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TRUE HUMAN   作者: 森野熊参
来訪者編
26/133

第26話 コンビニ強盗

 「ちょ、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?なんだここ!!空き教室が家の中になったんだけど!?」


大声ではしゃぐのは優気(ゆうき)怜真(れいま)の親友である璃久瑛(りくあ)だった。困惑しつつも興奮する気持ちは優気と怜真にもわからなくもないが、今の状況でこの気分を相手にするのには正直鬱陶しさを感じてしまう。


「ちょっと待って、なんかすげぇ武装してるイタイ奴がいるんだけど。まさか厨二病か??」


「それはお前だろ!」

切羽詰まる状態ということもあり、優気は勢いよく璃久瑛の頭を引っぱたく。その光景と反し、「璃久瑛」と怜真は呼びかけた。


「後で説明するからマジで静かにしろ」

殺される可能性を噛みしめ、怜真は厳しめに注意する。雰囲気で言うなればこのまま怜真に殺される空気感だった。


「お前はもっとイタイからそんなこと言う資格絶対無い」

優気は怜真の葛藤のタネを摘むように、和やかに現実を突きつける。


 改めて優気、怜真、璃久瑛の三人で打ち合わせをし始めた。璃久瑛に一から説明すると時間が無くなるため、ヘラクレスを笑わせなきゃならないという旨だけを伝え、準備を整える。

 「ジュース!!ワン!」「ツー!!」「スリー!!」とどこかで聞いたことがあるかもしれないが何故か馴染みのある変わった円陣を組んで士気を向上させる。怜真が予め用意していたBGMを鳴らしながら三人はヘラクレスと外国人三人の前に移動した。


 「どうも、川堀(かわほり)です」「神崎(かみさき)です」「花脇(はなわき)です」よろしくお願いします、と軽くお辞儀をする。


三人が始めたのは漫才で、昨年の文化祭で披露し、かなり好評だったため、日本のお笑い文化を体験させて楽しませるという案に決まったのだ。コンビは文化祭のためだけに作り、無経験ということを説明しつつネタが始まった。


「ちょっとベタなんだけどさ、コンビニ強盗をやってみたいなって思ってさ」


「本当にベタだなぁ~ちょっとは捻ってこうよ」


「いやどうしてもやりたいのよ。ねぇお~ね~が~い~」

「ダメと言ったらダメなの!」


要求がなかなか通らない怜真は泣き叫び、優気の袖を力いっぱい引っ張った。何故そんなに否定するのかが理解できないため、璃久瑛は訝しげな表情を浮かべる。


「だから、今日はダメって言ってるでしょ!!もう帰るわよ」

「待ってよぉ~」

「お前らイヤイヤ期の子と親かよ!!」思わず指をさしながら大きな声で指摘する。


「冗談はさておき、今3人いるけどどういう感じのをやりたいの??」


「そうだなぁ。俺が強盗役やりたいから、他は店員と警察とかやってほしいな」


「じゃあ俺は店員やるわ」


「じゃあ俺は『1番くじを引きに来ただけなのに何故か主人公ムーブをしてしまうキモい人』役するわ」

「ごめん話聞いてた??」

「まぁまぁ」「まぁまぁ」「まぁまぁじゃないよ!!それで務まるならいいけど」

「務まるから。さっさとやろうぜ」


本当かな、と不安を吐露しながら怜真と璃久瑛は距離を置き、優気がレジの前に立つ店員役を演じ始める。そこに強盗役の怜真が近づき刃物を突き立てた様子で脅し始めた。


「強盗だ。今すぐ金を出せ」

「強盗??お客様正気ですか??」

「正気だよ。早く金を出せ」

「噓おっしゃらないでくださいよ」


全く相手にしない店員に対して驚いた様子で強盗が店員を睨むが、それをも全く動じないことに若干の焦りを感じる。


「ここ5年間、この国からコンビニ強盗なんぞ1回も出ておりません。治安は徐々に悪化していますがなぜでしょうか?それはセキュリティ対策のレベルが高くしようにもできないからです。大体その包丁も本物じゃないんでしょ??」

「本物だ!!」

「証明できませんよね??」

「どんだけ強気なんだこの店員」


どうしても信じない店員にたじろいでしまう強盗は、渋々自身の刃先を指先にちょこんと当て薄っすらと出血し始めた指を見せつけた。


「ほら見ろ!本物の包丁だ!」

「うわぁ!巨人化だ!!」

「しねぇよ!!早く金を出せ!!」

「何円ですか?」

「全額だ!!逆にそれ以外ねぇだろ!!」

「少し厳しいですね…」

「少しってなんだよ。普通に無理であれよ」

危険な状況なのにもかかわらず冷静に対処する店員に乗じて強盗も冷静に対応する。


「ほら、もうそろそろ警察が来る頃ですよ。ほら、外のセキュリティランプが…付いて…ない」


強きに盗人をからかい続けていた店員だったが、自慢のセキュリティが機能していないことに気付き途端に震撼し始めた。


ことの重大さに恐怖することはわかるが、その気持ちが気持ち悪い動きに表れており、腐りかけた鳥レバーのような顔色にオーバーなリアクションや謎のダンスを行い畏怖という感情を再現していた。


「さっきから何なんだその気持ち悪い動きは!ともかく、セキュリティは機能してなかったようだな」

「はぁ、はぁ、は、どう…しよ」

「あぅ、あんのぉ」


すると助け舟とは言い難いが、とても姿勢が悪く、落ち着きのないキモい者が強盗の前に立ち塞がった。キモい者の顔の前、空中に映し出された画面には先程の強盗が店員を脅している姿が撮影されていた。


「さっきの脅迫動画撮っていたんだぉ。もう警察に連絡したんだぉ。ちなみにこれは生配信中なんだぉ」

気味の悪い低音ボイスで最初は何を言っているのかわからなかったが、それを理解した時、強盗が慌て始めた。


「もwもうw強盗さんww終わりなんだぉ。ふぇふぇふぇふぇふぇふぇ」

「気持ちわりぃ笑い方だな。過呼吸になるぞ」

「か、ぁ、かはぁ」

「本気に過呼吸になってんじゃねぇか!大丈夫なのかお前」


そう心配した後、警察に連行されるやり取りを怜真一人が上手く表現すると一連の流れが終わった。再び三人が中央に集まり始め、少し間を開け息を吸う。


「ありえないな。これはありえない」

「確かにこれはありえないな」

「あぁ、ありえないな。というか、最後強盗と警察の2役は重いな」

「さすがに重すぎたな」

「1人で全部完結させたからな」


 優気は次のセリフに行く前にヘラクレスの反応をちらりと伺うと、体が前のめりになって笑顔を浮かべていたため、興味を引けている様子と判断できた。気を抜かぬようもう一度気を引き締めてネタを続ける。


「じゃあさ、今度俺は警察役やるわ」優気は小さく手を挙げながら提案した。


「いいね。じゃあ強盗役やるから、お前は店員で全体の動きを勉強して」理解に苦しむ表情をした怜真に璃久瑛が詳しく説明をする。


「いいか?強盗役をやりたいのはいいが、成りきれてないんだよ。強盗に大事なのは恐怖を与える威圧感だ」


「まるで本物の強盗みたいなアドバイスするなぁ…じゃあ、間近で勉強させてもらうわ」


再びそれぞれが持ち場に移動する。警察役の優気は襲われるまで出番がないため、端の方に移動し、強盗役の璃久瑛も一旦近くを離れて深呼吸をしたところで演技が始まった。


 コンビニに入り、いらっしゃいませと店員の一声を他所に、周りを警戒しながらコンビニ内を巡回する。口元を着ていた服の襟を使い覆うことで顔を判別できないように工夫すると、何も商品を持たずにレジに向かい凶器を店員に向ける仕草をした。


「強盗だ。妙な真似をするな。金を出せ」


先程とはまた違った低音ボイスを静かに響かせ、催促をさせるように言葉に連れて凶器を店員に近づける。顔を再び確認すると細めた目でこちらをギロリと睨みつけられていたため店員は更に萎縮し、通報ボタンを押したものの、金を出す動きが鈍くなる。


「グズグズするなぁ!!さっさと金を出せぇ!!」先程の脅しと対照的に唐突の大声が身を襲い、思わず「ひぃい」と驚きと間抜けさが合わさった声を発してしまう。


「この演技力、本当に日頃から強盗してるんじゃないか」あまりの演技の上手さに声を漏らすと、震えながら金を出す仕草を続ける。


「さっさとしたまえ、時間がなぁぁい。早くしろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉお!!!!!!」


一言一句発する度にレジを叩き、瞳孔を見開き途轍もない大声で催促したため、「全沢直樹の役員みたいじゃねぇか。褒めた瞬間、雰囲気壊れたなぁ」と首を傾げて声を漏らす。


金を準備していると警察がコンビニ前の電柱のようなところに隠れながらこちらの状況を窺っていた。しかし、気になったのは何かを口に含んでいることだ。更に注目するとモグモグとパンのようなものを食べており、袋には『至極のこしあんパン』と書かれた袋をその場で読み上げると共に少し訝るように目を顰めた。


「あれは警察か…??きっとそうだ。そうに違いない…」


小声で発するものの強盗に再度脅される。外に目を向けると警察が単独でこちらに向かってきていたため店員は胸をなでおろした。強盗はその目線から怪しさを感じ、凶器を隠してその場から少し身を引いた。


「ここは警察の邪魔にならないために、人質には絶対なっちゃいけない。平静を装いつつ襲われてるサインを出そう」

呟き、バレないように助けて、と口パクで伝え必死にアピールする。


 警察が店内に入りレジ近くの菓子パンコーナーをうろつく。これに対して強盗はいつ警察が仕掛けてきても対応できるよう少し動きやすいよう体制を調整して相手の動きを待った。まるで、達人同士の巧妙なやり取りが繰り広げられているようだ。


強盗と店員を訝しげに何度か見やると今度は『最高のクリームパン』を片手に会計を求めた。レジ近くに雑に散らばる金銭と怪しい男が近くに立っている。この状況を踏まえたのか、「そういうことか」と一言述べた後、店の外に出た。


この状況を理解したのであるならば後ろに佇む強盗を強制的に確保することがセオリーのはずだが何故か店外へ出たのだ。何か案があるのか、増援を呼ぶためなのか。色々な考えを駆け巡らせるが理解には追い付けず、店を出た警察の後ろ姿をまじまじと見つめる。こちらを振り返ったと思うと、袋を開け、購入したパンを頬張り始めた。


「いやなんでぇ!?」


再びこちらに目を飛ばすが何かする訳でもなく、ただただこちらを見てパンを食べているだけの警察に驚かざるを得ない。


「『そういうことか』って状況把握したってことじゃないの??何もしてくれないじゃん」これには身構えていた強盗も気抜けした様子だったが再び脅し始める。


「ご、御託はいい。さ、さ、さぁ、金を出せ」

「強盗もたじろいでるじゃん!?どうしてくれんのあの警察は」

そう言い放つと慌てた顔を浮かべて警察が店内に向かい走り寄ってきた。


「け、警察だ。お前が強盗だったのか!?」


「気づいてなかったの!?外から僕らのやり取り完全に見てたよね!?強盗は完全に怪しい佇まいだったよね。あなた全てを理解してる雰囲気醸し出してたよね??」

「全く気付かなかった」

「お前警察やめた方がいい。刑事ドラマでもみとけ」


再び怜真が招集をかけ最初の定位置に戻る。失意を感じ思わず溜息が漏れる怜真を横に璃久瑛と優気はこの状況を楽しんでいるような表情を浮かべる。


「いやぁ~どう?警察の立ち回り、良かったでしょ??」

「良くねぇわ!よく今のやり取りでそんなこと言えたな」

「確かに上手かったな」

「正気かお前!?何の役にも立ってなかったわ。まだ利口な警察犬の方がマシだわ」

「ちなみに犬種は??」怜真のただの例えに優気は甘嚙みする。

「えぇ、じゃあ、ドーベルマンです」怜真は少し考え、特に意味もなくただ思いついた犬種を口に出す。


「いやぁ~そりゃ勝てないわ~」腕組む優気は何故か深く納得を示す。


「いやどういう基準!?警察犬、って言ったのは冗談だから!なんで本気にした?」


「ちなみにボクサーにはギリギリ勝てそう」何故か深く噛みつく優気に璃久瑛が乗じる。「なるほどね…では、コリーはどうだ??」「正直5分5分」


「だからどういう基準!?そんでお前さっきから犬種言ったあとに納得してるけど何故納得できるの??」


優気と璃久瑛の惚けたやり取りに対して怜真は正気を保ち続ける。観客四名は皆ご満悦の様子で後半に差し掛かった漫才もこのペースを崩さぬように進めていく。


 「じゃあわかった。今度は俺が警察のお手本見せるから」


「確かに強盗役上手かったよね。さっき酷い警察役やってたこいつにお手本見せてあげて」


再び怜真は店員役を務め、優気が強盗、璃久瑛が警察役で演技が始まった。


「強盗だ。今すぐ有り金全てだせ。さもなければお前をk」まだセリフを言いかけているところで警察が乱入し、強盗の腕を拘束した後地面へ押し付ける。強盗が呻き声を上げていたが躊躇することなく取り押さえ続けた。

「午後4時18分。威力業務妨害及び恐喝、殺人未遂の疑いで逮捕する」

「早い!!ちょ、早いって。はい辞め辞め」


余りに早すぎる確保により怜真がもう一度中断を呼び掛けて定位置に戻る。


「いやこのくらいがベストだよ」

「そうだよ。これが強盗逮捕RTAだ」声に合わせて二人はドヤ顔でガッツポーズ見せつけた。


「何かのコマーシャルかよ。現実的に考えてこれはありえないわ」

「いやいや、『ありえないなんてことはありえない』」

「如何にも自分の名言っぽく言ってるけど、それ『いぶし銀の錬金術師』のセリフだから。わからない人を扱って評価上げようとするな」

原作者ごめんよ。と手を合わせて謝罪を表すも、あまりの軽さと不敵な笑みに「絶対謝る気無いな」と怜真はツッコミを入れた。気を取り直して璃久瑛は咳払いをすると、話を漫才に戻す。


「じゃあ最後はさ、俺ら2人のやった強盗を参考にもっかいやってみなよ」

「1人は参考にする前に捕まったけどな。よし、わかった」

「それじゃ俺はまだ1回もやってない店員やるわ」璃久瑛は小さく手を挙げる。

「ってことで俺は警察リベンジするわ」璃久瑛に習い優気も小さく手を掲げる。


 各々が配置について役作りを始めると強盗が店内に入り、それに対して「いらっしゃいませ」と店員が挨拶する一連の流れを再びこなす。今回は璃久瑛の演じた強盗のように、口元を着ていた服で覆い、店内を徘徊して実行できる状況であると判断してから店員に詰め寄る。


「強盗だ。有り金全て出せ」相手に恐怖感を与えるため低音ボイスで脅迫をする。


「強盗!?ならばこれを食らえ!!」窮地に立たされた店員は少し離れた位置から何かを投げつけた。


「こ、これは、カラーボールか!!不審者に投げつけることで逃走後の犯人追跡や逮捕の手がかりをつくる防犯グッズを準備していたとはな…」

「いや、野球の硬式球です」

「うわ痛いぃぃ!!」

「いや、今の132キロのスライダーだからお腹抑えて」

「まさかの変化球かぁぁぁ!?」


怜真の持ちうるコンビニの知識を全て使い、長々と説明したが強盗に投げつけられた物は野球の硬式球であり、横に沈みゆくスライダーとも呼ばれる変化球だったため鳩尾辺りを抑えてその場でうずくまった。


「投げられる一瞬に頑張って説明したのに…」自身の頑張りを後悔しながら腹を撫でる。


「大丈夫ですか?」痛がる強盗を心配しながら店員は反射的に近づく。

「大丈夫なわけねぇわ!硬式球投げやがって。それも132キロのスライダーとかすごすぎるだろ。プロかお前は」

「いやもう野球辞めた高校生です」

「えぇ~プロ野球12球団の皆さん。今年のドラフトはこの子を指名した方がいいですよ。変化球だけどかなりの球威を身をもって体感しました」


ボケを続けつつ痛がる演技も着実にこなし、最後まで強盗の役に徹する。痛みを感じつつ店員の表情を見ると浮かない顔をしていた。


「ところでさっき野球辞めたって言ってたな。どうして辞めたんだ?」


「もう家計が厳しくて。用具とかもかなりお金がかかるのでもう両親に負担かけないようバイトして貢献したいなって思って」


「…物凄く親孝行者の高校生なんだな」


近くに転がった硬式球を片手で握りながら強盗は声を漏らす。返答した店員の顔は物凄く暗い表情をしており、かなり落ち込んだ様子であることはまだ高校生という初々しい青年からは感じ取りやすいものだった。


「だけど」強盗が下を向きながらそう言うと、今度は店員の目を見てこのやり取りで感じたことを言葉にした。


「だけど、まだ132キロのスライダーを投げれるってことは、まだ練習してるってことだよな?あまり野球は詳しくないが、そう簡単に投げれるものじゃないということは素人の俺でもわかる」


店員は沈黙を装った後、視線をキョロキョロと動かしており、言ってはいけないような返答と感じていたのか「はい」と小声で答えた。


「やっぱりそうか。いいか、今は努力したいことに向かって必死に努力していい。それが1番の親孝行だ。お前がプロ野球選手になって、給料でうまい飯でもブランド物とか買ってやれ。親がここまでお前の努力を支えてきたのなら結果で恩返しするんだな」


コンビニ強盗に言われたって説得力無いけどな、と吐き捨てると「そんなことないよ」と否定され理解を示された。店員の表情は先程の靄がかかったものとは程遠く、新たな希望と夢ある未来を開拓され、自然に笑みがこぼれる。


「もうちょっとだけ努力してみようかな」


「あぁ、頑張れよ。今まで支えてきたたくさんの人が応援してくれると思うぜ」


二人で会話を進めていると遂に警察が店内にやってきた。拳銃を構え相手の動向を窺がっている。


「警察だ。強盗の通報があってきた。大人しくすることだな」先程の不出来な警察とは大きく違って、勇ましく言い切ると「あぁ俺が強盗だ自首するよ」と強盗はぶっきらぼうにそう言い放った。


「そう言って逃げ切るつもりだろ?お前はパトカー15台に包囲されている。もう逃げ場はないぞ」

「増援多すぎない!?だから本当だって」

「うるさい!お前を確保する!!」「えっ、ちょ」

拳銃をしまい座り込む強盗を無理矢理押さえ込む。もうここまでくるとやりたいだけなのかも知れないということが頭をよぎり演技終了を呼び掛けようとする。


「カウント!!」警察が店員の顔を見てそう伝えると、従わなくても良い指示に従ってワン、ツーと床を叩いてカウントを取り始めた。


「おい!お前まで何してんだよ。もう絶対いらんこれ。ストップ!ストップ!」

優気が力を弱め怜真を解放すると再び三人で定位置に戻る。


「せっかくいい感じのストーリーになってたのに」

「ってことで強盗なんかやるもんじゃないな」

「強盗、『反対!!』」再び二人で謎のドヤ顔とガッツポーズを見せつける。

「だから何かのコマーシャルか!!どうもありがとうございました」


終わりの礼を深々とすると四人の観衆から拍手が贈られた。顔を上げると皆喜悦に満ちた表情をしており達成感が身を覆う。



ポイントがあると多くの人に読んでもらえるとのことらしいので、面白いと思った方や少しでも続きが気になる方は是非評価をよろしくお願いいたします!m(__)m

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