20話目~ようやく脱出できたのはいいけれど、そこには……
僕は持っていた竹のヤリで、抜け出せるはずの壁をつついてみた。
「あ、あれ?」
壁の感触がなかった。
竹のヤリは、スーッと壁の中に吸い込まれた。
ええええーーー!!!
驚いたけど僕は、そのまま竹のヤリを握ったまま、そのあとをついて……。
「で、出られた!」
暗い場所から急に明るいところへ出たせいか、目が痛い。
眩しくて僕は目を細めた。
「あれ……ここどこ?」
さっきまで階段をおりた場所にいて、そこに閉じ込められたんだ。
そこから出られたってことは、前には階段があるはず。
そしてその前には、扉が――ない?
僕はどこにいるんだ?
さっきまでと違う場所に出てしまったのか?
目の前はガランとした広い空間。
足元は細い通路のようなものが続いていた。
「こわ……」
――下は、真っ暗で何も見えない。
足を踏み外したら、深い谷底に落ちていきそうだ。
やっぱり違う場所に出ちゃったんだ。
そこにみんなはいなかった。
僕は竹のヤリを、ぎゅっと握りしめた。
――どうしよう。
チラッと振り返ってみたけれど、後ろにも同じような道があるだけだ。
出てきたはずの壁も消えていた。
いったいどうなっているんだろう?
ナナオは無事なんだろうか。
僕はみんなのところへ、戻れるんだろうか。
考えても考えきれない。
何が何だか、何がどうなってるのか、さっぱりわけがわからない。
頭の中がぐるぐるしてきた。
倒れそう――。
けど、倒れたら奈落の底に真っ逆さまだ。
「死にたくないよー」
僕は声に出した。
誰かに聞こえて、助けに来てくれるかもって思った。
だけど、もしもモンスターに聞こえたら逆効果。
僕は竹のヤリを杖がわりにして、そっと一歩を踏み出した。
「う、うわあっ!」
ぐらりと地面が揺れ、僕はその場に座り込む。
そして、座り込んだ拍子に、おしりが地面にめりこんだ。
「ちょ……なんなんだよ、これーー」




