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異世界から来た少年~お母さんに怒られて寄り道をしていたらRPGゲームみたいな世界に迷いこんでしまった  作者: 水波瀬なぎ


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13/20

13話目~弟のリオに破られた、僕の持っていたカードの召喚獣

「おなかすいたわね~」


しばらく歩くとアリカが、お腹をおさえて前かがみになった。


この町に入って、まる1日が過ぎた。


その間、なにも食べてなかったから、アリカだけじゃなく僕もナナオもお腹がすいていた。


ユリアはいつから食べてないんだろう?


「そうだね。でも、これしかないよ」


ナナオがポケットからパンを1個とりだした。


それは前の町で手にいれた残り。


僕もポケットを探る。


でも、ピーナッツの1個さえ入ってない。


「アリカ、なにか持ってる?


ナナオが聞いているけど、アリカは黙って首を横にふるだけ。


「わたし、持ってるよ」


ユリアが、担いでいた袋を下におろし、中から木の実や薬草などを取り出す。


ナナオが「さすがだね」なんてユリアをほめるから、またアリカがふくれた。


「この町に入って、崩れた家や店を調べてるうちに、いろいろ手に入ったの」


ユリアの言葉にナナオがうなずく。


「そうか。人はいなくても人の残したものがあるんだね」


「この先にも家や店があるから、調べながら行きましょう」


ユリアが仕切っているのが、アリカは気に入らないらしい。


「ちょっとミナト! なにか持ってないの?」


「ないよー」


さっきも探したじゃん。


「そこのポケットに入ってないの!」


無理やりアリカが、僕の胸ポケットに手をつっこんできた。


「わ! ダメだよそこは――」


「なによ、これ」


アリカがポイっと捨てたそれは、弟のリオに破られた『デュエルカード』だ。


セロテープでくっつけてみたが、元通りになるはずがなかった。


それでも捨てられず、大事に持ってたんだけど、今となってはなんの役にもたたないものだ。


ふと、リオやお母さんはどうしてるだろうと思った。


僕が急にいなくなって、心配してるかな……。


そもそも、この世界に来てから、どれくらいたつだろう。


会いたいな、帰りたいな……。


もしもこれが夢なら、早く目を覚ましたい。


だけど――。


夢じゃないことは、なんとなくもうわかっていた。


だって、痛みがあるんだ。


それに、ナナオやアリカに触れると、温かい。


「ミナト、これ、大事なものなんだろ?」


カードをナナオが拾って、僕の手に渡してくれた。


ハッと我に変えて僕は「うん……」とうなずいて、それをポケットにしまった。


戻りたくても戻れないなら、早くライバードラゴンを倒したい。


そうするしかなかった。



みんなで食事をすませると、ナナオに聞かれた。


「ミナト、さっきのカードのことなんだけど、あれと同じようなもの、ほかにも持ってる?」


「うん。でも家にしかない。いま持ってるのはさっきの1枚だけなんだ」


やっぱりカードは、男の子にはみりょく的なのかな。


ナナオも欲しいの?


「そっか。家のどこにある?」


「え……机の引き出しの中、だけど」


「ふうん、そっか……」


ナナオはつぶやくように言った。


そしてポケットを探り、いつか見せてくれた鏡を取り出した。


「あのさ、そのカード。使えるかもしれない」


「使えるの?」


僕はナナオの目をのぞきこんだ。


「この鏡に、さっきのカード――なにか召喚獣みたいなのが描かれてただろ? それ写してみよう」


「そしたら、どうなるの?」


鏡の秘密が、解き明かされる時が来たのかと思うと、胸がどきどきした。







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