↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
13/44

秘密のお転婆計画

 外出。買い物。

 その夜、グレイスは頭の中にそればかり描いてしまっていた。

 いや、昼にフレンと話したようなほのぼのした内容ではない。もう少し良くない……フレンに言わせれば『お転婆』なことである。

 クローゼットの中にこっそりしまってあるもののことを思い出す。しばらく使っていなかったけれど、サイズなどに問題はないだろう。つまり、準備としてはそう多くは要らないはず。

 そろそろおやすみなさいませとされて、ベッドに入っても色々考えてしまって。しばらくは考え事をしていたけれど、そのうちいてもたってもいられなくなって、がばっと起き上がった。さっき考えていたクローゼットを開ける。

 クローゼットの奥の奥。すぐに出せない場所に入れたうえに、厳重に箱に入れて保管してあるもの。久しぶりに取り出すことになった。

 箱ごと取り出して、ソファへ持っていって、そこで蓋を開けた。

 中に入っていたのはベージュのシャツと焦げ茶の上着。そして黒のズボン。それと、大きめのキャスケット。こんな場所にはまったくそぐわない服たち。

 これは、グレイスの秘密の服。そう、『お転婆』をするときの装備品なのだ。

 中身を確かめる。最後に着たのはもう数ヵ月前だったけれど、そこから体型はあまり変わっていないので大丈夫そうだ。元々、少し大きめの作りなのだし。

 久しぶりにこれを使うことを考えて、グレイスはどきどきしてきた。

 こんなこと、良くないことだ。そんなことわかりきっている。

 けれど、使いたくなってしまった。ここのところ、息が詰まることばかりであったから。

 来週は外出許可が出ていて、フレンとお出掛けができる。それも楽しみだったけれど、待ちきれなくなってしまったのだ。

 中身を元通り箱に戻して、クローゼットの元の場所に入れて、グレイスは改めてベッドに潜り込んだ。

 『それ』をいつにしようかと考える。ひとの目につかない日や時間がいいに決まっている。

 そう、父が外出中とか……仕事が忙しくてこもっているとか……。

 プラスして、フレンにも用事がある日でなければいけない。頭の中に自分の予定を思い描いて、今度フレンの用事もこっそり情報取得しなければ、と思う。

 グレイスはなんだかわくわくしてきてしまった。良くないことを企んでいるというのに。元々、自分には合っていなかったのだ、と思う。どうにもならないことをうじうじ思い悩んでしまうなんて。

 だから、これはグレイスが自分らしく羽を伸ばせるためのこと。

 計画を立てているだけで、ちょっとの罪悪感はあれど、久しぶりに胸躍るようなことだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。