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異世界から来た少年~お母さんに怒られて寄り道をしていたらRPGゲームみたいな世界に迷いこんでしまった  作者: 水波瀬なぎ


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19/20

19話目~見えないけどなんかヤバそうな雰囲気とそして――

「僕は聞こえてるよ、ナナオ続けて!」


「ミナト、下りてきたほう、向いた? そしたらそっちに向かって思い切り走るんだ!」


「え……壁だけど」


「ミナト、いい? もう一回言う。思い切り走るんだ。壁に見えるけど、本当は階段なんだ。いい? 迷っちゃダメだよ。信じて走るんだ!」


――ほんとは、壁なんか……ない?


僕は目の前の壁を、手でぺたりと触った。


「ウソだぁー!」


確かに冷たいコンクリートの壁の感触がそこにある。


これに、思い切りぶつかれってこと?


走れるスペースなんかない。


ぶつかって痛いだけじゃん?


僕は試しに、壁に体を軽くぶつけてみた。


「やっぱ壁じゃん」


どう考えても、壁。


どう見ても、壁だろ。



「ミナトー! ぐだぐだ余計なことを考えてるんじゃないだろうね?」


ばれてる。


「いいか、ミナト。信じるんだ。ちゃんと戻って来れるって信じるんだ!」


見えるものを見えないって思いこむってこと?


逆なら簡単なのに。


見えないものでも、存在してるものってあるじゃん。


空気とか電気とか。


「ミナト!」


またナナオの声が聞こえた。


「ミナ……あ、ああーっ! ナナオ後ろーっ!!」


ふいにアリカの叫び声と、ナナオの「うわぁー!」って声。


そしてきっと、モンスターの声と思われる「ギャーッ!」って雄たけびが続く。


外ではすざましい音。そして叫び声、武器を扱う音。


見えないだけに、すごいシーンを想像してしまった。


「ナナオっ! 大丈夫?」


ユリアの声がした。


「ボ、ボクはイイから、早くっ――」


その様子から、ナナオに何かあったってことはわかる。


「イヤーッ、ナナオ!!」


「ミナト! 助けてっ!」


アリカとユリアの声に、僕はいてもたってもいられなくなった。


「ナナオ! 今行く!」


ほんとは壁なんかないんだ!


僕は思い切って、目をつぶり走った。


「いっ……てぇーーー!!!」


体にすごい衝撃を感じた。


抜けられないじゃんか!


信じたつもりだったのに。


――ハッとした。


信じ方が足りなかったのかも。


どうしたらいいんだ。









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