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異世界から来た少年~お母さんに怒られて寄り道をしていたらRPGゲームみたいな世界に迷いこんでしまった  作者: 水波瀬なぎ


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3/20

3話目〜池に落ちたら、変な声が聞こえてきたんだけど!

いつもは柵の外からしか池を見ないのに、今、僕とナナオは柵の中に立っている。


一歩踏み出せば、池に落ちてしまうだろう。


「落ちると危ないから、ナナオ、帰ろう」


びくびくしながら僕が言うのを、ナナオは「平気! 行こう」って言って僕をぐいっと引っ張った。


「ギャー落ちるーっ!!」


と思った次の瞬間――。


ぶくぶくと泡を吐き出しながら、僕の体は行けの中へ……。


苦しい! 死ぬ! 死にたくない!


ナナオは?


目を開けて見る余裕なんかなかった。


だんだん息ができなくなり、気が遠くなってきた。


遠くのほうで、変な声が聞こえる。


「……は……ラ……ドラ……」


何言ってんだ。はっきりしゃべりやがれ!


「わが名はライバードラゴン」


誰だ、それ。知らない。


その瞬間、体が地面に叩きつけられた。


「いってー!」


頭から落ちなくてよかった。


「ミナト、平気?」


ナナオが僕の顔をのぞきこむ。


「うん、平気」


とりあえず答えてから、あたりを見回した。


「なに……ここ」


あたり一面、枯れ木や雑草だらけの『もと』草原って感じ。


上を見ると、空もどんより曇っていて暗い。


そしてぐるりと一周見回すが……。


「僕たち、池に落ちたよね?」


確かに池に落ちて、そして、ここに落ちた?


だとすれば、上に池があってもよさそうなのに、あるのは空だけ。


「池はどこにいったんだろう?」


体は確かにずぶ濡れだ。


髪もナナオも濡れているのに、池どころか水さえ見当たらなかった。


「あ、そうだ。さっき僕、変な声を聞いたよ!」


僕の言葉にナナオはうなずくと、目を上に向けて言った。


「ライバードラゴン……」


「ああ、そう。そんな名前! 知ってるのか? ナナオ」


「うん。あの池に住むモンスターだ」


「モンスター?」


驚いた。


いや、けど……。


驚くなよ、これは夢だ……たぶん。


「あの池って、すごく濁ってるだろ? あれはライバードラゴンのせいなんだ。ほんとはものすごく浅い池なのに、深いって錯覚させられているんだ」


そしてナナオは、僕の肩に両手を置いた。


「いいか、ミナト。ボクたちでライバードラゴンを倒すんだ!」


「え?」


「ボクたちは、選ばれた者なんだ!」


まるでゲームの世界のようなことをナナオが言うから、僕はドン引きしちゃった。


だけどナナオは真剣だ。


やけにリアルな夢だなー。


けど、夢ならいいや。


と、僕も楽しむことにした。


「ライバードラゴンをやっつけるぞ!」


「おー!」


ふたりで気合いの入れあいっこをしていると、「クスクス」と笑う声がした。

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