が、自信を持ってその太鼓判を押すよ!」



そしてオットーと別れて、リュカたちはコンラートの屋敷を訪れた。

「マイロ、いい子にしてたかな?」

リュカと会えて、マイロは嬉しそうに喉を鳴らした。


そしてコンラートは、リュカにソル金貨を三枚も支払った。

「こんなに!?」

リュカが飛び跳ねるように驚くが、コンラートが笑う。

「君たちはそれだけの仕事をした。遠慮せず受け取ってほしい」



 コンラートは更に、一枚の紙をエドワードに手渡す。

「これがファンテリスの魔法に関するものだ。よくよく読んで、試してみなさい。それにあの、魔導入門書。あれは君たちに、正式に差し上げよう」

「いいのか!?」

「うむ。今後の旅に、大いに役立てて欲しい」


リュカたちはコンラートに何度もお礼を伝え、

そしてコンラートもまた、リュカたちに同じだけ謝意を伝えた。

そしてマイロのことをよくよく頼んで、リュカたちは屋敷を離れた。



「さて、これで旅の資金は十分だな。いよいよ、サンセルモか!」

興奮気味に目を輝かすエドワード。しかしそれはリュカも同じだった。

そして何を買い揃えるかを、楽しそうに三人は相談し合った。


「装備も出来うる限り、良いものにしたいね」

「エドワードさんの防具も、もっと良いものに変えないと」

「うう……ありがとう、ローラ」

「いつも無理に突っ込んでしまわれるので、気が気ではありません」

「……なんか、ごめん……」



 こうして市場をリュカたちは訪れる。

真理の石とは関係のなかった鉱石類を、まずは売り払う。

それらは全部で合わせて、2ルナで売れた。



 そして前回シエラ・ブエナでの反省を踏まえ、先に書籍商の店へ。

ツァウベルハイムからサンセルモ、更には港のその周辺も含む、

中級程度の地図を購入した。今度は新品だった。

店には珍しそうな魔導書も並んでいたが、高すぎるので諦めた。

そして旅の基礎知識が書かれた本を、書棚の片隅で見つける。

しかし思いのほか高価ではなく、有用さを考えてそれも購入した。



 次に食料を二週間分、乾パンやチーズ、干し肉といった、

いつもの定番の品々を購入する。

包帯や消毒の酒を補充し、布やロープ、そして水袋も買い足した。

そしていつ履き潰してもいいように、新しい靴も予備に買った。



 いよいよ防具屋へ。武器は相変わらず高すぎたので諦めた。

これまで使ってきたリュカたちの革の胸当てなどを売却して、

それよりも少し良いものに交換した。

そしてエドワードには、いま着ているギャンベゾン鎧の下に着ける、

衝撃を和らげるための布製の鎧下を購入。

今持っている盾も売却して、縁が金属で補強されたものに交換。

そしてローラには、ローブの下に着られるものとして、

薄手のソフトレザーの袖無し胴衣を購入し、少しながらも守りを固めた。



 これまでの経験を活かして、満足の行く買い物をしたリュカたち。

こうして銀貨数枚を温存しながら、次の旅のための準備を完了した。

その日は三人部屋を借りて、少しだけ良い食事をして、

旅立ちのための英気を十分に養った。

そしていよいよ明日、サンセルモの港を目指して出発する。


毎週金曜日、20時20分更新

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