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一章:魔法使い、付与剣修復の見学。2

確かにね、マナの動きを感じ取れない、見れない状態だったら何やってるかわからないけども。急に剣からぽろっと固体のトロパ鉱が落ちてきたら、他の人驚かない?大丈夫そ?

やるの?という視線をミルキィが向けるけれど、わちゃわちゃしている旅人達は楽しそうである。


「あの、皆さん何されるんです…?」

「剣の回路部分全部剥がすんだと思うよ?」


何かやり始めたのはわかるからか、そーっとトゥエラがミルキィに聞いてきた。

けろりとしたミルキィの答えを聞いて、トゥエラから、あの、どうやって…?とさらなる質問が重なる。


「すっごく簡単に言うと、マナ操作の応用だよね。」

「…マナ操作万能すぎません?」

「割と。」


マナ操作は極めたら、マナ固めて武器にもできるんだよ…言わないけれども。やろうと思えば色々できます。

シルト達が何をしようとしているのかというと。剣の地金とトロパ鉱の間にマナを滑り込ませて、その後マナを膨張させて地金とトロパ鉱の間に隙間を作り、トロパ鉱を剥がすのだろう。組成の把握を確認していたのは、確実にトロパ鉱だけを対象にするためとみた。

見ると、スノゥが〈収納〉から取り出した大きめの桶の上で、剣の剣身部分を布の上から掴んだ状態で、持ち手の部分を下に向けてシルトが準備していた。回路が全て剥き出しになるように、持ち手などの装飾用の金属はすでに取り除かれている。

行くのだー、というシルトの掛け声と同時に、ぱらぱらと、回路を構成していたトロパ鉱が長剣から剥がれ落ちる。

短剣でも同じ事をするのだろう。もう一本!と、スノゥが剣身を布で包み出した。


「え、あれ何ー?スキルー?」

「あれが出来たら、トロパ鉱のこそぎ落としの際に剣身傷つけんでいいな。」

「はい。トロパ鉱をこそぎ落とすのもなかなかに手間なので、あの技術ができたらいいですね。」


テオラルテの言葉に、ディオラルトがこくりと頷きながら、同意していた。


「ちなみに、あれ、スキルではないね。」

「なん…だとー?」


けろりとミルキィが軽く言うと、若干驚いた表情でヘルロットがミルキィの方を振り返る。


「正しく言うと、やってる事自体はスキルは必要ないけれど、やる前の準備には多少スキルいるかな?ただ、それもスキルがあると便利なだけで、知識さえあればスキルは不要かな。」

「なるほどー、わたしでもできるかなー?」

「…多分、前提条件の能力の腕をもっと上げて、知識を深めたら…?」


現状のヘルロットのマナ操作の能力が、まだあんまりわかってないから割とがっつり色々言えないのだが。回路周りの技術だけだとまだまだかなぁ…?

まぁ、正直この技術は、今のこの領域でも頑張れば習得可能ではあるのかもしれない。基本的に、マナ操作が前提条件なだけだからなぁ。

ただ、マナ操作の習熟度をかなり高めないといけないのだけれども。マナ操作で物浮かすことが出来るぐらいにはならないとね…?

ミルキィの視線の先で、シルトが短剣の方のトロパ鉱も剥いでいた。


「そうだ。長剣の方も一本用意してもらってもいいかな?」


2本分のトロパ鉱を剥いだのを確認して、キュウヤがくるりとテオラルテの方を振り向いて、告げる。あ、〈念話〉でこっそり話してたやつですね。

キュウヤの声かけに、テオラルテがキュウヤを見て告げる。


「新しく長剣にするのか?」

「新しく付与剣の核を一つ作れば、長剣も短剣も、両方いけるからね。」


にこりと微笑んで、キュウヤが告げる。

材料の魔石は〈緑化人〉系統の魔獣ので結構あるからね…。回路のトロパ鉱剥いだのは、マナを注ぎ直して再利用するためだったな、こうなると。


読了ありがとうございます!

また次話お会いできると嬉しいですっ。

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