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第43話 大会準決勝 2

階段を上っている途中、マルスが話しかけてくる。


「あの髪の長い子に何があったんだ?」


髪の長い? ガイアは相変わらず、フードを被っていたから、髪の長さなんてわからないと思うんだけど……。そんなことを不審に思いながら質問に答える。


「よくわからない。疲れるとか言ってたし、疲労がたまってたのかもしれない」


「はん。なるほどな。体調管理は大事だぜ」


と、ここで急にマルスは口調を崩した。マルスはそれにハッとして口を抑える。汚い言葉を使わないようにしているのだろうか?


ステージに着くと、司会がこちらを見ている。そして、無事進行していることに安堵したのか、ホッとした表情で、口を開く。


『トラブルもありましたが、どうやら二試合目、問題なくできそうです!』


司会はそう言って、俺たちを手招きした。

俺とマルスは握手を交わす。と、何か嫌な感覚がした。特に何かあったわけではないが、気分がゾッとした。


そして課題曲が発表される。


『課題曲はー! こちら! ライトニングボルテッシモです!』


は? 俺は唖然とする。ライトニングボルテッシモは一回戦でも出て来ている。なぜここでまた同じ曲を選んだのだろうか。

すると司会が理由を述べる。


『さあ! 今回はちょっと変わったことがしたくて、一回戦と準決勝で同じ曲を選んで見たのですが、どうですか! びっくりしたでしょう!』


びっくりしたのは間違いない。だが、それ以上に喜びが大きい。この曲で負ける気がしない。ラムスに一位は取られていたが、リハビリついでに練習を重ねて、後連打3つ分まで迫ることができた。正直負ける気がしない。


するとマルスも口を緩ませる。どうやらマルスにとっても得意曲のようだ。

ゆっくりと、筐体前に立つ。ここは必ず勝つ。勝って決勝に行かなければならない。


『では! 準備が整ったようです! 準決勝二試合目!開始!』


音符が流れてくる。この曲で気をつけなければならないのはコンボカッター。ここで、greatを出してしまったんじゃ話にならない。さらに連打。一度greatを出してしまってもいいように、連打は多く打ち込まなければならない。少々の判定差であれば、連打で返せる。

曲が続く。よし。調子はいい。あとはこの後のコンボカッター。これを凌いで……よし! 後はミスる要素はない。連打を多く加えて……最後の二つの大音符を叩いてall perfect!


さて……どうだ? 連打も今まで以上に入った気がするし、自己ベストな気がする。相手がどれくらいの精度だったかが重要。

ここで司会者が大声を上げる。


『な、なんとぉ! 両者ともall perfect!! これは連打勝負になったか!?』


なにっ!? 相手もall perfectか! 連打……。さすがに負けてはないと思うが果たして……。


マルス


perfect 765

great 0

good 0

miss 0


スコア 1196500点


るな!?


perfect 765

great 0

good 0

miss 0


スコア 1196700点


あ、危ねぇ!!! 連打ニ打分だ! って……あれ?


マルス 連打 36

るな!? 連打 23


連打数負けてる? なんで?

その疑問には司会者が答える。


『これは痛い! マルスさんは、最後の二つの大音符で、bigperfectを逃してしまいました!』


あ、なるほど。大音符は得点2倍。しかし、打つ力が弱いと、大音符の部分が小音符と同じ得点になってしまう。それで、1500点を失ったのか。


「くそっ。油断した」


マルスは悔しそうに声を上げる。油断したとは? 普通にやっていればなかなか大音符を逃したりはしないはずなんだけど。


決勝戦の前に、10分間の休憩が入るようだ。本当は三位決定戦があったのだが、ガイアが倒れた為、マルスが自動的に三位になった。そういうわけで、一旦控え室に戻る。その途中で、ラムスが話しかけて来た。


「……勝ったと思ったんだけどな」


「普通なら勝ってましたよ。どうして最後、大音符を逃したんですか?」


「……未だに抜かれてないっていう油断があったのかもな」


「? それってどういう……」


「俺はもう帰る。元気にしとくんだな」


そう言って、マルスは控え室には戻らず外へ向かおうとする。


「ちっ……。腕も完全に治ってやがったか」


最後に何かあった気がしたが、あまりにもボソボソと発せられたため、聞こえなかった。


控え室に戻ると、イリスと、プシケが駆け寄って来た。


「すごいね! 決勝戦だって! 優勝は目の前じゃん!」


「いや、でもここが一番の正念場だと思うな。今まで一位に当たらなかったのは運が良かったからだ。当たってたら負けてたかもしれない」


「そんなに弱気ではダメですよ。ちゃんと勝てます!」


イリスは必死に俺を元気付けようとしていた。確かに、弱気になりすぎていたかもしれないな。


「よし! 優勝するぞ!」


「そうそう。その息だよ」


「頑張ってください!」


二人から鼓舞される。テュケーがいないのは残念だが、優勝した結果を持っていけばいいだろう。その為にも二位じゃ格好がつかない。


しばらくするとアナウンスがかかる。


『準備が整いました! それではプレイヤーは、ステージにお集まりください!』


……よし! 優勝してくるか!






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