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TRUE HUMAN   作者: 森野熊参
来訪者編
27/133

第27話 スサノオの帰還

 「まさかこんなことができるとはネ!!」

「そこら辺の芸人より面白かったわ」

「本当にその通り。お前らM1出た方がいい」

時刻は四時二十分を少し回ったところでスサノオはここに姿を現さなかったことから、ヘラクレスの評価を待つのみとなった。


「久しぶりにこんな笑ったわ。お前ら最高」


「ってことはアジト破壊も大戦争も免除でいいってことですか…?」


「あぁ!もちろん!楽しませてくれて感謝な」


懸念が完全に払拭され、三人は固いハイタッチをしたあとプロ野球選手のホームランパフォーマンスを模した。アジト破壊と大戦争とはなんだと璃久瑛から問われると、ネタは終わっているはずだが二人からは『まぁまぁ』とあしらわれる。


「おい誰だ。玄関に変な仕掛け用意した奴は。邪魔だったからもう端に寄せたからな。って、ヘラクレスいんじゃん。そんで知らない奴もいんじゃん。さては仕掛け人はお前らどちらかだな??」


「我がやったんだよ。スサ、久しぶりだな!」


軽いノリで危険な見た目のヘラクレスにスサノオが近づいてくる。顔見知りとは言え何故こんな危ない見た目をしている者に近づくことができるのか、漫才をしたトリオに疑問が浮かんだ。


「やっぱりお前か。ここに来たってことは何か用があるってことだな?」


「あぁ、ヴィンからの伝言を頼まれた」


その人物の名前を聞いた瞬間スサノオの表情が強張る。ヘラクレスもそれを見越してか、その表情を受け止め少し緊張気味に口を開いた。


「『お前には悪いが、愚者ぐしゃなる僕は、信じる方向へ進む』だってよ」


「ヴィンの野郎、やっぱり変わらないのかぁ」珍しく落ち込んだ表情を見せ、大きな溜息を吐いた。リビングの椅子に腰を下ろすと背もたれに寄りかかる。


「お前が1番わかっていたはずだろ??あやつは意思をなかなか曲げない、ひねくれ者だってことを」

「そうだな。ま、ひねくれてるというか、素直なんだよ。あいつは。お前はどうするんだよ」

「我はヴィンについていく。あやつにゃ大きすぎる借りがあるからな」

「なら、オレ等敵同士だな」

「あぁ。いつか手合わせの時が来たら容赦はせんぞ?」

「阿呆戯け。当たり前だろ。そん時は簡単に殺されてくれるなよ」


物騒な会話というのに、砕けた笑みを向け合っている。この光景に優気と怜真は言葉を失うも、先程から話の全容が見えない璃久瑛は「このイタイ人たちは何なんだ」と首を傾げる。


ヘラクレスは納得したスサノオを見て立ち上がり、大きな武装右腕を振り、優気たちを笑顔を見せる。


「最高の時間をありがとうな!日本の文化に倣えば…今度は我が何かお返しをしないとな!またどっかで漫才披露してくれ!」


「ま、またいつかどこかで会いましょう」

「今日はありがとうございました」

「誰かわからないけど、さ、サンキュー」

満足げに感謝を伝えるとベランダから異常な跳躍力で姿を消した。有り得ない現象を目の前に優気たち船堀高校組は言葉を失う。


 璃久瑛の立場にとっては何が何だかわからない状況が続き、帰ってさっさと録画したアニメを視たいと切に感じていた。


「で、お前は誰だ」

花脇はなわき璃久瑛と申します。よ、よろしくお願いします」

「りくあ、か…なんだか堅そうな奴だな」

「いいえ、ただの建前です」

「それ言ったら建前じゃないだろ!!」


正直な回答に思わずツッコんでしまう優気だったが、先程漫才を見ていた者らからするとお笑い番組の現場のように感じてしまう。


「僕らの友達です。ヘラクレスさんのご機嫌取らなきゃいけなくて、やむを得ず呼びました」

「ほほう。どんなことしたんだ??」

「漫才をしました。終始喜んでいて良かったですけど、もしつまらなかったらこの家ぶっ壊されて、向こうの陣営の使者たちと全面戦争してました」

「んったく、ヘラクレスの戯けはとんでもねぇこと宣言してたんだな」

「一時はどうなるかと…無事に楽しんでくれて、首の皮繋がりました…」

「良くやったなぁ~お前ら。本当に感謝だわ」


優気の証言に璃久瑛が驚きを浮かべはしゃぎ始めるも再びスルーを貫く。


「っというか漫才なんて、そんなことできたのか!!じゃあもっかいやってくれよ」

スサノオの依頼に対して璃久瑛は小さく反対の意を呟くが、それを代弁するかのように優気と怜真は申し訳なさげに断りを入れる。


「いやぁそれは難しいですね。気持ちの持って行き方ってのがどうしてもあるので」

「それほどこの舞台に気持ちを委ねてました。すみません」

「凄い本格的なこと言うな」

「お前らプロフェッショナル出た方がいいぞ」

「そうだヨ!!推薦希望ネ!!」

「そっかぁ。じゃあ今後の楽しみにしておくわ!!」


最後に前向きな発言を聞くことができ璃久瑛のことも気に入った様子だったため、優気と怜真は肩の力が抜けていった。


「おい、知らない者がいるがどういうことだ」


そう言い放ち、リビングに姿を現したのはジャンジャンであった。家にいた者全員がその場で正座させられた。機密に活動している集団の中、簡単によそ者を入れる行為に危険性を感じないのかと正論を突き付けられ、厳しく指導を受ける羽目となってしまった。


理由を述べジャンジャンが納得まで正座が解除されず、説教が終わって立ち上がるのに和道部の怜真と超人のスサノオ以外は五分以上時間を要した。

ポイントがあると多くの人に読んでもらえるとのことらしいので、面白いと思った方や少しでも続きが気になる方は是非評価をよろしくお願いいたします!m(__)m

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