2-10. 受付装備会議
魔法少女協会・受付裏。
昼休み。
誰も来ない。
平和。
すずがぽつり。
「ねえ」
「昨日のさ」
全員、察する。
雫。
「……うさぎ魔王」
梓、即答。
「完全に綾芽君だったね」
凛、腕組み。
「隠す気ゼロ」
すずが机に身を乗り出す。
「でもさ」
真顔。
「白タイツ+うさぎ面、地味に強くなかった?」
沈黙。
雫。
「……強かったね」
梓。
「機能性は高い」
凛。
「無駄がない」
すず、にやり。
「作ろう」
間。
雫。
「……何を?」
すず。
「受付公式・うさぎ魔王装備」
沈黙。
そして。
梓。
「合理性はある」
雫、笑う。
「あるんだ…」
凛。
「非常時の識別にもなる」
すず、拳を握る。
「決まり!」
――開発開始。
■30分後(受付裏)
机の上。
白タイツ。
うさぎ面。
マジック。
完成。
すずが持ち上げる。
「……着てみる?」
誰も止めない。
すず、即更衣室へ。
数分後。
カーテンが開く。
出てきた。
全身白タイツ。
完璧。
沈黙。
すず、姿見を見る。
くるっと回る。
「……」
一拍。
「これ」
真顔。
「エロいね」
雫。
「うん」
梓。
「エロい」
凛。
「エロすぎる」
全員一致。
すず、鏡見ながら。
「これ見たら綾芽君喜ぶかな?」
雫、即答。
「喜ぶと思う」
梓。
「確実に」
凛、小さく頷く。
「大喜び」
すず、にやっと笑う。
「じゃあさ」
くるっと振り向く。
「今度お礼に見せて、反応見ようか」
全員、うなずく。
その瞬間。
後ろの扉。
ガチャ。
開いた。
全員、固まる。
そこにいたのは。
主任。
三秒。
完全停止。
視線。
白タイツ。
うさぎ面。
マジック。
受付四人。
主任。
ゆっくり引き出しを開ける。
胃薬。
水。
飲む。
ゴク。
「……確認します」
静かな声。
「これは」
一拍。
「何の装備ですか」
沈黙。
すず、小さく手を挙げる。
「うさぎ魔王です」
主任、目を閉じる。
「……用途は」
雫、真面目に。
「非常時対応用です」
梓。
「識別性向上」
凛。
「機動性良好」
主任。
再び胃を押さえる。
「……協会は」
天井を見る。
「どこへ向かっているんですか」
すず、小声。
「ラブアンドピース…?」
主任。
無言。
机に手をつく。
そして。
「……それ」
白タイツを指差す。
「綾芽君には」
一拍。
「絶対に見せないでください」
四人。
同時。
「えー」
主任、即。
「絶対です」
――この日。
協会の内部規則に、静かに一文が追加された。
『受付による独自装備開発は主任承認制とする』
なお。
この規則は。
一週間後。
綾芽本人が改良案を持ち込んだことで。
完全に崩壊する。
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