表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
110/176

2-8. 緊急救援

 その日の午後。


 協会受付の端末が、けたたましく鳴った。


「緊急救援要請!」


 梓が画面を開き、


 雫が横から覗き込み、


 すずが「うわ、ヤバそう……」と顔をしかめる。


 凛はもう無言で装備を取っていた。


 表示。


 下位妖魔十。


 上位三。


 すでに魔法少女三チーム出動済。


「数は多いけど対応可能なはず――」


 雫が言いかけた時、


 追記が飛び込む。


 上位一体撃破。


 もう一体撃破。


 残り一体。


 黒赤色個体、異常強度。


 負傷者多数。


 応援求む。


 沈黙。


 凛が短く言う。


「出る」


「出動!」


 受付チーム、即出撃。


 そして少し遅れて。


「……やばそうだな」


 小さな鞄を持った少年が建物の影から走り出した。


 ヘリを使うと怒られるので。


 普通に走って。


 全力で。



 現場は地獄だった。


 建物は半壊。


 道路はえぐれ、


 魔法少女たちはほぼ全員負傷。


 それでも。


 誰も逃げていない。


 仲間を庇うように、前を向いていた。


 中央に立つのは、


 最後の上位妖魔。


 だが色が違う。


 深緑ではない。


 黒赤の装甲。


 鉄みたいな皮膚。


 三メートル級。


 圧が違う。


「……強い」


 凛が低く言う。


 受付チームは普通の上位なら倒せる。


 だがこれは違った。


 すずが突っ込む。


「はああっ!!」


 殴る。


 効かない。


 叩き返される。


 吹っ飛ぶ。


「ぐっ……!」


 それでも立とうとする。


 凛が前へ。


 斬る。


 浅い。


 次の瞬間。


 カウンター。


 壁まで吹き飛ばされる。


 梓が拘束術式。


 雫が支援。


 だが。


 赤鉄上位の腕が振られる。


 梓に直撃――


 その瞬間。


 白い影が横から突っ込んだ。


 ドン!!


 衝撃。


 赤鉄上位が吹き飛ぶ。


 全員、呆然。


 白い影が着地する。


 ポーズ。


 ビシッ。


 全身白タイツ。


 胸にはマジックででかく


『まおう』


 うさぎのお面。


 沈黙。


 風だけ吹く。


 そして。


 白タイツが叫んだ。


「そこまでだ!!」


 さらにポーズ。


「悪者は!!」


 ビシッ。


「この!!」


「うさぎ魔王が!!」


 ドヤ顔。


「成敗する!!」


 受付チーム。


「…………」


 次の瞬間。


 もう動いていた。


 踏み込み。


 速い。


 重い。


 一撃で分かる。


 本気だ。


 蹴り。


 装甲が歪む。


 二撃目。


 三撃目。


 四撃目。


 流れるような連打。


 赤鉄上位が膝をつく。


 最後。


 空中へ跳ぶ。


 回転。


 全力。


「ていっ」


 ドゴォン!!


 赤鉄上位、


 消滅。


 静寂。


 完全終了。


 雫が震える声で言う。


「……綾芽君?」


 白タイツ。


 ピクッ。


 ゆっくり振り向く。


「そんな名前の人は知りません」


 即答。


 すず、小声。


「声そのまま」


 梓、小声。


「身長もそのまま」


 凛、小声。


「動き本人」


 雫、追撃。


「綾芽君だよね?」


 白タイツ、一歩下がる。


「そ、そんな名前の人は知りません!!」


 明らかに動揺。


 そして胸を張る。


「私はただの通りすがりのうさぎ魔王です!!」


 ビシッ。


「では、さらば!!」


 全力逃走。


 ダッシュ。


 速い。


 本気で速い。


 消えた。


 沈黙。


 すずがぽつり。


「……あれ」


「うん」

と梓。


「間違いないね」

と雫。


 凛だけため息。


「……次から」


 一拍。


「隠す気あるなら、せめて名前書くな」


 その日。


 協会内部記録に一行追加された。


『謎の白タイツ戦闘員(自称うさぎ魔王)確認』


 なお。


 全員、正体は分かっていた。


 さらに後日。


 訓練ログにも一文追加。


『※白タイツ出現時は援軍扱いとする』

 

ここまで読んでいただきありがとうございます!


「面白かった」

「続きが読みたい」

と思っていただけたら、

ぜひ下の【☆☆☆☆☆】から評価をいただけると嬉しいです!


ブックマーク・感想も更新の励みになります。


応援いただけるととても嬉しいです。

次話も頑張ります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ