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第37話 大会一回戦 4

曲は『イグニスハンド』。テュケーがよく使う魔法だ。楽曲としては長複合もなければ、リズム難もない。リズムに乗れるから人気曲の一つだ。実際、高難度の曲の中だと、これを始めてall perfectする人も多いらしい。癖がない分、一回のミスが命取りとなる。

だが、プシケはここ数週間見てきた。こんな単純な曲ならば、プシケはミスらないはずだ。


プシケは淡々と譜面を叩く。緊張をほとんどしていないのか、全くいつも変わらない様子でプレイする。

対して相手の人は、少しだけ動きがぎこちなかった。それもそのはず、前にall perfectが出ているのだ。萎縮していつも通りなんて叩けるはずがない。

しかし、それでもプシケは驚くべき集中力で、ちょっとした複合も丁寧にさばいていく。

そして結果が発表される。


ぷしゅけ〜


perfect 777

great 0

good 0

miss 0


all perfectだ。対して相手の方はgreatを4回出しているので、この勝負はプシケの勝ちとなる。

そして大会二度目のall perfectに会場のテンションはマックスに達する。

プシケの対戦相手は悔し涙を流している。それもそのはずだろう。本日で初めて格下に負けることとなったのだ。


プシケがハイテンションで帰ってくる。


「いぇーい!」


「やったなおい!」


2人でハイタッチをする。それを見たテュケーとイリスも集まって3人で抱き合っている。

しかしすぐに次は自分の出番だと気づいたテュケーが会場に向かう。テュケーはゆっくりと深呼吸をして対峙する。


『さあ六戦目です! 張り切っていきましょう』


楽曲は『めるめるえんじぇる』。リズム難とテクニックを有する嫌われ曲の一つだ。だが、テクニックを必要とする曲はテュケーにとって大好物だろう。

対戦相手の予選順位は14位。正直心配するほどではないと思うが。

危なげなく、リズム難、長複合を突破していく。まあ、正直ここは流石に勝つだろう。


結果としては圧勝だった。テュケーは出してもgreatが20前後だったのに対し、相手はmissなどを含めると60以上。まあ、余裕で突破したということだろうな。テュケーも嬉しそうに戻ってくる。やはり3人でいろいろなことを話している。


と、次のプレイヤーが会場に向かう。1人は予選を12位で突破した人。そしてもう1人は今大会最低ランクの包帯男だった。


『それでは七戦目。早速やっていきましょうか!』


その包帯男は首をくきくきと鳴らすと、ゆっくりと棒を持つ。対戦相手はその行為に少し驚いて、少しだけ動きが止まった。


今回の曲は『雷霆』。高難度の曲にもほどがある。気軽にプレイできる曲ではない。

だが、その選曲に包帯男ーマルスは口元をにやつかせる。その様子を見た対戦相手はもう勝てる気がしていないだろう。

事実、高いBPMなんて全く苦にならないように叩ききる。さらに90連の長複合も難なく突破していく。間違いなくトップクラスのプレイだ。

実質こいつが今大会の2位なのだ。しかし、ランクはかなり低い。なぜそんな低さなのか気になる。ランク上げるのが嫌いなのか?


そう思っていると、その男の結果が発表される。


マルス


perfect 803

great 7

good 0

miss 0


恐ろしい。ここまで詰めるのは俺でも無理だろう。1位、2位のやつとは課題曲勝負になりそうな気がするな。どれだけ自分に有利な曲がくるか。それが重要だろう。

ちなみにそのスコアを取ったマルス自体は満足しなったのか、あまり喜びもせずにゆっくりと控え室にもどってきた。

それとすれ違うようにガイアが階段を登っていく。と、階段を上る間だけ、ガイアの様子がかなり楽そうに見えた。しかし、会場に着いたガイアを見るとやはりしんどそうにしていた。


『さあさあ! 一回戦もこれで最後! 第八戦目を行いたいと思います!』


「へぇい! ベイビーちゃん! しんどそうだねぇ! どう? リタイアしちゃってもいいんだよぉ?」


前回大会優勝(笑)もとい、9位さんがガイアに向かって話しかける。しかし、ガイアは、それを完全に無視する。


「ふっふっふっ。この僕をなめているようだねぇ? 予選では手を抜いたのさ! 重要なのは本番だからね!」


そう言ってその男は筐体の前に立つ。もう噛ませ臭しかしないのだが、一応どうなるか、見ておくことにする。

楽曲は『爆音、轟音、大音量』。多分一回戦の中で最も難しい曲だろう。BPMは180〜320まで上がる。序盤のリズム難に中盤の長複合。そして終盤の加速していく音符たち。リズム難、テクニック、暗記力。さらには最大コンボが1068と体力までも必要とする楽曲だ。もっと上で使っても良いほどのバランスのとれた楽曲。それが八戦目の課題曲に選ばれたのだ。


かなり難易度の高い曲。ガイアは未だにしんどそうにしていたが、それでも曲が始まると体勢を整える。

丁寧に音符たちをさばいていく。しんどくならないようにかなりコンパクトに手を動かしていた。

しかもそのまま、長複合、ソフランと余裕で突破していくのだ。全く、化け物かよ。

事実、2位を除く上位陣がベスト4まで上がってくるであろう勢いだった。


「ガイアもやっぱりかなり上手いな」


俺がボソッと呟くと、テュケーは嬉しそうにこちらを見つめる。やっぱり友達を褒められると嬉しいものなんだろうか。


そして結果発表。

驚いたのは前回大会優勝者だ。流石にそういうだけあって、greatを21回ほど出しただけだった。こういうバランス的な楽曲はかなり得意なのかもしれない。

だけど、相手が悪かったと思う。


がいあら


perfect 1065

great 3

good 0

miss 0


おかしい。あの楽曲でほとんどall perfect。あまりの上手さに言葉が出ない。しばらくすると、ガイアが帰ってくる。後ろには足元をふらつかせながら降りてくる9位さんが見えた。


と、ここでアナウンスがかかる。どうやら一回戦を突破した人が呼ばれるようだった。俺たちはイリスに見送られながら階段を降りる。会場の階段は微妙に複雑な作りで、上ってから降りなければならない。

ちなみに敗者は控え室にいても良いし、観客として客席に行っても良いらしい。まあ、控え室が特等席みたいなものなのでわざわざ普通の客としていく人は少ないだろう。


そしてステージの上には一回戦を突破した8人が並んだ。




















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