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一章:魔法使い、魔剣修復する。3

早速作業開始である。まず、土台作成チームと装飾品作成チームが動き出した。

ノートはやっとこでミスリルのインゴットを一つ持ち上げて、小ぶりな炉の中へ。土台となる部分の大半を占める素材である。慎重にノートがミスリルのインゴットを温めている横で、スノゥが鋼のインゴットを手に取って。


「持ち手の部分はミスリルに鋼を重ねる感じ?

というか、持ち手の部分って、先に鋼を重ねてても問題ないよね。」

「マナの供給を考えると、持ち手部分は鋼の上から回路を描きたいかな。先に鋼を重ねてもらって大丈夫だね。」


スノゥの質問にキュウヤが答える。その答えに、なるほどねぇ…とスノゥが呟いた。

両手で鋼のインゴッドの端と端を持って。それならこのインゴットの半分量より少ないぐらいでも足りそうねー、と、ぽきりと鋼のインゴットを4:6の大きさに折り切った。


「まってまってまってまってまって、厚みのある金属を素手で折って切るのー!?」

「これもまた、マナ操作の応用だよっ。」


ヘルロットを混乱の沼に叩き落とした犯人は、語尾に星がつきそうな勢いで明るく軽やかに告げる。

他の見物者達も引いているがそれはそうだろう。側からだと、厚みのあるインゴットを軽々と折り切ったように見えるのだ。スノゥの腕はほどほどに細いので、そんなパワーがどこにある!?となるのはわかる。

ネタバラシをするならば。マナ操作で分子と分子の間の結合をマナで断ち切り。両手で一本のインゴットを持っている間に切断面を作った状態で、折り切ったように見せたのが、今回のスノゥの手法である。単なるマナ操作の技術だけだと絶対に使用できない手法であるので、おそらくこの領域では再現をされることのないだろう手法である。

スノゥが見学者の度肝を抜いている横で。クロムが温めたミスリルのインゴットを取り出し、作業台の上に置いて、鎚で叩いて伸ばし始めた。

鎚で叩かれ、伸ばされていくミスリルのインゴットは、明確に剣の輪郭を取っていく。


「あの叩き方で剣の形になっていくだと…?」

「単に金属を伸ばしているのでは…?」


テオラルテとディオラルトが声をあげているが、さもありなん。まるで鋳型に金属を流し込んだかの様に、伸ばされたミスリルのインゴットが剣の形になっていくのだ。見ててなんでや!ってなるよねぇ。

このやり方としては、簡単である。マナ操作でマナで型枠を作っているので、ミスリルのインゴットが自然と剣の形になっていくのだ。この後でミルキィが行う予定のトロパ鉱で描かれた回路を保護する手法と、技術的には割と似通っている。

カンカンと、クロムがミスリルのインゴッドを伸ばし。スノゥがやっとこで半分よりも小さめのインゴットの片割れを小型の炉で温めている。

その横、別の作業台で、ノートとセイカがまずは鞘から作り始めていた。素材は事前にスノゥに出してもらっておいた〈歩行樹〉系統の魔獣の枝である。ノートは丁寧に、木の皮を剥いでから小さな長方形のブロックをいくつもいくつも切り出した。セイカは〈収納〉から木材に使える接着剤入りの木の桶と刷毛を取り出して、ノートが作った木のブロックに接着剤を塗ってはくっつける、という作業を繰り返していく。

要は寄木細工での板を作っている様なものである。木のブロックがほぼ同じ色なので、若干合板っぽいのだが。小さな木のブロックごとに木目の出方が異なっているので、それが味と言ったら味かもしれない。上から艶出し用の素材を塗るだけでも十二分に鞘としては機能すると思うのだが、今回は上に革を被せて金属パーツで固定するタイプの装飾を施す予定なのだ。寄木細工風の鞘を作るのはまた今度…。

読了ありがとうございます!

また次話お会いできると嬉しいですっ。

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