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異世界から来た少年~お母さんに怒られて寄り道をしていたらRPGゲームみたいな世界に迷いこんでしまった  作者: 水波瀬なぎ


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9/20

9話目~強そうな武器を持った女の人と出会ったけど味方?

僕たちは結局、話し合って、透明の薬を使わないことに決めた。


とにかく逃げるよりも戦って、経験値をアップさせなければ、いつまでたっても強くなれない。


何もない場所じゃない。


ボロボロだけど、ところどころに家や店などの跡が残っている。


使えそうな道具や着るものがあるかもしれない。


もしかしたら、誰かいるかもしれないのだ。


僕たちは、穴から出て、町の中をゆっくり進んだ。


いつ、クマドリ(と呼ぶことにする)が現れるかわからない。油断はできない。


ところが、どれだけ行っても、クマドリどころか、アリの一匹さえ出会わないのだ。


「……変だな」


ナナオがあたりを見回す。


アリカもうなずき、さっきまでと様子が違うことに戸惑っている。


「嵐の前の静けさっていうんだよね」


僕が言うと、アリカに「やめてよ!」と怒られた。


「そういうこと言うと、すぐにでも何か出てきそうじゃないのー」


まさかそんな、すぐに……なんて思ったとたん。


急にかみなりがゴロゴロ鳴り出した。そして――。


「ギャーッ!!」


モンスターのものらしき泣き声が聞こえた。


そして、人の声?


僕たちは慌てて声のするほうへ、駆けだした。


すると、古びた倉庫のような建物の入り口ちかくに、今まさにモンスターに飛びかかられそうな女の人がひとり、武器を構えて立っていた。


「あ……バトルエックス……」


ナナオがつぶやく。


「バトル……エックス?」


あのモンスターの名前だろうか、と思って見る。


でも、どう見てもそんな名前は似合いそうもない。


見たところ、ただのニワトリだ。


いや『ただの』って言うのは違うか、


でっかいニワトリ。


巨大ニワトリは、コケコッコーなんてかわいく鳴かない。


グワーッゴゲーッと汚い声をあげ、女の人に向かって、するどいクチバシを突き立てようとしていた。


「キャー!来ないでっ!」


女の人は、持っている武器を振り回す。


「助けなきゃ!」


アリカが突然、僕の体をそっちに向かって、ドンッと突き出した。


「うわあっ!」


よろけた僕は、女の人とニワトリの間に……。


「キャーキャー!!」


倒れこんでしまった僕を、モンスターと思ったのか、僕をめがけて女の人が武器を振り上げた。


――し、死ぬーーーーー???


「ミナト!」


ナナオが飛び出してきた。


一瞬のうちにナナオは、持っていた剣でニワトリを切りつけ、女の人の武器を持つ手をかわした。


「ボクはナナオ。ケガはない?」


しかも爽やかな笑顔で、女の人に自己紹介なんかしてる。


「……仲間なの?」


「そうだと思う。キミの名前は?」


「わたしはユリア」


「よろしく、ユリア」




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