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第38話 大会二回戦 1

『それでは残った方達に軽く自己紹介していただきましょう! まずは予選1位のくろのすさん!』


くろのすが一歩前に出る。そしてゆっくりと息を吸い込むと


「俺は上手い奴がいると聞いたからこの街にとどまった。必ずそいつを打ち破りたい」


そう言って、こちらを見た。明らかに俺を意識しているようだった。


その後次々と自己紹介が入る。


「私はこれ以上は厳しいと思いますが、頑張ります」


「優勝する。ここはそれだけなんだ」


2位、3位と自己紹介が終わる。ついに俺の番だ。


「まぁ、出るからには優勝したいですよね。応援よろしくお願いします」


当たり障りのない文句を並べ、自己紹介を乗り越える。

その後6位を飛ばして、自己紹介が行われ、最後にプシケが紹介し終えると、司会が、少しだけ話をする。


『今回は一回戦から熱かったですねぇ。all perfectが2回ありましたからね。ただ今回は番狂わせがほとんど起きなかったかな。格上に勝ったのも1人だけでしたし』


そんな感じで、司会はダラダラと話を垂れ流すと、再びくじを用意した。


俺は適当に選んで引く。 4と書かれていた。

人数が少ないので目視で確認できる。4の紙を持っている人がいないかと調べると、いとも容易く4の紙を持っている人は見つかった。


アドニスだ。


この知り合いと当たる確率をどうにかしてほしいですね。アドニスはこちらを見るとため息を一つつく。


『では、休憩を10分ほどとります。よろしくお願いします』


司会者はそう言って俺たちを控え室に返す。ちなみに二回戦で使う楽曲はすでに提出済みだ。


「全く。つい一ヶ月か二ヶ月前は、ランクカードが無いなんて話で、ゲートに入るのを止めていたのに、もうmasterをプレイして、大会に出られるほどになっているとはな」


アドニスがそう話しかけてきた。そういえば、あのゲートの時の1人がアドニスだったな。すっかり忘れていたよ。最近真ん中の通路を通ることも少なくなったしな。


「ふっふっふっ。絶対勝つぞ」


ちょっとふざけた感じで言ってみる。それに対してアドニスも似たように返してきた。

俺とアドニスは固く握手をすると、それぞれ自分が居心地のいい場所に戻る。俺はテュケーやプシケが固まっているところにいく。


「みんなは組み合わせどうだったんだ?」


その質問に2人はため息交じりで返す。


「私は1位の人よ。正直勝てる気がしないわ」


「僕は3位の人だったよ。確か雷霆でかなりのスコアを出していた人だよね?」


「まあ、確かにそうだが、プシケもall perfect取ってなかったか?」


するとプシケは首を振る。


「難易度が違いすぎるんだよ」


まあ、確かにマルスが高得点を叩き出した曲と、プシケがall perfectした曲では難易度もかなり違うだろう。


「案外なんとかなるんじゃ無いかなぁ」


「流石にキツイかな……」


うっ。まずいな。これ以上話しても2人のテンションを下げるだけな気がする。俺は早足でその場から離れる。と言ってもいくあてがないので、適当なベンチに腰掛けるしかないのだが。


ガイアを見つけたので話しかけるかどうか悩んだが。やはりまだしんどそうにしていたので、無理に近づかない。どうせ行ったところで何も変わらないだろう。

そんなことを思っているとアナウンスが流れる。


『一戦目が始まります! プレイヤーは舞台にお上がりください』


その放送を聞いて、2位の人とガイアが立ち上がる。

どうやらあの2人が二回戦の一試合目に試合をするようだ。

2人はゆっくりと階段を上っていく。そして、折り返して下る。その先に舞台が現れる。

と、同時にこちらのモニターでも確認できるようになっている。

2人は始まりの挨拶をしていた。丁寧にお辞儀をして、それぞれが選んだ曲が発表される。


『まず! てすらんさんが選んだ曲はぁ! 『クックのミラクル』!』


『対して、がいあらさんが選んだ曲はぁ!『幻想に消える目録』!』


2人の曲が発表される。どちらもトップクラスの高難易度曲だ。


『クックのミラクル』は圧倒的なリズム難の曲だ。暗記曲でないにしても、あの不思議なリズムを初見では叩けない。事実、あの曲は現れてから1年ほど経つらしいのだが、未だにこの音ゲーでのall perfectは出ていない。


『幻想に消える目録』は皆が普通にプレイできる曲の中だと、トップを張ってもいいくらいの曲だ。この曲の恐ろしいところは、終盤の消える音符だ。実際に消えているわけではない。あまりにも速すぎるのだ。それが200ノーツ続くというのだから笑うしかない。しかも前半、中盤とともに十分な難易度を誇っている。前半はmissこそしないものの、greatやgoodを多発し、後半は覚えていなければ全てmissとなる。


今回選ばれた二曲はどちらも暗記の要素が強い曲だと言えるだろう。


「どっちが勝つと思いますか?」


イリスが俺に近づいて尋ねてくる。


「まあ、流石にガイアが勝つんじゃないかなあと思うんだけど」


「でも、相手も2位ですし油断はできませんよ」


確かになぁ。それにガイアはずっと調子悪そうだし。一体なんなのだろうか? 陽の光を浴びたら弱体化でもするんだろうか?まさかなぁ。ヴァンパイアじゃあるまいし。


そんなことを思っていると、曲が始まる。まずは『クックのミラクル』だ。


互いにミスなしで叩いていく。曲を選曲したてすらんは勿論なのだが、前半30秒の間に、2人ともperfect以外は出していない。

が、終盤それが崩れる。ガイアがいくつかズレをを重ねたのだ。最後の最後で持ち直したが、それがこの先にどう影響するかだろう。


結果が発表される。


『てすらん』


perfect 951

great 12

good 3

miss 0


『がいあら』


perfect 942

great 16

good 8

miss 0


うーむ。なるほど。終盤かなりミスっていたように見えたけど、そこくらいだったのかな。一方、てすらんはちょくちょく出していたって感じだな。


二曲目が始まる。この曲は完全精度曲。つまり連打がない楽曲だ。もしてすらんがall perfectをしてしまうと、覆しようがないのだ。

点差は3000くらい。greatのときはperfectの半分の点数。missの時はperfectの4分の1の点数になるからそんなものだろう。


ガイアは落ち着いてプレイしている。しんどそうではあったがそんなことでミスをしてはいなかった。

そして終盤ラストなのだが、様子がおかしい。高速地帯を、てすらんが全く叩けていないのだ。初めはなんとか叩こうとしていたが、途中てすらんの動きがとまった。


そしてそのまま結果が発表される。


ガイアはall perfectだったと思う。モニター越しの目視だからよくは見えなかったが


『てすらん』


perfect 634

great 10

good 4

miss 195


『がいあら』


perfect 843

great 0

good 0

miss 0


二回戦が始まってかなり盛り上がっていたのだが、なんともあっけない幕切れだった。






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