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第49話 魔王軍幹部 タルポ 4

「ふふふふ。やっぱりこちらの方が楽だわ。」


そう言ってタルポは飛び立つ。タルポは占い師らしいローブを脱ぐと、真っ黒で露出多めの動きやすそうな服が現れた。


「な、なんだあいつ」


俺は思わず声を出す。タルポはニッと笑って牙を出す。あれじゃまるで……


「ヴァンパイアよ」


テュケーが呟く。ヴァンパイア。確かに人間以外の種族もいるとは聞いていたが、本当にいたとはな。


「ヴァンパイア……ですか。純粋なヴァンパイアは西の大陸にある小さな集落に数人しか居ないと聞いて居たのですが……」


「ふふふ。そうね。純粋なヴァンパイアは私を含めてあと4人! ハーフだって数えるほどしか居ないわ」


そう言って、タルポは笑いながら急降下してテュケーを襲う。テュケーは剣を縦に構えてその攻撃をなんとかいなす。が、幾分かは凌ぎきれておらず、数カ所から血が吹き出る。


「くっ。速いわね」


「これがヴァンパイアの特性よ。日光を浴びないように高くなった防御力と機動力。あなたたちに追いつけるかしらねぇ?」


そう言って笑うタルポに向かってプシケは駆け出す。しかしプシケの機動力ではどうすることもできずに一方的に攻撃を受ける。さらにタルポは空を飛んでいるため近接攻撃を当てることは難しい。


「プシケ! 下がれ! 魔法で落とすしかない!」


しかし、プシケは下がろうとしない。くそっ。ヴァンパイアならば光に弱いはずだ。


「イリス! 頼む光魔法だ!」


「わかりました。『虹色の魔曲・白銀の煌光』!」


光が集まって、タルポに放たれる。タルポはその光を浴びると、地面に墜落する。

やはりかなり効くようだな。倒せたんじゃないのか?

しかし、タルポはすぐに立ち上がると、空中に飛び立つ。どうしようもない。


「こうなったら明るい魔法を打ち込んでいくぞ!」


「そんなのが効くんですか?」


「わからないけど、しないよりはマシだろう」


とりあえず明るい魔法を考える。例えば雷魔法や、炎魔法なんかか。

じゃあまずはこれだな。


これは手をタルポの方に向けると叫ぶ。


「『ライトニングボルテッシモ』!」


何本もの稲妻が、タルポに向かって飛んでいく。しかし、タルポはその隙間を難なく飛び抜ける。


「『雷霆』!」


今度はテュケーが放つ。一筋の雷が、タルポに向かって飛んでいく。今度はタルポは右手と左手を胸の前でクロスさせて、その電気を弾く。どうやら腕の防御力も健在らしい。

そうこうしているうちにプシケが戻ってくる。魔法なしではどうやっても不可能ということがわかったのだろう。


「うーん。やっぱりダメだね」


プシケがいつものように呟く。が、何故だか不思議とその言葉に込められている意志がいつもより強い気がした。


「なんで勝手に突撃するんだ? 無理だってことわかってるだろう」


「それは、そうなんだけどね……」


プシケはそのまま口を閉じる。まあいい。戻ってきたのならこれ以上言う必要もないだろう。

俺とプシケはタルポを見つめる。タルポはイリスとテュケーの魔法を次々とかわしていた。


「イリスの光魔法で落とした時にすぐに攻撃すればよかったのかな」


「そうだね。そこが大きな隙だとは思うんだけど」


これはまた弱点探しか? どうやってもあの速さに追いつくことはできないと思うんだけどな。


「ヴァンパイアだったら、回復魔法でダメージを与えられるんじゃないかな? 回復薬でもよかったような気がするよ」


突然プシケが言う。プシケは自分の荷物から、回復薬を三本取り出す。


「多分、一本でもぶつけられたら、相手の機動力は殺せると思うよ」


「そもそも当てるのが難しくないか?」


「うーん。攻撃を誘って、すれ違いざまにぶつけるのがいいかもね」


そう言って、三本あるうちの二本を俺に渡してきた。プシケは盾を構えて、待機している。どうやら、相手の攻撃を防ぐために既に構えているようだ。そこで俺は一旦テュケーとイリスを集める。テュケーもイリスも結構魔法を無駄撃ちしたので、疲れがたまっていた。


「回復薬でダメージを与えられるんですか? それは知りませんでした」


「私も初耳だわ」


へぇ。よくプシケは知ってたな。テュケーでも知らないって結構珍しいことだと思うんだよな。


「よし。いくか」


俺は一本を左手に握り、もう片方の手には剣を握る。それを見たタルポは不気味に笑いながら、風切音を立てながら襲ってくる。


「うぉぉぉぉぉぉ!!!」


俺はタルポの翼に切りつけられるのと同時に、持っていた回復薬をタルポにぶつけた。



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