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一章:魔法使い、魔剣修復する。4

ちなみに、革は〈魔猪豚〉のものを使用する。旅人達がこの領域に来た時のサバイバルしてた際、狩猟した時に処理しておいたものだ。やっぱ、使えそうなものはある程度溜め込んでおくものである。

ちなみに。作成する剣の寸法は旅人達全員に共有されているので、剣の完成を待たずに鞘を作成可能なのだ。


「あの、今使っている枝って…?」

「〈歩行樹〉のだねー。」

「やっぱり…!」


トゥエラの疑問にミルキィが答えたら、頭を抱えていたのだが。今現状、何の問題もなく使えそうな木材がそもそも〈歩行樹〉系統の魔獣のものしかないのだ。高級素材だけど使わないという選択肢がないのだ。…どんな木があるのか、そのうち市場で確認購入したほうがいいのかもしれない。

会話している間もクロムはミスリルのインゴットを叩いて伸ばし続けていて。伸ばされたミスリルは、ほぼ剣の形をとっていて。後少し、伸ばし足りないところを細かく叩いていく。

かかかかん、と、クロムがミスリルを叩いている間、スノゥは小型の炉で鋼のインゴットを熱し続けている。

かん、と最後にひと叩きして、ミスリルで剣の土台が完成すると。ことりと静かに鎚を置いたクロムは別の木槌を手に取って。剣身と持ち手の間、後で鍔のパーツを被せる部分の中心部に、左手で持った目打ちの先を当て。

かん、と木槌で軽くひと叩き。

その瞬間、ぐわりと、目打ちの先が当たっていた部分から綺麗な円状の穴が空いた。大きさは、魔剣の角がちょうど綺麗に嵌まるぐらいで。


「…これが鍛治の普通だって覚えたらいけないやつだよね。」

「だなぁ…。」


ルビナとアトラがぼそりと呟いた。それを聞いたテオラルテが、こんな手法は使えんぞ、と声を上げる。

まぁ、それ狙いでやってる事は否定しない。今回のもマナ操作の応用で、マナで圧をかけて穴を開けているのだ。長年使っている技術であるが、マナ操作って便利である。放出しているマナの総量を気にして使わないといけないけども。


「キュウヤ、魔剣の核をください。嵌め込みます。」

「わかった。ミルキィ、核の保護を。」

「はいはーい。」


クロムからの要求に、キュウヤは差し出された手のひらの中に、魔剣の核を静かに置いた。

渡された魔剣の核を先程開けた穴の近くへ持って行き、クロムはミルキィに声をかける。


「ミルキィ、核の保護を開始してください。」

「はいよー!」


マナで薄く、しかし頑丈に魔剣の核を保護し。保護された事を確認してから、周囲のミスリルに触れない様に気をつけながら、クロムは穴の中に魔剣の核を嵌め込む。まだミスリルは熱いからね、触れたら重度の火傷コースである。

人差し指で押し込まれて、しっかりと魔剣の核が嵌り。クロムが声を上げる。


「フォード、持ち手部分を上に向けて剣を持ち上げてください。なるべくまっすぐにお願いします。

スノゥ、魔剣の核をはめ込み終わりました。鋼を。」

「わかった。」

「それじゃ、熱いの通るわよー。」


フォードがクロムのリクエスト通りに刃先を作業台に向けて、空中で立てる様に保持する。

スノゥが小型の炉から、やっとこで熱々になった鋼を持ってくる。が、持ち手の先は高く、スノゥが手を伸ばしても届かない高さである。

しゃーない、と一言呟いて。スノゥは熱々の鋼を、やっとこの先から浮かせて、ミスリルで出来た剣の土台の持ち手部分の上部へと持ち上げる。

そして、土台のミスリルが溶けて崩れない様にしながら、持ち手の上部から徐々に下に向かって、程々の厚みにした鋼でコーティングしていく。

鋼は持ち手部分全体を同じ厚みで覆い。鍔が後程付けられる場所、魔剣の核の埋め込まれた高さに到達すると、徐々に厚みを減らしていき。剣身に到達するよりも上の高さで、鋼のコーティングが完了する。

若干鋼が余った様で。スノゥは、余った鋼を丸めてふよふよと浮かせながら。これちょっと熱とってー、と、アヤナの担当する液体の入った桶の中に、熱い鋼の玉を、ちゃぽんと入れた。

水面は、静かだ。

読了ありがとうございます!

また次話お会いできると嬉しいですっ。

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