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第39話 大会二回戦 2

「じゃあ行ってくるわ」


テュケーはゆっくりと階段を上っていく。対戦相手はくろのすで、予選1位通過の男だ。all perfectを達成しており、間違いなく優勝候補筆頭だろう。


『さあ、第二回戦二試合目を始めますよ!』


司会がそういうと、テュケーとくろのすは握手を交わす。2人はお互い目を合わせた。


『ではでは! 早速楽曲発表!』


くろのすが選んだ曲は、『時の停止と愛の道』。

一方、テュケーが選んだのは、『風キリ』。


くろのすが選んだ曲は、そこまで難易度の高い曲ではない。特徴としては、途中譜面が止まる部分があるということだろうか。しかし、今までの課題曲に比べると明らかに簡単だった。


一方、テュケーが選んだ曲は最悪の難易度を誇る曲である。テュケー自体もフルコンすることは難しく、賭けに出たものと見るのがいいだろう。

ちなみに、リーフドラゴンにとどめを刺したのもこの魔法だ。


『では! 始めてください!』


一曲目、『時の停止と愛の道』が始まる。

2人の見せる集中力で、全くミスをしない。する気配もない。2人とも、一時停止の部分はきちんと見極め、テンポを崩さないやうにしている。


「……そういや今気づいたんだが、テュケーってヴァーナスなんだな」


「ヴァーナス?」


横で一緒に見ていたイリスが首をかしげる。ここでは使われていない言葉らしい。


「ヴァーナスっていうのは、利き手重視の叩き方だな。例えば三連符が流れてきた時に、右左右、左右左って叩くんじゃなくて、右左右、右左右みたいな感じで常に一方の手から叩き始めるようにする方法だよ」


「へぇ。そんな方法があるんですか? 学校だと、交互に打つように練習させられたよ?」


「まあ、交互に打つ方が体力も切れにくいしいいんだろうけど、ヴァーナスの方が精度が取れたり、人によってはそっちの方が楽だったりするんだよ」


この世界でヴァーナスが一般的でないのは楽曲のレベルが高いのもあるのだろうな。早い曲や密度が高い曲はヴァーナスなんて使えないからな。


「練習した方がいいですか?」


「いや、交互打ちができるんなら問題ないだろ」


イリスはそうですかとホッとした様子で、モニターを見る。一曲目の楽曲がもう少しで終わりそうだった。

しっかり見えなかったので、どちらが高いかわからないが、どちらもあまりミスをしてはいなかっただろう。最後の大音符を叩いて曲が終わる。そして結果発表。


くろのす


perfect 666

great 0

good 0

miss 0


996000点

テュケー


perfect 663

great 3

good 0

miss 0


994800点


点差は1200点だ。相手の課題曲でこれだけしか点差を広げられなかったのは大きい。

この微妙な点差の戦いに一試合目で冷えかけていた観客もみるみるうちに熱気に湧いていく。

次は『風キリ』だ。テュケーの得意な曲ではあるが、その難易度ゆえに、テュケー自身フルコンすることが難しい。相手がどれくらいこの曲を得意とするかによるだろう。


曲が始まる。テュケーは普段通り譜面を叩き攻略していく。一方、くろのすもミスることなく、安定して叩いている。

と、ここでテュケーが一つmissを出す。だか、すぐに体勢を整えて、復帰する。くろのすはくろのすで時々greatを出しているようだった。

どっちが勝つかわからないギリギリの戦いが続く。

ってかテュケーってやっぱり上手いな。予選8位だったけど、あれくらいだったガイアといい勝負しているんじゃないか? 苦手曲だったらしいけど、ここまで広がるものなのか。


見ているこちらも緊張で心臓が大きく鼓動する。最後の連打を叩き切って、結果発表だ。

最後の連打の差が300だけテュケーの方が少なかったので、1500点以上点差をつけていればテュケーの勝ちとなる。


『結果発表!』


くろのす


perfect 1032

great 13

good 0

miss 0


992500点


テュケー


perfect 1035

great 5

good 4

miss 1


991700点


二曲目もテュケー方が点数が少ない。そうならば計算せずとも、勝者が決まる。くろのすだ。くろのすは大きく手を振って、観客とテュケーにお辞儀して控え室に戻ってきた。

やはりそこで目が合う。くろのすはやはりこちらを強く見つめてくる。なんだかその瞳に吸い込まれそうで気分が少しだけ悪くなった。

一方テュケーは少し遅れてから降りてくる。俺が声をかけようと立ち上がったが、テュケーはすぐにガイアの元へ行ってしまった。

遠くからでも見えるのだが、中に入らないと会話が聞こえない。だが、あれだけここから離れて話すんだ、大事なことではあろう。

そうして三試合目の案内がかかる前に、2人は俺の近くまで戻ってきた。







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