2-13. 本命装備 ――誰も着ない完成形
協会・受付裏。
机の上。
綾芽が、誇らしげに箱を置いた。
「完成しました!」
受付4人。
嫌な予感しかしない。
すずが恐る恐る聞く。
「……今回は何?」
綾芽、胸を張る。
「普通の装備です!」
沈黙。
「普通?」
「普通?」
「普通?」
「普通?」
四重確認。
綾芽、うなずく。
「はい!本命です!」
箱を開ける。
中から出てきたのは――
シンプル。
軽量。
機能重視。
黒基調の実戦スーツ。
装飾なし。
無駄ゼロ。
完璧。
数秒。
すず。
「……地味」
梓。
「合理的ですね」
雫。
「性能は?」
綾芽、即答。
「防御・補助・魔力循環、全部バニーと同等です」
一拍。
「ほぼ同じ性能です」
さらに。
「むしろ整備性はこっちが上です」
自信満々。
「これ、かなりの自信作なんですけど!」
受付4人。
視線。
ゆっくり。
バニー装備へ。
沈黙。
すず。
「……ねえ」
「これ着るなら」
一拍。
「バニーでよくない?」
綾芽。
「え」
凛。
「戦闘性能差なし」
梓。
「士気はバニーの方が上」
雫。
「現場の空気も和みますし…」
綾芽。
「いやでもこれ、本命…」
すず。
「綾芽くん」
真顔。
「女はね」
一拍。
「性能同じなら可愛い方を選ぶの」
完全論破。
綾芽。
「そ、そんな……」
箱の中の普通装備。
静か。
悲しい。
数秒後。
雫が優しく言う。
「でも、予備としては最高です」
梓。
「遠征用に保管しましょう」
凛。
「悪くない」
すず。
「でも普段はバニーで」
確定。
綾芽。
小さく。
「……これも自信作なんだけどなぁ」
しょんぼり。
一拍。
すずが、ふっと笑う。
「次はさ」
「普通装備+ちょっと可愛い要素」
綾芽、顔を上げる。
「作ります!!」
即復活。
受付4人。
(単純だ)
なお。
主任だけは後日、
その普通装備を見て、
「……これが一番まともでは?」
と真顔で言った。
でも誰も着なかった。
ここまで読んでいただきありがとうございます!
「面白かった」
「続きが読みたい」
と思っていただけたら、
ぜひ下の【☆☆☆☆☆】から評価をいただけると嬉しいです!
ブックマーク・感想も更新の励みになります。
応援いただけるととても嬉しいです。
次話も頑張ります!




