14話目~ナナオのポケットの秘密と僕の家
「文字通り、召喚できる」
「す、すっげーじゃん! それ、すっげー」
そういうことなら、もっと持ってくるんだった。
ここでは何の役に立たないと思ってたカードだったのに。
「うまくいくか、やってみなきゃわからないんだけどね」
「失敗したら、どうなるの?」
「別に。出てこないだけだからダメージもない」
ナナオは、今度の戦闘のとき、やってみようと言った。
そして、そのときはすぐにやってきた。
オンプーサっていう、変なダンスを踊るやつで、うっかりすると、こっちまで踊らされるってやつ。
ナナオにさっきカードを預けている。
ナナオは、踊らされるより前に、鏡を取り出し「召喚!」って叫んだ。
結果は成功!
みるまにカードから煙みたいなものが、もくもくと出てきて、僕のレアカードの中から現れたのは――。
なのに、その活躍を見ることなく、オンプーサは、アリカの『ピオ』で一発で消えた。
僕ががっかりしていると、ナナオは「やったね」って笑った。
「成功は確実に見れたんだから、よかった。効果はバッチリだ。使える!」
そう言うとナナオはそっと目を閉じ、ポケットに手を入れた。
何してるんだろうと、みんなが見守る中、ナナオが何やら呪文みたいな言葉をぶつぶつと唱える。
そうしてナナオがポケットから手を出したそこに――。
「僕のデュエルカードファイル??!!」
なぜかナナオが持っていた。
家の机の引き出しに入れていたそれが、どうして?
言葉もなくフリーーズしていた僕に、ナナオはあっさり、謎を解き明かしてくれた。
「僕のポケットの中と、ミナトの家がつながっているんだ」
「つ、つながってるーー??!!」
どういうこと?
つながっているってことは、ナナオのポケットの先に、僕の家があるの?
「もしかして、その鏡も、お母さんのなのか?」
お母さんの持っている鏡に似ている……と初めて見たときに思ったのは、思い違いじゃなく?
っていうか、似てるんじゃなく、お母さんの鏡、そのものなのか?
僕はナナオに、鏡の裏側を見せてもらった。
そこにはちゃんと、僕がいたずらして貼った、ポケモンのシールがあった。
「じゃあ、もしかして僕が……ナナオのポケットに入ったら、家に帰れるってこと?」
帰れるかもしれない――と、一瞬期待したのもつかの間。
「ミナトはポケットに入らない。大きすぎるじゃないか」
否定されてしまった。
でも……。
「このまえ、そこからテントを出しただろ? そしてまた、ポケットにしまったはずなんだ」
今思えば、あのテントもうちのテントだった気がする。
「僕よりテントのほうが、大きいじゃんか!」
「……そ、それはそうだけど、でも。でも、ミナトは入れてあげない」
あげないってことは、入れようと思えば入れるってことかも?




