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一章:魔法使い、付与剣修復の見学。3

一振り長剣が必要ならば、とテオラルテは弟子のディオラルトと一緒に、鉄を温めることからはじめて。

一方で、キュウヤの〈収納〉から取り出される、昨日入手した一級の魔石一つ。それと液体化したトロパ鉱入りの桶と、トロパ鉱の塊入りの桶。合わせるのだー、と塊入りの桶の方に、先ほど付与剣から剥いだトロパ鉱のかけらをざらざらとシルトが入れていく。

はいなのだ、とにこにこ笑顔のシルトから付与剣の核二つと、回路を剥いだ長剣と短剣を一振りずつ渡されながら、魔道具の核、もうつくるのー…?と目を丸くしてヘルロットが問うが、さもありなん。

旅人達は、さっき作り方を学んだばかりである。まぁ、文言はわかってるし、丸コピするだけで確実に魔道具の核が出来るからねぇ。見学はしたし学んだから、あとは実践あるのみである。失敗したとて魔石の予備はまだあるし。問題は…ヘルロット的には多少なりとも問題あるのか…。ま、魔法使いだからなんとかしたよ、でなんとかならないものか。

ぐるぐると、ミルキィの脳内で思考が巡る。キュウヤは再びマナ操作で液体化したトロパ鉱を持ち上げ、更に魔石も浮かせて。自身は魔石やトロパ鉱に触れずに、ルディから受け取った文言の書かれた紙を見ながら、文言を書き込み始める。

旅人達の中で、一番マナ操作が得意なのはキュウヤである。種族特性的にもマナ操作が向いているというのもある。なので割と、マナ操作で液体操って文字を書く、という作業も軽々とするのだが。慣れていないと、とんでもなく難しいのはある。同じ作業をルディやロヴェルにしてもらうと、魔石は浮かさずに自分の手に持って作業するんじゃなかろうか。

更に言うならば、今キュウヤがやっている作業的には、液体化したトロパ鉱を包んでいるマナごと文字として書き付けているため、結果トロパ鉱にマナが必然的に込められている状態である。トロパ鉱で文字を書くたびに使用しているマナの総量が減っているので、それを補うために少しずつではあるが自身からマナを放出して、補填してからマナ操作に使っているのだ。…うん、コスパ悪いことやってるのは否定できない。道具使えば不要なマナ消費ではあるのだ。

ただ、道具を使えない場面では、途端に有効な手法となる。例えば、あっつあつの金属の上にトロパ鉱で回路を描こうとする、とか。

さらさらと、キュウヤのマナ操作で、魔石にどんどん文言が書き込まれていく。

その様子を見てから、とんとんとエデュライナがミルキィの肩を軽く叩く。そして、振り返ったミルキィに、一言。


「あのやり方、あまり他の人の前でやらない方がいいと思う。」

「少なくとも、何やってるんだ…?ってなりますからね。」

「不特定多数の人の前ではしないように気をつけます…。」


エデュライナとトゥエラから、一般常識のツッコミが入る。〈念話〉でツッコミが入った事を即共有した。まぁ今現在、ディオラルトという魔法使い初見の人もいるけれど、テオラルテと一緒に剣を打つことに集中しているからノーカンに…ならないだろうか。

せめて片手、片手はものを持っておくべきかもしれない。

そんな中、はふりと大きな息をひとつ吐いたヘルロットが、ルディに声をかけて〈収納〉から液体化したトロパ鉱入りの桶を、作業台の上に置いてもらっていた。見る限り、〈収納〉したからといって何かしら変性したようには見えず。こっそり〈鑑定〉しても異変なし。


「何にも変わってないねー。ふむー、〈収納術〉で保管するのは割とありな話なのかなー?うーん、羨ましいねー。」


長剣を作業台の上に乗せ、付与剣の核を元々の位置に嵌め込んで。万年筆のような道具のペン先を液体状のトロパ鉱の中に浸して、インクとして補充して。ちゃぽり、ペン先を液体状のトロパ鉱の水面から引き抜く。


「それじゃー、回路を描き直していくよー。」

読了ありがとうございます!

また次話お会いできると嬉しいですっ。

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