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幻想終末の欠落者  作者: あした
【第六章】極限解放
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第五十九話 イラナイ

 アオイがジレオに向かって、声を上げながら黒槍で攻撃を続けている。


 ジレオは余裕そうに必要最小限の動きで後退して回避している。


 ミライたちのド派手な攻防とは正反対の、相手の出方を観察し、相手の力を引き出させ、相手を分析するような静かな攻防が大通りで繰り広げられていた。


「槍捌き上手だね、黒髪の嬢ちゃん。それ、ちっちゃい頃から習ってたの?」


「……いえ、槍術は教わったことありません。別の武術は幼少より稽古させられていましたが……」


「無視されるかと思ったけど……へー、答えてくれるんだ。君、真面目だね」


 ジレオが、アオイに微笑みかける。


 ジレオのその言葉に、アオイは無反応で攻撃をひたすら続けるが、不本意ながらも内心では納得していた。


(確かに、昔から真面目だとはよく言われていました……。しかし、だからこそ余計に―――!)


「手を抜かれている上に会話までされると、とても腹が立ちますッ!」


 叫び、アオイは渾身の突きを繰り出す。 


「いいね、怒った顔もかわいい。……でも、俺はそんな顔より―――」


 ジレオはアオイの突きを半身をズラして回避し、


「―――キレイな顔が痛みで歪んで、ブサイクになる顔が大好きなんだ!」


 柔らかな笑みを嗜虐的なモノへ変えて、歪んだ笑みでアオイの腹に蹴りを入れた。


「か、は……っ!!」


 肺の中の空気を一気に吐き出され、アオイの華奢な体が10メートルほど飛んだ。


 数回地面に転がったアオイに向かって、ジレオは歩き出す。


「最っ高にゾクゾクする~。ああ、女の子を痛めつけるのって楽しいな~。それに、ギュッて胸も痛くなるよ~。あ、胸が痛むのは恋のせいかも―――なんてね?」


 立ち上がろうと両手両膝をつくアオイを見下ろして、爽やかな笑みでジレオは言った。


 その笑みを、アオイは忌々しげに睨み上げた。


(手加減されても、この威力ですか……!?)


「ね~、そんな怖い顔で睨まないでくれよ~。……でも、その顔もかわいいね? 殺意を向けられるのも、俺、好きだよ?」


 ジレオはしゃがむと、アオイの細い顎を持った。


 睨むアオイとしっかり目を合わせて、ジレオは爽やかな笑みでお願いする。


「―――ねえ、キスしていい?」


「い、嫌ですッ!!」


 大きく首を横に振って、全力で拒否するアオイ。


「嘘だ~。俺みたいなイケメンとキスできる機会、中々ないよ? ……そうか、照れてるんだね? 顔だけじゃなくて、初心なとこもかわいいね? 大丈夫だよ、俺に身を委ねて……気持ち良くしてあげるから」


 甘く囁き、ジレオはアオイの唇を奪おうと顔を近づける。


 それに伴い、アオイの表情は嫌悪と拒絶で歪んでいき、



「やめてくださいっ!! ワタシが接吻したいのは―――ミライくんだけなんですっ!!」



 ギュッと目を瞑り、泣きそうな声で心の叫び声を上げた。


 その時、ジレオは顔を近づけるのをやめた。


 絶望の瞬間が訪れないことを不思議に思い、アオイはゆっくりと瞼を開けると、


「―――誰? もしかして男?」


 先ほどまでの笑みが嘘のように消えた能面のような表情で、冷え切った低い声でジレオは言った。


 ハイライトの消えた眼を見てしまい、アオイは悲鳴を上げそうになる。


「俺、こんなチャラい見た目してるけど、一途なんだよ? 浮気もしないし、愛を囁くのも君だけ。だから君も、浮気しないで、愛を囁くのは俺だけ。そのはずなのに……は? 俺とキスできないってどういうこと? ミライって野郎としたいって何? あの弱そうな茶髪野郎? へー、あんな友達を見捨てそうな軽薄野郎がいいんだ、俺よりも」


 ……何を言っているのかわからない。


 突然、一人語りを始めたジレオ。


 まるでジレオの中でアオイが自分の恋人になっていて、その恋人が他の男に対して愛を向けていることを咎めているようだ。


 そして、アオイの浮気相手がミライという男なのだが、大きな勘違いをしていた。


 ミライは白髪で、茶髪はレンだけ。


 つまりミライとレンを混同しており、そのことをアオイは否定したかったができなかった。


 ……言う余地さえないし、言えばどうなるかわからないからだ。


「君の顔大好きだから、せっかく顔を殴らないであげたのに……。もう、いいや。浮気する女なんて―――イラナイ」


 無感情な低い声で、ジレオはアオイの細い首に手を伸ばす。


 首をへし折って、殺す気だ。


 散々アオイのことを『かわいい』と愛でていたのだが、もうアオイに対してなんの感情を持たなくなり、ただの目障りな汚物にしか見えなくなっていた。


 その時、ジレオの伸ばした腕に五本の黒矢が刺さる。


(何これ、矢?)


 矢が刺さった腕を見つめ、ジレオは視界外からの突然の攻撃に動きを止めていた。


 その隙を狙って、


(今なら―――!)


「はああああああッ!!」


 攻撃するチャンスだと、アオイは声を張り上げて渾身の突きを繰り出す。


 しかし、ジレオは大きく後方へ跳躍して回避した。


 着地したジレオは目を細めて矢で攻撃した者を探すと、


(あのちっちゃい子か……俺の腕に矢をぶっ刺したの)


 振り返って、自身の後方にある廃墟の屋上から黒弓を構える、サクラを見つけた。


「そうだった、女の子二人いるんだった。黒髪の子に夢中で、すっかり忘れてた。……それにしても、気配消すの上手いな~。矢が刺さるまで全然気づかなかったよ、スゴいね」


 サクラの存在を思い出して、そう称賛の言葉を贈る。


 そしてジレオは、腕に刺さった矢を雑に抜いた。


 そこから赤い血が流れると、


「―――でも、俺の邪魔をしたのは……許せないかな」


 青筋を立て、怒りに歪んだ笑みで、その血に舌を這わせて舐めた。


 先ほどまでのチャラさは見る影もない。


 狂気的な殺気を溢れ出す天使に、何より気味の悪さに……アオイとサクラの背筋に悪寒が走った。


「俺にいたぶってほしいのかな? いいよ……お望み通り、たくさんいたぶってあげる、ねッ!!」


 ジレオは白翼で飛び立ち、とある廃墟の屋上を上から見下ろす。


 眼下には、無表情で上空の天使を見上げるサクラがいた。


「―――おチビちゃん、俺の邪魔をした罰に殺してあげるよッ!」


 広げた白翼から、無数の羽根が射出される。


 サクラは身軽さを活かし、軽快に避け、間に合わなければ黒矢で弾いた。


「アハハッ! やるじゃん、おチビちゃん! 卑怯に遠くから狙撃するだけじゃなくて、避けるのも得意なんだね! 俺、感心しちゃ―――」


 ブサブサ、と哄笑を上げるジレオの顔面に三本の矢が刺さる。


 硬直するジレオに、サクラは小首を傾げて一言。



「―――その程度?」



 告げられた言葉に歯噛みして、



「かわいいからって、なんでも許されると思うなよ―――チビ女あああああああああッ!!」



 ジレオは怒声を浴びせ、翼を畳んで急降下。


 真上に上げた脚を、ジレオは憎しみを込めて振り下ろす。


 サクラはそれを避けて、ジレオの踵落としは、サクラがいた場所を破壊するだけだった。


 攻撃を回避されたことを横目に見て、激昂したジレオは息を荒くしながらサクラへ襲いかかる。


 ジレオは遠距離攻撃をやめて、体術での接近戦に持ち込んだ。


 しかし、どの攻撃も、サクラは軽い身のこなしで悉く回避していく。


 しかも、そのついでに、黒矢を放ちカウンターまでしていた。


 ただその繰り返しで、思い通りいかない展開にジレオは苛立っていく。


「ちょこまかと……うざいんだよ、お前ッ!!」


 ジレオが拳を振りかぶりながら向かうと、突然サクラは……背中から廃墟を飛び降りた。


 それを見て、ジレオは心底嬉しそうに歪んだ笑い声を上げる。


「アハハハハッ! 俺の攻撃に耐えられなくなって自殺? させないよ―――ッ!!」


 サクラを殺そうと、いかれる天使は後を追って飛び降りる。


 落下中、無表情のサクラと狂気に嗤うジレオの視線が交錯した。


「落下するその前に、君をこの手で殺す! さあ、おチビちゃん―――君はどんな悲鳴を上げて泣いて死んでくれるのかなッ!?」


 その未来を想像して、愉悦に浸るジレオはサクラに手を伸ばす。


 が、迫る死の手を見つめながら、サクラは落下の途中で廃墟の壁を蹴る。


「なっ……!?」


 サクラを掴もうとした手が空を切ったことに、ジレオは驚愕する。


 その時、サクラは空中で黒弓を構えていた。



「サク、もう泣かない―――死ねない!」



 力強く呟き、サクラは黒矢を放つ。


 それをジレオは気づくが、すでに矢は眼前にまで迫っていて避けることは叶わなかった。


 右肩を射抜かれ、廃墟の壁に刺さり、ジレオは磔の状態になる。


 サクラは着地をすると、ここへ走っていたアオイと合流した。


「サクラさん、さっきは助けてくれてありがとうございました……!」


「仲間、当然」


 相変わらずのサクラにアオイは微笑むと、



「―――あー! もう降参降さ~ん! 俺の負け~!」



 廃墟に磔にされたジレオが、白旗を上げて叫んだ。


 見れば、ジレオから怒りは感じず、元のチャラい雰囲気に戻っていた。


 見上げていたアオイとサクラは警戒を強める。


「サクラさん……あの天使の降伏宣言は本当だと思いますか?」


「嘘、確実」


「ワタシもそう思います……」


「そんな疑わないでよ~。俺の手の内は全て晒したし、君たちなんとか術まで使えるんでしょ? 勝てないよ~」


 駄々っ子のように、ジレオは足をブラブラさせて廃墟の壁を踵で何回も叩く。


 静かに、アオイは『なんとか術』の正式名称を答える。


「……≪魔晶術ましょうじゅつ≫、のことですか?」


「そう、それ! ≪魔晶術ましょうじゅつ≫! 君たち、それが使えるもんな~。いいな~。そんな強力な必殺技食らっちゃったら―――俺、死んじゃうな?」


 子どものようなパーッとした笑顔で話したが、終盤では、その笑みはニヒルなモノに変わった。


 アオイは、イチかバチかの賭けに出る。


「わかりました。なら、あなたのお望み通り―――今から≪魔晶術ましょうじゅつ≫で、あなたを倒します」


「アオイ……!?」


 驚愕に、サクラはジト目を見開いてアオイを見つめる。


 そしてジレオを見据える、アオイの横顔に訴えかけた。


「≪魔晶術ましょうじゅつ≫、ダメ! 絶対、罠……!」


「わかっています……この誘導の仕方は、明らかに罠です。しかし、≪魔晶術ましょうじゅつ≫を発動しない限り、あの天使を倒せないこともまた事実です。ですが、それよりも―――ミライくんなら罠があろうと、なかろうと、関係なく乗り越えるはずです……。だからワタシも、そうでありたいんです」


 優しく、穏やかな表情でサクラに微笑みかけるアオイ。


 その笑みは、まるで一輪の花のように咲き誇っていた。


「といっても、ミライくんやエルザさんのような才能は、ワタシには無いかもしれませんが……それでも、信じてほしいです」


「アオイ……わかった、信じる」


 サクラが頷くと、アオイも微笑みながら頷いた。


 それから、二人は真剣な表情で、余裕そうな顔で見下ろすジレオを見上げた。


「………」


 発動する前になって、アオイは先刻のエルザとの会話を思い出していた。


『天使とり合う前に―――アオイっち、一つだけいーかなっ★』


『はい?』


『言わなくてもわかってると思うけど、≪魔晶術ましょうじゅつ≫解禁っ★ でも、一つだけ注意して―――一気にドカーンって感じじゃなくて、必要な分だけ魔力使うイメージで結界を作ってみてっ★ そーすれば、いちいち倒れなくて済むからっ★』


『はい! わかりました!』


 そんな、エルザからのアドバイスを受けていた。


 受けていたのだが、


(―――どうして、もっと早く言ってくれなかったのですか!?)


 今になって、そう思った。


 アオイが初めて≪魔晶術ましょうじゅつ≫を発動して以降、今まで一度もエルザからそんなアドバイスなどもらったことがなかった。


 それなのに、天使という強大な敵と戦う時になってアドバイスを授けた。


 突然の連続で、疑問が入り込む余地がなかったが、だったらこんなことになる前に教えてほしかったと今さら思い、アオイは嘆いた。


 けれど、そんな文句を言っても仕方ないと首を横へ振る。


(今は、イメージしなければ……! これまでは、思いきり魔力を注ぎ込んでまし

たが、使う分だけ注ぎ込み……その分だけで作れる結界を構築して―――)


「いきます!」


(おっ、もうそろそろだ!)


「―――≪空絶結界くうぜつけっかい≫ッ!!」


 ジレオは内心で≪魔晶術ましょうじゅつ≫の行使を予測すると、その通りに、アオイは黒槍を夜空へ掲げた。


 槍先に、結界を構築する。


 といっても、かつてのボア・シャドウを倒した時のような巨大なものではなく、段ボールほどの大きさだ。


 明らかに以前までと比べて遥かに小さいが、


「結界、小さい……! アオイ、フラついてない……!」


 サクラは嬉しそうに、アオイの結界を見て目を見開いていた。


 今まで≪魔晶術ましょうじゅつ≫の発動後にフラついていたアオイが、フラつかずに真っ直ぐと立って、さらには必要以上に大きかった結界が小さくなっているのだから。


 エルザのアドバイス一つで、≪魔晶術ましょうじゅつ≫のコントロール力が急成長したアオイに、サクラは感嘆せざるを得ない。


 ……けれど、なぜかアオイは悔しそうにしていた。


「イメージよりも、少し大きくなってしまいました……。ミライくんだったら、たった一回のアドバイスだとしても、完璧に実行しているのに……ワタシはっ」


「比較対象、おかしい」


「ですが……理屈はわかりました。使用する魔力量に応じて、この結界の大きさは変化するんですね。そして、そのために必要な感覚も、少しだけ掴めたような気がします……」


 言って、アオイは黒槍の槍先を後ろに向けた。


「―――あとは、全力でぶつけるだけですッ!!」


 アオイが黒槍を振り下ろした瞬間、結界がジレオに向かって放たれる。


 敵が≪魔晶術ましょうじゅつ≫を発動したというのに、結界が迫っているのに、その天使は避けもせず……ただただ笑みを浮かべていた。



 ―――はずなのに、結界は天使の眼前で唐突に止まった。



「どういうことですか!? ワタシは結界を止めてないのに、どうして……!?」


「どうして? それは俺も、君たちみたいな幻滅師エクソシストと同じように術が使えるってことだよ。―――≪天生術てんせいじゅつ≫、っていうね?」


 ジレオは、自分の眼を指差す。


 両方の瞳が変化していて、右目の瞳に上矢印、左目の瞳に下矢印が刻まれていた。


「目に、矢印が!?」


「≪天生術てんせいじゅつ≫……?」


「俺の≪天生術てんせいじゅつ≫―――≪アイズ・オブ・ベクトル≫は、どんな物体の力のベクトルを操作できるんだ。まあでも、できることはベクトルの大きさを変化させたり……ベクトルの方向を逆にしたりしかできないんだけどね?」


 言って、アオイが構築したはずの結界が、アオイに向かってくる。


 しかも、≪アイズ・オブ・ベクトル≫の能力によって加速されていた。


(避けられない……このままだとワタシは!!)


 迫りくる速度に対応できず、アオイは動けないまま死を予感した。


 ……結界に、顔を潰されると。


 しかし、結界はアオイの顔の横を通り過ぎた。


 結界は地面を砕き、霧散するだけに終わる。


 自分の術によって、自分が殺されるという皮肉な結末は訪れなかった。


「―――といっても、自由自在とまではいかないけど、ほんの少しズラすことしかできないんだけどね?」


 サクラの黒矢を抜いて、着地したジレオがそう言った。


 しかし、その言葉はアオイには届いていなかった。


(……今、ワタシが無理やり避けようと動いていたら―――ワタシは)


 過呼吸、目がチカチカと明滅、額に流れる冷や汗、真っ白な頭の中。


 ―――間違いなく死んでいた。


 それだけが頭に残り、自分の生死があやふやになったアオイは、放心状態となって呆然と立ち尽くしていた。


 力無く佇み、目の焦点が合わないアオイを見て……ジレオは舌なめずりする。


「……ああ、いい表情だよ、黒髪の嬢ちゃん。スッゴく唆るよ……。これだから、すぐに殺すのはもったいないんだ……。でも、黒髪の嬢ちゃん。その絶望の顔はスゴくいいけど、俺的には涙と鼻水でキレイな顔面をグシャグシャにして、おっきな声で泣き叫んでほしいな? だって―――人間のそういう汚いところ見るの……大好きだから」


 歪んだ笑みで、ジレオは自らの性癖を自ら晒す。


 それは酷く倒錯したモノで、自己中心的で……歪み切っていた。


 サクラは心配げな無表情でアオイを見つめていたが、視線を性根の歪んだ天使に向ける。


 そのジト目には、怒りと軽蔑が宿っていた。


「理解、不能……」


「―――だったら、君の≪魔晶術ましょうじゅつ≫で俺を倒してみなよ……おチビちゃん」


 こんな挑発に乗るわけがない。


 ヤツの≪天生術てんせいじゅつ≫によって攻撃が当たらないだけではなく、それ以上の威力を伴って自分に返ってくるからだ。


 ……しかし、ジレオの挑発に乗って、サクラは黒弓を構えた。



「≪氷月花ひょうげつか≫ッ……!」



魔晶術ましょうじゅつ≫を発動し、そこから放たれた魔力の矢は―――十本の氷の矢になる。


 ニヤリ、とジレオはバカにするように笑った。


「アハハハハ!! バカだねー、おチビちゃん! 俺に≪魔晶術ましょうじゅつ≫やったらどうなるか覚えてないの!? ≪アイズ・オブ・ベクトル≫―――ッ!!」


 ジレオが≪天生術てんせいじゅつ≫を発動する。


 それによってサクラの放った十本の氷の矢は―――自分のところへ返ってこなかった。


「―――は?」


 間の抜けた声を漏らした瞬間。


 ジレオの肉体に十本の氷の矢が突き刺さって、氷像と化した。


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